欧米人は洗顔しない!?こんなに違う「スキンケア」事情

サンドラがみる女の生き方

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以前、世界の女性のメイク事情について書きましたが、ふだんはあまりメイクをしなくても、「スキンケア」は気になるという人は多いようです。実際に、日本のスキンケアのやり方は、海外と比べて「凝っている」のです。今回は、日本流のスキンケアにスポットを当てながら、海外のスキンケア事情にも触れたいと思います。

段取りが「凝っている」日本のスキンケア

日本に住む外国人女性が驚くのは、日本人のスキンケアの方法です。同じメーカーのものを使い、「まずこのメイク落としを使って」「次にこの洗顔料で顔を洗って」「その後、この化粧水をつけて」「その上にこの乳液を塗って」などと、各自の肌質に合うスキンケア商品があるのはもちろん、使う順番も決まっています。

ヨーロッパにも、化粧水や乳液などはもちろんありますが、全部そろえるということはありません。決まった段取りでスキンケアをしている人はむしろ少数派です。日本の女性誌にはスキンケア関連の記事も多く、「洗顔後は30秒以内に化粧水をつけたほうがよい」といったような情報も盛りだくさんなのです。

日本ではスキンケアを入念に行う女性が多く、費用もかなりかかっているようです。メイク落としや洗顔料、化粧水に乳液にナイトクリームなどをそろえると結構な金額になりますが、割と値段を気にせず購入している印象です。

クリームやメイク商品、マニキュアまで「ニベア」が流行はやっているドイツとは大違いです。念のために言うと、ニベアは大変品質が良く、筆者も使っていますが、イメージとしていわゆる「高級感」のあるものではないような気がします。そんなドイツの状況と比べてみると、日本の場合、スキンケア商品はいわば「必須」のもので、特にぜいたくだという感覚はないのかもしれません。

ニッポンでは「美しい人=肌がきれいな人」?

日本では、肌がきれいなことも「美」の条件だとされています。もっとも、肌がきれいだからといって即「美しい人」となるわけではありませんが、ニッポンで「きれい、美しい」とされている女性はみんな、肌がきれいなのです。

日本に限らず、中国や韓国でも同様の傾向が見られ、「肌のきれいさ」が重要視されています。理想とされているのはやはり、ツルツルで凸凹やシワのないベビー肌です。もちろんヨーロッパでも、肌がきれいなほうが美しいですが、「美肌へのこだわり方」はやはりアジア圏の方が強いと言えるでしょう。

ソバカスも気にしないヨーロッパ

ドイツでは、シミができて困っているだとか、ソバカスができて困っているというような話をあまり聞きませんが、実際に見てみると、ソバカスがある人はかなり多いのです。ただ、これはシワについても言えることですが、シミ・ソバカスが全くない肌になろうと頑張っている人はそれほどいないのです。

今年の夏は例外的に、ドイツもフランスも猛暑の日が続きました。しかし全般的には、ドイツなどは一年にわたって日照時間が短いので、肌を太陽などから守るというよりは、普段から曇りや雨の日が多いのだから、太陽が出た日には「とにかく外で活動をして、なるべくたくさん太陽を浴びよう」という発想になる人が多いのでした。

太陽を浴びなさすぎると、体内のビタミンDが不足したり、骨粗しょう症になりやすかったりすることもあり、ドイツではスキンケアよりも「体の健康」を考える人のほうが多い印象です。まあ、もちろん肌も体の一部ではあるのですけどね。

ヨーロッパ人は洗顔をしない?!

日本では、朝起きたらまず顔を洗うという人が多いです。女性誌には定期的に「正しい洗顔方法」に関する記事が載るなど、「洗顔はスキンケアの基本」と考えられています。

実際に、いろんな肌質に合わせた洗顔料が販売され、泡立ちがよくなるような洗顔ネットもあったりします。「洗顔をすること」はいわば常識なのですね。

ところが、ドイツを含むヨーロッパ人は、洗顔をしない人が多いのです。というのも、朝起きてすぐにシャワーを浴びるという人が多く、顔もシャワーのついでにササッと洗うといった感じです。顔はあくまでも体の一部であり、「洗顔をする」という概念自体がないのでした(笑)。ただ、これは「お風呂は夜」の日本人 VS 「朝シャワーを浴びる」ヨーロッパ人の習慣の違いによるところも大きいですね。

化粧はニベアの青缶で落とす

では、ヨーロッパ人は夜に帰宅後、どのようにメイクを落とすのかというと、日本流の「洗顔料をなじませて、水で洗い流す」という方法ではなく、ティッシュなどにクリームを含ませて、メイクを拭きながら落とします。この時に使うクリームは、メイク落とし専用のものもあれば、保湿クリームとして知られる「ニベアの青缶」を使う人もいて、それが割と一般的なスタイルだったりします。クリームでメイクを拭いて落とした後、そのままの状態で過ごす人もいれば、石鹸せっけんでさっぱり洗う人もいます。いずれにせよ、朝起きた時にしても、メイクを落とす時にしても、洗顔があまり一般的でないことだけは確かです。

これは、もしかしたら気候の違いが関係しているかもしれません。湿気の多い日本とは違い、ヨーロッパの空気はどの季節も乾燥していますから、肌にはなるべく油分が高めのクリームを塗りますし、わざわざ洗顔しないというのもうなずけるのでした。

ちなみに日本生活が長い筆者は、顔がベタつくのが嫌で、朝や夜に限らず、この季節は洗顔が趣味のようになっています。

サンドラ・ヘフェリン
サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト

 ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「多文化共生」をテーマに執筆活動中。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオ共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(ともに流水りんこ共著/KKベストセラーズ)など。
 「ハーフを考えよう!」http://half-sandra.com/