タイに根づく屋台文化 日本より辛いお気に入りの食べ物は

バンコク駐在日記

 読売新聞東京本社広告局のバンコク駐在員、杉崎雄介です。タイに来て3年になる暮らしの中で、見つけたことや感じたことをお伝えしていきます。

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 タイの首都バンコクは、経済成長を背景に大型モールや高層コンドミニアム、鉄道の新規建設が続き、都市化が進んでいます。その一方で仏教思想と悠久の歴史に基づく独自の文化、そして人々のライフスタイルを随所に感じられるのが、この街の魅力のひとつです。

都会のオアシス、ルンピニ公園

 今回はタイの人々の生活に深く根差した「屋台文化」を紹介します。

 バンコクの路上では飲み物、食事、果物、スイーツなどを扱う様々な屋台を見かけます。広場や駐車場などの開けた場所では、このような屋台が集まって「市場」(タイ語で「タラート」)が作られます。バンコクのオフィスワーカーにとって、屋台はランチに欠かせない存在です。選択肢が豊富な上に、価格もリーズナブルだからです。私がよく行くのはオフィスに近いルンピニ公園の市場です。主に平日の昼間にお店が集まります。

ランチタイムで賑わうルンピニ公園の市場

 この日はタイ人アシスタントのインクさんと連れ立ち、お気に入りのクイティアオ(麺料理)屋へ。この屋台ではスープと麺の種類を選ぶことができます。私はトムヤムスープとバミー(卵麺)をチョイス。店員さんに「マイ・ペッ(辛くない)」と頼みましたが、それでも多少辛いのがタイ料理。酸味と辛味が合わさったスープはタイらしい味ですが、麺は日本で食べるラーメンに近く、食べやすいです。

アシスタントのインクさん
クイティアオ・バミー・トムヤム

 暑いので飲み物も忘れずに。濃いオレンジ色と甘さが特徴のタイ・ミルクティーを注文しました。コンデンスミルクと砂糖がたっぷり入っていてとても甘いですが、外を歩くだけで目まいがしそうな東南アジアの暑さの中で甘いものは欠かせないようです。

甘さが特徴のタイ・ミルクティー

 市場では、日本の食べ物とよく似たものも売っています。例えば、ガイ・ヤーン(焼き鳥)は日本の焼き鳥と同じ。さっぱりした味つけで、誰でも食べやすいです。ムー・ピン(焼き豚)とともにお米のおかずとして食べることも多いです。

ガイ・ヤーンとムー・ピン

 こちらの機械は、タイの伝統菓子のひとつであるカノム・クロック(ココナッツミルクでできた焼き菓子)を作るもの。初めて見かけたときは「なぜ、ここにたこ焼き器が?」と、びっくりしましたが、たこ焼きと違って半面だけ焼き上げます。程よい甘さなので食後のデザートにもぴったりです。

まるでたこ焼きのようなカノム・クロック

 楽しい屋台での食事ですが、近年は街の美化を目指す行政の規制が強まり、徐々にその姿を消しています。寂しい気がする一方、都市の発展とともに変わりゆく景色、人々の生活に国の成長のダイナミズムを感じてもいます。昔ながらの伝統と、時代に応じた変化の混在、それも今のバンコクの魅力でもあります。

(取材・文/広告局バンコク駐在・杉崎雄介)