幼い子供と「親子キャンプ」デビュー 非日常で癒やし効果も

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キャンプ場で団らんするN子さん家族(千葉県内の成田ゆめ牧場ファミリーオートキャンプ場で)

自然の中で子供に変化、夫婦の時間も充実

「たった一晩、テントに泊まって過ごすだけなのに、毎日の忙しさを忘れてリラックスできますね」

千葉県内の会社員のN子さん(40)は、親子キャンプにはまっている理由をそう話します。夫と、小学1年の長男(6)、長女(3)と4人暮らし。夫婦共働きで、仕事と家事、育児でせわしい毎日を送っていますが、最近は、毎月1~2回のペースで、キャンプに行くそうです。

N子さんの子供たちも自然の中でのんびり(静岡県内の「ふもとっぱら」で)

キャンプを始めたのは、車で日帰りのバーベキューやハイキングに行ったのでは、「夫婦一緒に大好きなビールが飲めない!」からだそうです。夫婦の思惑とは別に、子供たちの様子に発見もあったと言います。

「キャンプ場にはテレビもゲームもないけれど、子どもたちは大興奮。虫や草などに興味を持ったり、川に向かって思い切り石を投げたり。体を使って遊ぶせいか、テントでもよく寝てくれたんです」

夜空の下、ランプやたき火の明かりを囲み、夫婦でビールを飲んで語らう時間もできたといいます。

インスタ映えは狙わない

ご飯作りは無理をしない。「インスタ映えを狙って、見栄えの良い食事を作ろうなどとは思わない」とN子さん。自宅で作ったおかずや、洗ってそのまま食べられる野菜や果物を持参したり、お湯を沸かして「温めるだけ」のレトルトカレーやスープを活用したりしているそうです。

楽しむコツは「余裕を持つこと」

この夏、親子キャンプに挑戦したいという家庭も多いでしょう。初心者でも楽しめるコツを、アウトドア雑誌「ランドネ」編集長の佐藤泰那さん(34)に聞きました。

「キャンプの醍醐だいご味は、自然の中でゆっくり過ごすことです。大人も子供も楽しむためにも、スケジュールや心に余裕を持つことが大切」と話します。

テントの設営に自信がなければ、コテージや常設テントの利用を検討してみるのも一案と言います。

ランドネ編集部提供

最近、注目されている「高規格キャンプ場」は、設備が充実し、衛生的で、安心・快適に過ごせるので、ファミリーにも人気です。レンタルサービスが充実していて、キャンプ用品や食材も用意してもらえる「手ぶら」で楽しめるキャンプ場や、お風呂やシャワー、水洗トイレが完備されたキャンプ場も登場しています。

利用料は、サービスが充実した施設や繁忙期には1人1万5000円ほどかかるところもあります。基本利用料にオプションサービス代を追加する料金システムを導入しているところもあります。また、「当日キャンセル無料」のキャンプ場なら、子どもが急な発熱でお出かけを断念せざるを得ない時などに助かります。

キャンプ場選びには、検索と予約ができるサイト「なっぷ」などが便利です。佐藤さんは「予約する際、気になることがあれば、キャンプ場に直接、電話をかけて確認しておくと安心です」とアドバイスします。

緊急時の備えを

急な天候の変化や朝晩の冷え込みなどへの備えも必要です。

風雨をカットするアウターウェアと、フリースなど保温性のある衣類を用意し、重ね着で体温調整できるようにしておきましょう。加えて、子供の服は、濡れたり汚れたりした時に着替えやすいように、体を動かしやすいシャツやズボンを多めに持っていくようにします。すぐに乾くサンダルなども重宝します。

安全面への配慮も忘れずに。子供を見守れる余裕を持つことが大切です。万が一に備え、医療機関の場所を事前に確認しておき、保険証や医療証を携帯しましょう。

ランドネ編集部提供

ほかの親子と一緒になることも多いので、「仲良く遊ぶきっかけ作りとして、ハンモックやシャボン玉、お絵描きセットなどを持参するのもオススメですよ」と、佐藤さんは話しています。

(読売新聞生活部 矢子奈穂)

佐藤泰那
佐藤泰那(さとう・やすな)
「ランドネ」編集長

 1985年、大阪市生まれ。2007年にえい出版社に入社、2010年から雑誌「ランドネ」の編集を担当している。2018年から同雑誌の編集長を務める。ムック「親子でアウトドア!」も担当。プライベートでもキャンプや登山などアウトドア旅を楽しむ。