職場でウワサに…もしかして私って「足くさ女」?

News&Column

 ジメジメした天候が続く中、女性にとって気になるのが足のにおい。蒸れたストッキングや靴下を脱ぐたびに、「におっている?」と心配になる人もいるでしょう。体臭などで周囲を不快にさせるスメル・ハラスメント(スメハラ)。自分が加害者にはなりたくないと、消臭スプレーを吹きかけたり、念入りに洗ったりすることも。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、「足のにおいに困っていて、もうお手上げ状態」という投稿がありました。足のにおいについて効果的な対策はあるのでしょうか。専門家に聞いてみました。

私って職場でスメハラですよね・・・

 トピ主の「ドクロ」さんは、事務職。ほぼ毎日、ストッキングとパンプスを履いて出社。靴には消臭スプレーを吹きかけ、休みの日になるべく干し、毎日泡タイプの薬用抗菌石鹸で足を洗い、消臭クリームも塗布。会社でも汗拭きシートで足を拭くほどの念の入れようです。皮膚科に相談して、制汗剤も使うようになりました。

 にもかかわらず、雨に濡れて職場に行けば、靴を履いていても足のにおいがしてしまうそう。職場でもうわさされ、机の下にファブリーズをされたり、遠回しに消臭グッズを勧められたりします。

 すっかり困り果てた「ドクロ」さんは、「私って職場でスメハラですよね……。みなさんはどのように対策していますか?」とアドバイスを求めました。

画像はイメージです

「私も足くさ女でした」

 この投稿に対し、足のにおいに悩む同士から、アドバイスやケア方法などの反響が寄せられました。

 「靴の中に小麦粉みたいな粉をまくだけで、劇的に消臭します」と自分の使った消臭商品を紹介したのは「あびるこ」さん。「(室内履きが許されるなら)オフィス仕様のクロックスは? 丸洗いできてパンプススタイルになっているものもあります」と「にゃんこ」さん。

 「それだけ対策してもダメなら、ストレスとか内的要因ではないでしょうか?」という「ソレイユ」さんは、会社勤めを始めて間もなく、足が臭くなって仕方なかったそうです。ところが、その会社を退職した後はにおいがなくなり、別の会社に勤めても足がにおうことはなかったとのこと。ソレイユさんは、「環境も人間関係もかなりつらい会社だったので多分ストレスだと思っています」と説明します。

 冷え性が原因で足の裏や指に汗をかきやすいという「あき」さんは、長時間靴を履いていると自分でも分かるほどにおいがしたと言います。数年前から婦人科で冷え性の漢方薬を処方してもらい、体を冷やさないように気をつけていることもあり、においは少しずつ改善が見られるそう。あきさんは、「体質改善も一つの案として考えてみては」とアドバイスします。

画像はイメージです

「足のにおい」の原因は?

 体臭治療に詳しい五味クリニックの五味常明院長に足のにおいについて聞きました。

 人間の体の中で、汗をかきやすい部位は、「額」「足の裏」「わき」「手のひら」の4か所です。汗自体ににおいはありませんが、この中で、熱がこもりやすく、ジメジメした「足の裏」は、雑菌が増えるのにうってつけの環境。蒸れて古くなった角質がふやければ、雑菌のエサとなって、ますます雑菌は繁殖します。

 雑菌が角質などを分解するときに発生する「イソ吉草酸」に加え、「脂肪酸」や「アンモニア」など何種類ものにおい成分がからみあい、「足のにおい」となります。一般的に、「靴下の蒸れたにおい」は納豆に含まれるイソ吉草酸に似ていると言われており、「納豆くさい」という連想もされますが、嗅覚は、単一のにおい成分をとらえているわけではなく、時には数千種類ものにおいを嗅いでいるそうです。

 五味院長は「日常的に、革靴やパンプス、靴下やストッキングをはく現代人にとって、足の裏がにおうのはむしろ当たり前です」と話します。

優しい人ほど「足のにおい」が気になる

 具体的な対策について、五味院長は、<1>汗の量を抑える<2>雑菌の繁殖を抑える――という目的にかなうなら、治療薬やグッズを試してみる価値はあると言います。同時に、サイズの合っていない靴やサンダルもなるべく避けたほうがいいそうです。靴との摩擦が生じることで、足の裏に角質ができやすくなるほか、足元が気になって、汗の量が増えてしまうこともあるためです。

 暑い時に体温調節で汗をかく「温熱性発汗」はだれにでも起きる体の反応ですが、やっかいなのは、この「精神性発汗」です。これは、緊張したり、不安を感じたりすると出てくる汗です。「手に汗を握る」と言いますが、極度のストレス状態に陥ると、手のひらがじっとりと濡れるのと同様に、足の裏やわきから汗がしたたるほど出てしまう場合があり、においやすくなってしまいます。

 そればかりか、「自分のにおいで周囲に迷惑をかけていないだろうか」「スメハラの加害者になっているかも」と思い悩むあまり、さらにストレスとなって、余計に汗が止まらないという悪循環に陥ります。

 ひどい状態になると、隣の人が鼻をすすったり、誰かが窓を開けたりするだけで、「自分のにおいのせい」などと思い込むようになり、「会社に行きたくない」「もう、だれとも会わない」といったことになりかねません。

 五味院長は「『自分の足がくさい』と心配する患者は、まじめで周囲への気遣いができる優しい人という共通点があります」と指摘。「『足は誰でもにおうもの』と開き直るくらいの気持ちを持っていいんです」とアドバイスします。

「足のにおいは足の表面と体の中から出てくる2種類がある」と説明する五味院長(東京・新宿区の五味クリニックで)

「足のむくみ」はアンモニア臭のサイン

 汗が原因となるにおいだけでなく、体内の老廃物が原因とされる「疲労臭」もあります。これは、体の循環が滞っているために起こるので、足がむくんでいる人に多い傾向があります。老廃物が下半身にたまっている状態で、足の裏からにおいを発する原因となります。

 このにおいはアンモニア臭なので、ミョウバンなどの酸性の洗浄成分で洗うと効果的です。

 「足がむくみやすいという女性や立ち仕事の多い人は、足のマッサージをしたり、スクワットを20回ほど行ったりすると、足のにおいの改善につながります」と五味院長。「足のにおいを気にするあまり、自らを責め、人前に出られないなんてことにならないよう、『におうのは自分だけじゃない』と考え方を切り替えてください」とアドバイスします。

 足のにおいを軽減させる治療や対処は、「少しずつ改善している」「周囲に迷惑をかけないようにしている」という自信につながるとのこと。適切な対策をしているなら、「スメハラ加害者になってしまう」と過剰に心配するのは逆効果になりそうですね。(メディア局編集部・鈴木幸大)

【紹介したトピ】
足が臭い!

五味 常明(ごみ・つねあき)

五味クリニック院長、体臭・多汗研究所所長。1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

【あわせてよみたい】
夏本番前にエアコンの試運転をしないとヤバイ・・・なぜ?
ブラジャーのカップサイズ、勘違いしていませんか?
ストッキングは女性としてのマナー!?海外では
夏の下着問題…薄着だから透けても仕方ない?