高殿円さんの連載「35歳、働き女子よ城を持て!」が本になりました

35歳、働き女子よ城を持て!

 OTEKOMACHIで連載されていた、高殿円さんのエッセー「35歳、働き女子よ城を持て!」が4月26日、KADOKAWAから出版されました。

 「年収300万円のシングル女子」が都内に家(マンション)を買えるかどうか、不動産大好き作家・高殿円さんと編集者・M村さんが東京を巡り、体当たりの取材を敢行。新築から中古、ヴィンテージまで、様々な物件に突撃してリアルにリポートした、不動産エッセーです。お仕事小説や時代小説で、「自立した働き女子」を描いている高殿円さんに、不動産エッセーを書いたきっかけや、読みどころを聞きました。

「東京でマンションを買う」というミッションに挑戦

 このエッセーは、2018年9月から19年1月まで本サイトで連載され、自分の城を持ちたい35歳働き女子の奮闘ぶりと、不動産事情のリアルなリポートが好評を博しました。

 本書に登場する「M村」は出版社の契約社員で35歳シングル女子。編集者という仕事柄、勤務時間は不規則で、終電に駆け込む日々を送っています。「会社に近くて、くつろげる持ち家がほしい」と思うものの、年収300万円台では夢のまた夢……。そんなM村の夢を実現させるため、高殿さんが立ち上がります。

 そもそも不動産コラムを思いついたのは、幼少期の家事情が影響しているのだとか。

 「私の不動産好きは、親の影響かもしれません。母は“理想の家”をずっと探していて、ようやく条件ぴったりの家を見つけたんです。いざ、引っ越しとなったとき、父が病に倒れて、家どころじゃなくなって……。夢の家が目の前で消えてしまい、子供心にその衝撃が大きくて、“家”に対する思いが強くなったんだと思います」

 家に振り回される人生は送りたくない――。高殿さんは、振り回されないために知識を持とうと考えます。

 「借家にしても家を買うにしても、不動産の知識はあったほうがいい。とことん知識を身につけたら、怖いものはない! そう思って、自分なりに勉強をしたんです。勉強して知識を得たら、人に教えたくなって……。私は物書きなので、講座を開くより書くことで知識を伝えたかったんです。小説よりエッセーを選んだのは、リアルなリポートにしたかったからです」

家に褒めてもらえば、充実した毎日を送れる

 女性の活躍が叫ばれる昨今ですが、実は、世の中の働く独身女性は不安でいっぱい。とくに30代は、ちょうどライフスタイルが変わる年頃。独身なら「結婚しないの?」、結婚していたら「子供はまだ?」と、やたらと外圧を受けて、心身ともにしんどくなります。「このまま結婚しなかったら、孤独な老後になる」「仕事は好きだけど、会社も自分の将来もどうなるかわからない」「もう、これ以上頑張れない」。何よりモヤモヤするのは、頑張るのは当たり前で、輝いても誰も褒めてくれないこと。

 キャリアと年齢を重ねても、自分を肯定したり承認したりすることは、とても難しい。高殿さんは「目に見える自己肯定要素があったら、少しは生きるのが楽になるのでは……」と言います。

 「この先、国や社会がどうなるかわかりません。どうなるかわからないからこそ、とにかくたくさん褒められて、いまを気持ちよく生きてほしい。そういうふうに生きることが、10年、20年先にうまくつながるのでは、と思います。家は小さなサクセスです。毎日、家で目覚めるたびに、“自分の城を持った私はすごい!”と実感するはず。家は継続的に自分を褒めてくれるんです」

 自分の城を持ちたい働き女子M村さんは、高殿さんと理想の家を探します。理想の家は働き方や生き方の指針にもなります。OTEKOMACHIの連載ではM村さんが理想の家を見つけるまでをリポートしましたが、書籍化にあたり、その後のライフスタイルも加筆されています。

 「M村のライフプランがどのように変化したのか、ぜひ、本を読んでみてください」

高殿円(たかどの・まどか)
作家

  兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。著作に、「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』『主君 井伊の赤鬼・直政伝』『政略結婚』『戒名探偵 卒塔婆くん』など、話題作を続々と発表している。13年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。最新作『35歳、働き女子よ城を持て!』(KADOKAWA)好評発売中。

35歳、働き女子よ城を持て!

 持ち家は、あなたを褒めてくれる。全力応援エッセー!

 女子が生きていくために大切なのは自分だけのくつろげる居場所(=資産)を見つけること。新築から中古、ヴィンテージまで、様々な物件に突撃してリアルにレポートした、働き女子に贈る体当たりエッセー!

 高殿円・著/風呂内亜矢・監修/1458円(税込み)