生理用品を買うのは恥ずかしい? 包装がおしゃれなら紙袋はいらないかも

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タンポンのパッケージについて話し合うインフルエンサーたち(ユニ・チャーム本社で)

これまでのイメージを覆すような包装デザインの生理用品が登場してきた。購入時に中身が見えないよう、紙袋や黒いレジ袋に入れることが多いなかで、「隠すべきだ」「恥ずかしい」という固定観念を変え、もっと自然に話せる環境にしようという狙いがある。

パッケージをSNSで投票

7月下旬、ユニ・チャーム(東京)でタンポンの包装を見直す会合が開かれた。参加者は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などで発信力のある「インフルエンサー」と呼ばれる人たち。同社が6月から始めた「#NoBagForMe(袋はいりません)」というキャンペーンの一環だ。

三つのパッケージのデザイン案。上中下のうち一つが実際に販売される

会合ではシンプルなものからかわいらしい雑貨のようなものまで、3種類のデザインが用意され、「これだと手に取りやすいかも」などの意見が出た。SNSでの投票結果をもとに、実際に販売されるデザインが決まる。企画担当の長井千香子さんは、「ただ、袋をなくそうという運動ではなく、生理のことを気兼ねなく話せる環境を作りたい」と狙いを語る。

目指すはインスタ映え

「EMILY WEEK」に並ぶシンプルな生理用品

人気ブランド「JOURNAL STANDARD」などを手がけるアパレル「ベイクルーズ」(東京)は、生理用品を軸にした商品を扱うブランド「EMILY WEEK」を2017年から展開する。直営店では、シンプルなデザインのパッケージを扱う。自社で作る布ナプキンなども充実しており、ギフト用に購入する人もいる。企画した柿沼あき子さんは「プレゼントにあげても、SNSで写真を投稿してもいいと思える商品を作りたい」と話す。

生理用品をわざわざ袋に入れるのは、男女問わず忌避しがちという理由に加え、女性自身が否定的なイメージを持っていることに対する配慮もある。

生理は恥ずかしいことじゃない!

美容サロン「ミュゼプラチナム」(東京)が18年、全国の16~49歳の女性1114人にインターネットで聞いた調査によると、約4人に1人は購入時に「生理だと思われるのは多少なりとも恥ずかしい」と感じていた。男性ではなく女性店員のレジで買うようにしている人も3割いた。

こうした意識は根強いが、海外でも、生理のイメージを変えるような動きが見られる。18年には、安価なナプキンを開発した男性の活躍を描くインド映画「パッドマン」が公開されヒットした。映画に関連して、ロシア人のトップモデルがSNSで、ナプキンを手に「生理は自然なこと。恥ずかしいことではない」と投稿すると、賛同を示す「いいね!」が6万件以上付いた。

生理用品を研究する歴史社会学者の田中ひかるさんは、「生理や妊娠など女性のライフスタイルをサポートする技術が発展し、市場として成長してきた。それにより、タブー視されてきた生理に光が当たり、オープンに話し合う機運が出ている。国内では、機能面は成熟し、残された課題だった意識の変革が起きたことで、従来とは違うデザインの商品が増えつつある」と分析している。(読売新聞生活部 野口季瑛)