ひな人形、置き場に困ったら寄贈? 思いの託し方

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写真はイメージです

 3月3日は桃の節句。今年は日曜日ということもあって、盛大なお祝いを予定している家庭があるかもしれません。ある民間調査では、女の子のいる家庭の9割が初節句を祝った経験があり、ひな人形の購入費用が一番多い結果でした。ところが、ひな人形は、子供の成長とともに飾らなくなり、置き場に困るケースもあるようです。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、「ひな人形ってどうしてますか?」という投稿が寄せられました。

手放すのは、寂しく…

 トピ主「ひろ」さんは、東京都内に住む5歳の息子がいる女性(40)。実家の片づけをしていて、自分が子供時代に購入してもらったひな人形に20年ぶりに対面したそうです。人形の状態は良いものの、「女の子がいないし、飾る場所もありません。処分をしなくては」と息子が通う幼稚園に相談し、引き取ってもらうことにしました。

 「いざ手放そうと思うと、思い出もあり寂しくもあり……。悶々もんもんと悩んでいます。皆さま、ご自身のひな人形ってどうされてますか?」と聞きました。

 この投稿に多くの女性たちから反響がありました。

積極的に飾る 自分で楽しむ

 「私は年中インテリアとして飾っています」と返信してきたのは、ハンドルネーム「ばあさん」さん。ひな人形を普通に棚の上に置いて、ぼんぼりも飾っているそうで、「子供のころ、祖母と一緒に飾ったり片づけたりした思い出がよみがえります」とつづっています。

 「五段飾りだったと思いますが、組み立て式の階段の棚はさびてしまい廃棄。最近は、おだいりさまとおひなさまと金屏風びょうぶだけを飾ります」(「トマトラーメン」さん)、「そんなに広い家には住んでいませんが、それでも毎年飾ります。虫干しを兼ねて毎年出してあげなきゃ」(「ボーダー」さん)など“飾る派”の人もいます。

 トピ主さんと同じように、施設などに寄付した体験を書き込んだ人もいました。

良い引き取り手に恵まれた

 「実家に置いていた七段飾りのひな人形は、数年前に割烹かっぽう料理店に引き取っていただきました。高齢の母には段飾りの土台を組むのも困難になり、飾らなくなったためです。最初は寂しい思いもありましたが、飾らずにしまい込んでいるより、毎年飾られて、たくさんの方の目に触れる方が、ひな人形にとっては良かったと思っています」(「パキラ」さん)

 「数年前に老人ホームに、両親が提供しました。私も次の年の桃の節句にホームを訪れました。きれいに飾っていただいて、おじいちゃん、おばあちゃん達がニコニコしていてうれしかったです」(「gday」さん)

 「幼稚園が引き取ってくださるのならそうしたらいかがですか? 子供達の元気な声でおひな様も喜びそう。引き取り先があるのなら『第二の人生』を謳歌おうかさせてあげては?」(「菫子」さん)と、トピ主の背中を押すような書き込みもありました。

初節句を祝うとき、ひな人形を買う家庭は多い(写真はイメージ)

 子供たちが育って、押入れにしまわれっぱなしのひな人形があったら、どうするのがよいのでしょうか。

人形供養をしてほしい理由

 日本人形協会の副会長・広報委員長の倉片順司さんは、「ぜひ人形供養をしてください。ひな人形などの節句人形は、誕生したお子さまの無病息災等を願うお守りのようなもの。長い年月、やくを肩代わりしてくれた人形ですから、処分する際は、感謝の意を込めて御魂抜きのおはらいをし、物に変えることが大事なことです」と話します。

 倉片さんによると、おひなさまのルーツは、人の形をしたお札(ひとがた)を体にでつけて厄を移し、川や海に流した“流しびな”だそうです。江戸時代に、現代のような立派な人形になり、1年で流してしまうのではもったいない、厄を人形に封じ込めるという考えで、毎年、同じ人形を飾るようになったそうです。

譲る側と譲られる側で温度差は?

 「持ち主の厄をたくさん封じ込められた人形を、他の人に譲ることは、厄も渡すことになってしまうのではないでしょうか。不特定多数の方の集まる施設で、引き取り側が、本来の意義をご存じない場合は喜ばれるかもしれませんが、複数の父母から人形寄贈の申し出があって、困惑している幼稚園も知っています」と倉片さん。

 人形を譲る側と譲られる側で、温度差がないかどうかを確かめておく必要はありそうです。

 日本人形協会では、「ひな人形や五月人形はあなたのお守り。引き継ぐのはNG? 漫画で分かる節句人形の飾る意味」という無料マンガを今年からウェブ上で掲載して、啓発活動を始めました。「ゆうパック」で人形を送ってもらい、人形感謝(供養)を行う代行サービス(有料)も受け付けています。引き取り手がない場合は、こうしたサービスを利用するのもよいかもしれません。

 株式会社ベビーカレンダーが、今年2月、女の子のママ・パパ876人を対象に行った「初節句(ひな祭り)に関する実態調査」では、約91%が初節句を「祝う・祝った」と答えました。初節句の費用平均額は約12万円、最高額は129万円。何に使ったかを聞くと、「ひな人形代」が約77%で最も多く、次いで、「食事代」約12%、「写真撮影代」約6%の順でした。ひな人形は、いまもなお、桃の節句には欠かせないようです。

 (読売新聞メディア局編集部 永原香代子)

【紹介トピ】ひな人形ってどうしてますか?