なぜ、日本は女性政治家が少ないのか

弁護士三輪記子の「女もつらいよ!」

 最近、東京の街を歩いていると、道行く人にチラシを配ったり、街頭演説に精を出したりしている人の姿をよく見かけます。東京で4月21日に行われる区議会議員選挙の立候補予定者や、その支持者のようです。

 今年の春は、選挙の春。4年に1度の統一地方選挙の前半戦となる道府県知事選や政令市長選などは、7日が投開票日でした。昨年5月には、政党などに男女の候補者数を均等にする努力を求めた「政治分野における男女共同参画推進法」が施行されました。統一地方選は、施行後、初めての大型選挙になります。そこで今回は、政治の分野への女性の進出は実際どうなの?というテーマで書いてみたいと思います。

 41道府県議選を見てみると、立候補した女性の数は計389人で、全候補者に占める割合は12.7%。17政令市議選では、女性候補者は計296人、割合は21.2%で、どちらの選挙も、総数、割合ともに前回(2015年)を上回りました。そのことは評価できるのですが、「男女の候補者数を均等にする」という目標にはほど遠い状況です。

先進国の中でも低い女性政治家の割合

 政治の分野で女性が占める割合は、見ていてかなしくなるような数値が並んでいます。

 世界の先進国の国会議員に占める女性の割合は、フランスが35.4%、ドイツが31.5%、イギリスが28.5%、アメリカが19.7%などとなっていて、やはり日本の低さが目立ちます。

 参考までに言うと、私が生業なりわいとしている弁護士も、女性の割合は18.2%にとどまっています。しかも、日本弁護士連合会の役員に占める女性の割合は10.0%、各弁護士会でも女性役員の割合は11.2%に過ぎません。弁護士の世界でも、重職の大半は男性が担っている現実があるのです。

小さな自治体こそ女性登用推進を

 日本で女性政治家が少ないことには、理由がいくつかあると考えられます。まず、上のデータから分かる通り、自治体の単位が小さくなるほど、女性の議員・首長が少ない傾向があります。小さなコミュニティーほど、男性優位の社会を是とする旧来のしがらみが残り、女性の社会進出を難しくしていることが、女性政治家が少ない大きな理由の一つではないでしょうか。

 それでは、どうすれば女性政治家を増やせるのか。それには二つの方法があると考えます。まずは、小さな自治体で女性登用を推進する政策を取ること。それと同時に、国会議員の候補者の一定割合を女性とするよう法律で定めることです(もちろん、この方法が現実的か?といわれるとかなり難しいことは承知しています)。

 女性の社会進出を促す具体的な方策は、「候補者の半分を女性とすることを義務づけること」と「男性の育児休暇取得を義務づけること」だと、私は常々考えています。現状のまま、女性の進出を待っていても、気が遠くなるほどの時間を要するでしょう。女性の社会進出、政治進出を促すための方策を「努力目標」ではなく「義務」にする以外には方法がないのでは……と。「義務」を課すことには消極的な私ではありますが、このくらいの劇的な方法を採るしかないのでは?という気持ちを持っています。

 ところで、政治の世界をはじめ、様々な分野で女性が要職に就くと、「逆差別」と言い出す男性が必ずいます。「今の世の中ね、女性っていうだけで有利なんだよ」とのたまった男性を、何人も知っています。私は「男性優位を示すデータの数々を見ても、まだ『男性への逆差別』『女性というだけで有利』と言いますか?」と言いたい。また、男性に責められるのが嫌だから、男性と一緒になって社会進出する女性をたたく女性がいるのも確かです。もちろん、一部の女性ではありますが、女性の社会進出、そして政治進出を促すためには、男性はもちろんのこと、女性自身の意識改革も必要だと感じています。

 私自身、これまでの人生で「女だからいいか」と考えて、何かにチャレンジすることをあきらめたり、あと少しのところを頑張らずに投げ出したりしたことがあります。また、「あの人、女のくせに頑張ってるな」なんて思ったこともあります。だからこそ、「『女だからいいか』は違うんだよ」「性別にかかわらず頑張っている人を応援してあげようよ。とくに女性は」と、あの頃の私に教えてあげたいと思っています。

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三輪記子
三輪 記子(みわ・ふさこ)
弁護士

 三輪 記子(みわ・ふさこ) 弁護士。1976年生まれ、京都市出身。東京大学法学部卒、立命館大学法科大学院修了。2010年、弁護士登録。「白熱ライブ ビビット」(TBS系)、「キャスト」(朝日放送)などにレギュラー出演し、コメンテーターとしても活躍中。2017年に女性弁護士2名の事務所「東京ファミリア法律事務所」を開設。