池永肇恵さん 人生に無駄な経験はない

国際女性デー

 人生に無駄な経験はない。滋賀県の副知事を務めていたとき、元お笑い芸人の陶芸家の方から聞いた言葉です。私自身、「あのとき、ああすればよかった」と思うことがしょっちゅうあったので、彼女の言葉がとても響きました。寄り道も回り道も、すべてが今の自分につながっていて、無駄な経験なんてない。そして、今の自分が未来の自分をつくるのだと思いました。

 仕事でもプライベートでも「なぜ自分がこんなことをしなければならないのだろう」と思うこともあるでしょう。でも、「こんなこと」を自分なりに工夫しながら、ひとつひとつを丁寧にやっていく。そうすれば必ず得るものがあります。

 女性が活躍できる社会を目指して、政府も様々な施策に取り組んでいます。例えば、厚生労働省のサイトに設けた「女性の活躍推進企業データベース」があります。多くの人に見ていただくことが、企業の情報開示を促すことにつながります。また、女性活躍推進の計画策定が義務づけられる企業の範囲を広げるなど、企業も公務部門も情報開示をさらに進めるようにと、女性活躍推進法の見直しに取り組んでいます。

 若い方には、初めてのことや新しいことも、「私にはとてもできない」などと思わず、できることからでいいので、一歩踏み出してほしい。「これならできる」を積み重ねると、気がつけば必ずや前進しています。ゼロから始めたものなら、ほんの小さな一歩もマイナスではなくプラスになるのですから。

池永肇恵(いけなが・としえ)
内閣府男女共同参画局長

千葉県出身。東京大学教養学部卒。外資系銀行に就職後、国家公務員に。1987年経済企画庁入庁、経済分析、消費者行政などを経験した。厚生労働省、一橋大学経済研究所、法政大学大学院などに出向を経て、2016年1月~18年7月まで滋賀県副知事。同年7月から現職。