東京駅や渋谷駅にゆったり過ごせるラウンジ登場のワケ  

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JR東京駅の「ビューゴールドラウンジ」。落ち着いた時間を過ごすことができる

空港のラウンジのように、ゆったり過ごせる空間が、鉄道の駅にも登場している。旅行の形が多様化するなかで、ゆったりと優雅な気分を味わったり、列車の出発まで落ち着いて仕事をしたりできる。

渋谷はベビールーム、授乳室も

JR東京駅八重洲中央口にある「ビューゴールドラウンジ」。中に入ると、駅の喧騒けんそうがうそのように静かな空間が広がる。壁面には、東京駅丸の内駅舎のドーム天井をモチーフにした組子細工が施されるなど、上品な雰囲気だ。

革張りのソファやテーブル34席分のほか、新聞や雑誌、無線LANを備える。スタッフが、ソフトドリンクや菓子をテーブルまで運んでくれる。手荷物も預かってくれるので、ゆったりくつろげる。

午前8時から午後6時まで、年中無休で営業する。当日東京駅を出発する新幹線の「グランクラス」利用者や、クレジットカード「ビューカード」のゴールド会員で当日東京駅発の新幹線グリーン車に乗る人などが、無料で利用できる。同伴者も有料ながら利用可。旅行前の親子連れや、出張中の会社員などの利用が目立つという。

渋谷駅地下にあるラウンジ「渋谷ちかみちラウンジ」。授乳室やパウダールームもある(東急提供)

東京・渋谷駅の地下には、女性用パウダールームや授乳室、ベビールームを備えたラウンジ「渋谷ちかみちラウンジ」がある。東急が運営し、誰でも無料で利用できる。飲食はできないが、コンシェルジュが常駐しており、買い物の合間などに安心して過ごせる。

くつろぎの上質空間

特別な列車の乗客向けラウンジもある。

JR上野駅にある、豪華寝台列車「トランスイート四季島」の乗客専用のラウンジ(JR東日本提供)

JR上野駅のホームの一角にあるラウンジ「プロローグ四季島しきしま」は、上質な和の雰囲気が感じられる空間に、ゆったりとソファやテーブルが置かれている。JR東日本が、豪華寝台列車「トランスイート四季島」の乗客専用ラウンジとして設けた。担当者は「従来の鉄道サービスに対する印象を一新させたかった。ラウンジはその一つ」と話す。

JR西日本の「トワイライトエクスプレス 瑞風みずかぜ」や、JR九州の「ななつ星in九州」も、乗客専用ラウンジを用意している。

観光列車「ろくもん」のラウンジ。旧軽井沢駅舎の貴賓室だった(しなの鉄道提供)

しなの鉄道も、軽井沢駅(長野県)に観光列車「ろくもん」の一部乗客向けラウンジをつくった。明治時代に建てられた「旧軽井沢駅舎」の貴賓室を活用。レトロな気分を味わえる。

鉄道ライターの土屋武之さんは「鉄道各社は今、どんなサービスを提供すべきか手探りの状態。駅ラウンジの登場は、駅での過ごし方の選択肢が増えたといえる」と話している。

(読売新聞生活部 矢子奈穂)