保護者同士のグループLINE、落とし穴にはまらない!

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 新年度が始まって間もないこの時期、子供を保育園や学校に通わせる親たちを悩ませるのが「保護者同士のグループLINE」です。複数のメンバーで会話ができるLINEのグループトークは、行事の日程調整や写真の共有などに大活躍。うまく使えば、参加者間の連絡を密にできる便利なツールですが、雑談がだらだら続いたり、思わぬ“誤爆”で傷つく人が出たり。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」にもさまざまなケースが寄せられています。トラブル回避のために何ができるかを専門家に聞きました。

メールとは違う 雑談の多さにうんざり

 「保護者のグループラインにうんざりしています」と発言小町に投稿したのは、「水玉」さん。2児の母親で仕事を持つ「水玉」さんは、子供の行事の前に、保護者同士で役割を決めたり、集まりの日程を連絡したりするのにグループLINEを使っているそうです。

グループLINEのイメージ

 子供が2人いる分、それぞれメンバーが十数人いる保護者グループLINEに参加。一つのグループでは、簡潔な連絡が来て、参加の可否などが返信されるだけですが、もう一つのグループでは、雑談が多くて、肝心な連絡が埋もれていってしまうそうです。

 下手に確認すると、「え? 何が」「どういうこと?」「〇〇とかだって~」などと返事が戻ってきて、また余計な雑談が始まります。まるで仲良しのママ友のグループに仕方なく入っている感じがして、イライラが募ります。「メールなら、内容や相手を考えてきちんと伝わるようにと下手なりにも文章にするのですが…。ラインはチャットなので、内容を考えて送信しようとすると、話が変わってしまっていたり、ぱぱっと送信すると内容が間違って伝わってしまったりして、正直苦手です」

 「水玉」さんは、二つのグループLINEに参加しているからこそ、“違い”を感じられるのかもしれませんが、苦手意識を持つ人は少なくないようです。

子供たちの雄姿を共有のはずが…わが子中心に!?

 「スポ少、試合の写真について」と題する投稿を寄せた「あんこ」さんも、保護者同士のグループLINEに苦手意識を持つ一人。

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 「あんこ」さんの子供が所属するスポーツ少年団の役員が、都合で試合の応援に来られない保護者のために、グループLINEのアルバム機能を使って、応援に行った保護者が試合で頑張っている子供たちの姿を投稿することを提案しました。

 これに賛同して、同学年の子供たちの母親が全員でグループLINEに参加。「あんこ」さんは、我が子のチームメートたち、とりわけ親が応援に来られなかった子供たちの写真を進んで撮影し、アルバムに投稿していました。ところが、他の母親たちが投稿した写真を見てびっくり。自分の子供や、仲良しのママ友の子供がアップの写真ばかりだったからです。「1枚も写っていないお子さんもいます。私の子も私が行かないと(写真が)無い時があります。主旨とかけ離れているため(グループLINEから)退会したいのですが、良い案が浮かばず……」と悩んでいるそうです。

名指しの陰口が全員に 思わぬ“誤爆”!

 「グループラインの誤爆」というタイトルで、自身の体験を書き込んだのは、「かおる」さん。子供の通う学校の保護者同士のグループLINEに参加していたところ、ある日、保護者の一人が「かおる」さんを名指しして「まじ、無理」というコメントを流したそうです。個人あてに送ろうとしたら、うっかり誤ってグループLINEに流してしまったようです。

 その後、「かおる」さんはこの保護者と直接、LINEでやりとりして、謝罪を受けたそうです。グループLINEには、この保護者から「今回はお騒がせしてすみませんでした」というトークが追加されました。一件落着したかに見えますが、「かおる」さんは「自分の誤爆を『お騒がせ』とひとくくりにして謝罪されても、なんだがすっきりしません。本来、(コメントを)送ろうとした相手からは何の連絡もありません。いつも二人の間では私の陰口を言っているのでしょう」と腹立ちが収まらない様子です。

 この投稿には、「人の悪口をラインで誰かに送る人って、自分もどこかで悪口言われていると思います」(「マカダミアん」さん)、「そういう口調の輩は、今度は別のターゲットを見つけて悪口大会を開きます」(「ととろ」さん)などと、トピ主への慰めのメッセージが多数寄せられました。

トラブル回避に 運用ルール・最初のあいさつ・宣言を

 便利な反面、思わぬトラブルを生むこともあるグループLINE。新学期を迎えて、PTAや保護者会の役員なども決まり、新たなグループLINEへの参加のお誘いが増えるこの季節、トラブル回避のために私たちは何ができるのでしょうか。

 企業や官公庁などで、ITやSNSの活用術の講座を実施しているマナーコンサルタントの石川礼子さん(ヒロコマナーグループ所属)に聞きました。石川さんは「個人でLINEを使っている方にとって、グループLINEはとてもハードルが低いものなので、気軽に始めがちですが、トラブル回避のためには、最初に目的と運用のルールを作っておくことが大切です」と強調します。

 例えば、期限。クラス単位のグループLINEの場合なら、「来年3月までですが、よろしく」などと決めてしまいます。目的や運用ルールは明文化して、参加者がいつでも読めるように、LINEのノート機能を使って書きとめておくと良いそうです。

 「運用ルールは、決して難しいものではありません。グループLINEの目的が『連絡の円滑化』だったら、『参加人数分の既読が付いた時点で、連絡が回ったこととします』でもいいんです。また、(感情を表現する)スタンプ機能で返すと、かえって内容が伝わりにくくなると主催者が判断した場合は、『このグループではスタンプ機能は不要とします』と宣言してしまえばいいのです」と石川さん。
 
 新たにグループLINEに参加する場合についても、石川さんは「『私はLINEでメッセージを書くことが苦手』『今は家族に手がかかって返信する余裕がない』などと、自分側の事情を主催者に伝えておいてはどうでしょうか。『既読スルー(無視)』されると、必要以上に感情を害する人もいますから」とアドバイスします。

 LINEのアカウントはだれもが持っているわけではなく、持っていたとしても家族とのトークだけで、ママ友や子供関係の知り合いとグループトークをする関係になるとは思ってもみなかったという人も多いかもしれません。

 「コミュニケーションの手段が、手紙から電話、メールへと広がってきたように、グループLINEも、経験値や温度感は人それぞれです。苦手な方に強要しても仕方がありません。いろいろな人が関わりやすいように、使い方を工夫していけるといいですね」と石川さんは話します。どうしたら当初の目的を果たすことができるか、どんなことに気配りをすべきか、考えながら使いこなしたいものです。

(読売新聞メディア局編集部・永原香代子)

【紹介したトピ】
グループライン・・・

スポ少、試合の写真について

グループラインの誤爆