恋愛成就の鍵は「ラブレター」!? 絶対OKしてもらえる書き方

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気になる人や大切な人と、どんなツールでやりとりしていますか? 電子メールやSNSといったデジタルツールが当たり前となった今、手書きの「ラブレター」が見直されています。「ラブレター代筆屋」の小林慎太郎さん(40)に、手紙が人気の理由や、効果的な書き方を聞きました。

成功率はほぼ100%! ラブレターに自信

IT企業に勤務する傍ら、5年前から副業としてラブレターを代筆している小林さん。職業にする前から、ラブレターにはちょっとした自信がありました。

職場結婚した奥さんはもちろん、大学時代のアルバイト仲間や中学の時の同級生らにラブレターで告白した時には、ほぼ100%成功。その話を聞いた友人から代筆を頼まれたことがきっかけで、「ラブレター代筆屋」を思い付きました。

小林慎太郎さん

代筆は、1通5000円程度。小林さんは、依頼者と直接会って、依頼者本人の趣味や相手への思いなどをじっくりと聞き出し、依頼者の人柄がにじむような文章を考えます。それを手紙に書き写すのは、基本的に依頼者本人の役目です。

女性の依頼者が急増中

5年間の代筆実績は、延べ110人ほど。今年は、テレビ番組に出演したこともあって、依頼者数が昨年比で3割増となるなど、続々と仕事が舞い込んでいるといいます。

「最近は、デジタルでのコミュニケーションが当然なので、アナログな手法がかえって印象に残るのかもしれません。文章だけでなく、文字の丁寧さや、切手・便せんのデザインからも、書いた人の思いが伝わるのも良いのかも」

特に目立つのが、20~30歳代の女性からの依頼。当初はほとんどが男性からでしたが、今では女性の依頼者が3割ほどを占めています。

手紙を渡す=ピュアな女性!?

でも、ラブレターには、どちらかと言えば男性が女性に渡すイメージが強く、男性に渡したら「ガツガツしている」と引かれるのでは……と不安に感じる女性もいるのではないでしょうか。

ところが、「意外にも、女性のほうが成功率が高いんですよ」と小林さん。これまでの成功率を男女別に見ると、男性が20%なのに対し、女性は50%が成功しているというのです!

今春には初めて、交際中の男性に求婚する「逆プロポーズ」の手紙の代筆依頼もありました。2年間、同居しているにもかかわらず、結婚の気配を見せない彼氏に求婚したいというものでした。代筆して1週間後、依頼者の女性から「うまくいくと思っていなかったけれど、大成功でした!」と喜びのメールが届いたそうです。

逆プロポーズの代筆の記録を少し見せてもらいました。「女性が依頼者の場合、本人の雰囲気に合った文章を考えるのは難しいですが、受け取る男性側の気持ちはよく理解できるので、意外とすんなり書けることも多いんですよ」と小林さん。

なぜ、女性のほうが成就しやすいのでしょう。そもそも男性は、復縁したい女性や一目ぼれした女性への手紙など、難易度の高い案件が多いと前置きした上で、小林さんは「男性のほうが、女性に清純さや家庭らしさを求める傾向にある。そういったイメージに、『手紙を渡す』という行為はぴったりなのかもしれません」と分析します。

大事なのは、三つの“感”!

好きな人に贈るものだからこそ、字や文章の巧拙が気になり、つい筆が止まってしまうもの。小林さんに、絶対に好きになってほしい彼へのラブレターの書き方を教えてもらいました。

まず、文字量は、800字以内がベスト。小林さんによると、字のうまさは関係ないそうですが、どうしても気になる場合は、パソコンで書き上げ、「好きです、付き合ってください」など大事な一文だけ手書きするという手があるといいます。

文章を書く際に、最も重要なのは、「三つの『感』を意識すること」。三つの「感」とは、〈1〉距離感〈2〉温度感〈3〉読後感――です。

例えば、そんなに親しくない相手からいきなり、「タメ口」の文面や、熱い思いばかりが詰まった手紙をもらったら、たじろいでしまいませんか。そんな事態を防ぐためにも、「まずは、相手との心の距離感や、お互いの熱量の差をしっかりと把握することが大切。冷静なくらいの文章が、ちょうど良いんですよ」と小林さんは説明します。

特に、一気に書き上げた手紙は、熱量が高い傾向にあるそう。そこで、小林さんは、客観的な視点で手紙を見直して修正することを勧めています。小林さん自身、代筆する際には、夜中の執筆は避け、手紙を書き上げたら2、3日置いた後、声に出して再度読み直したりしています。

相手が手紙を読んだ後、自分にどんな印象を持つかというのが「読後感」。「こだわりがなければ、純粋さや初々しさ、誠実さを印象付けさせることがおすすめです」

そのためには、「~でしょうか?」「~ですか?」といった疑問形や、「字があまりうまくないので恥ずかしいのですが……」などと一歩引いた表現を盛り込むのが効果的です。仲の良い人に、あえて「です、ます調」の文体を用いて、普段とのギャップを出すというテクニックもあります。

プロポーズの場合は、三つの「感」に加えて、「人生観」と「倫理観」も盛り込んだ内容にすると良いそうです。

字や文のうまさは二の次 気負わずに挑戦してほしい

「正直、字や文のうまさは、二の次、三の次」という小林さん。

「手紙を書くことで、そもそも誠実さや好意は伝わっています。本当は、代筆に頼らなくても大丈夫なんですよ。自分の字で、丁寧に、短く書くだけでも十分なので、気負わず挑戦してみてくださいね」。最後に、そうアドバイスしてくれました。

(取材/読売新聞メディア局 安藤光里)

小林 慎太郎(こばやし・しんたろう)

 1979年 東京生まれ。立教大卒。都内のITベンチャー企業にて役員を務める傍ら、ラブレター代筆をサービスとして提供する「デンシンワークス」を運営。その活動を通して、現在までに100通以上のラブレターを代筆。著書に『ラブレターを代筆する日々を過ごす「僕」と、依頼をするどこかの「誰か」の話。』(インプレス)。