ジェンダー平等への潮流を体感 国際女性会議で勇気づけられる 

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 3月23、24日に開かれた日本政府主催の「国際女性会議」(WAW!)と、G20(主要20か国・地域)の女性らが女性政策に関する提言を行う国際民間会議「W20」で、世界各国から集まった政府関係者や企業関係者に、会議の意義や女性のエンパワーメントについて話を聞きました。(敬称略)

(上から、敬称略)カリン・クナイスル、ヴァージニア・リトルジョン、工藤禎子

カリン・クナイスル〈オーストリア欧州・統合・外務担当連邦大臣〉

 オーストリアはG20参加国ではないので、今回が初めての参加。日本が今回、WAW!/W20のホスト国になったということは、日本が現状を変えようと努力している証しだと思います。私の力の源は、自分の農場で犬や猫と過ごし、毎朝、馬の世話をすることです。

ヴァージニア・リトルジョン〈Quantum Leaps社長・共同創設者〉

 「女性の仕事」のコンセプトを築くことにおいて、W20は日本に大きなインパクトを与えることができると思います。

工藤禎子〈三井住友銀行常務執行役員〉

 最近、エンパワーメントされたことがあります。WAW!のパネルディスカッションの前に、モデレーターのヴァージニア・リトルジョンさんと電話会議したことでした。強い意志とリーダーシップで、先例がない中で、女性のビジネスへの道を政策的な働きかけもしながら切り開いてこられた方です。すごく包容力があって、明るくしなやかで、元気づけられました。30分の予定だったのに、気づいたら90分が過ぎていました。

エレナ・ロドリゲス〈ノバルティスAG・ダイバーシティー&インクルージョン(D&I)グローバル責任者〉

 W20に参加するのは、持続可能な社会を実現するために、企業として男女平等の実現に関与していく意思表示でもあります。また、私たちは社会変革を支援します。D&Iの推進は、イノベーションによりよい影響を与えます。D&Iの文化がある企業は、そうでない企業に比べ8倍ものリターンがあるという研究結果もあるのですから。この会議を通じて、社会に貢献していきたいと思っています。

 個人としては、「自分に正直であること」を大切にしています。そうすれば、チャンスや機会に恵まれます。私は、キャリアをスタートさせたとき、「皆と同じように頑張ろう」としてきました。けれど、頑張っても、うれしさや幸福感を得られませんでした。そこで、あるときから、自分に正直に、好きなことに取り組もうと切り替えたら、よい影響が出ました。情熱と目的が融合したのです。

(上から、敬称略)エレナ・ロドリゲス、ムハンマド・ナシリ、大崎麻子

 昨年、人事の責任者に会ったとき、自分なりのD&Iに関するアイデアを話しました。すると、その1週間後に今の職に抜擢ばってきされたのです。自分に正直でいたから実現できたことです。

 今回の来日で、日本の女性社員たちと話をしました。彼女たちは、自分のキャリアの希望を話しにくいというのです。好きなことは何か、最終目標は何か、どういうチャレンジが好きか。昇進や昇格のことより、そうした思いに耳を傾けていくこと、そして、社員がベストを尽くせる職場環境をつくることが大切だと思っています。

ムハンマド・ナシリ〈国連女性機関アジア太平洋地域事務所長〉

 W20で、日本がリーダーシップを示す機会になったと思います。もちろん、日本だけで達成できるわけではないので、皆で取り組むことが大事です。紛争地での平和構築や復興に関する分科会では、紛争後の社会への女性参画が正しいことであり、賢い選択だと明らかになりました。女性が参画した方が、和平も長く続くことが証明されています。女性だけが声をあげているだけではダメで、政府、民間、市民、男性、男児、若者と、様々な立場の人が皆で議論して進めていくべきものだということを確認しあえました。

大崎麻子〈関西学院大学客員教授〉

 人が集まるか心配していましたが、男性も、地方の自治体からも、これほどまでにたくさんの方々の参加があって、うれしかったです。

 地方は人口減少が深刻で、若年女性の流出について、エンパワーメントやジェンダー平等の視点も含めて対策を考えるべきだと思います。男性リーダーも真剣にとらえるようになってきて、これまでにない手応えを感じました。

 また、ここでの議論や政策提言が、国の施策に反映される期待が持てました。ジェンダー投資という新しい投資のあり方も登場し、変化のうねりを肌で感じられました。今回の会議が、本質的な平等とは何か、それを実現するために何をすべきかを、正面から考えるよい機会となることを期待しています。それが未来に対する大人の責任です。

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