2月24日(日本時間25日)に行われた第91回米アカデミー賞は、30年ぶりにホスト不在で開催された授賞式となりました。そして昨年のゴールデン・グローブ賞などで「#Me Too」「#Time’sUp」のムーブメントが席巻したのとは異なり、色鮮やかで華やかなドレスで彩られました。
そのレッドカーペットで、最も注目を浴びたのは、クリスチャン・シリアーノのタキシード・ドレスで現れた、俳優・歌手のビリー・ポーターです。タイトに体にフィットしたタキシードジャケットにベルベットのフルレングスのスカートをまとったポーターは、米誌「ヴォーグ」のインタビューで、この選択は非常に個人的なものだったと語っています。
On his way to appearing on our @ABCNetwork #Oscars red carpet show, @theebillyporter stopped to “pose” for this shot. pic.twitter.com/EF0bqDOpd8
— The Academy (@TheAcademy) 2019年2月24日
「(このタキシード・ドレスを初めて着用したとき)生きている、自由だって感じた」と語るポーターは、ファッションが幼いころからずっと好きだったといいます。反面、自分自身を表現するのに限界を感じていたとのこと。自身が黒人であり、ゲイであることで、自分の男らしさに疑問を抱いていたポーターは、「姿を見せる時はいつでも、動くポリティカル・アート(政治的な発言をする芸術)作品になることが私のゴールです。人々の期待に挑戦することです。男らしさとは何だろう?」とインタビューに答えています。
「アリー/ スター誕生」の挿入歌「シャロウ」を共演者のブラッドリー・クーパーと会場でパフォーマンスしたレディー・ガガ。
この曲でアカデミー賞優秀歌曲賞を受賞し、自身初のオスカーを獲得した彼女は、アレキサンダー・マックイーンの黒のシックなドレスに身を包み、ティファニーの128.54カラットのイエローダイヤモンドをつけて現れました。ティファニーの広報担当によると、このネックレスは、1961年にオードリー・ヘプバーンが映画「ティファニーで朝食を」の宣伝写真撮影時に着用したのが最後だったそうです。
「天才作家の妻 40年目の真実」で主演女優賞にノミネートされていたグレン・クローズは、まるでオスカー像のような、キャロリーナ・ヘレラのドレスをまとっていました。過去何度も候補に選ばれているにもかかわらず、まだ受賞できていない彼女の思いが表れているようでした。今年の結果は、「女王陛下のお気に入り」のオリヴィア・コールマンが主演女優賞を獲得したため、クローズのオスカーへの思いはますます強くなることでしょう。
ニューヨーク・タイムズ紙(ウェブ版)などによると、今年のアカデミー賞レッドカーペットでは、ピンク色のドレスが多かったようです。ファッション誌「ハーパーズ・バザー」は「レッドカーペットはピンクの海に変化した」と称しているほど。
そのほか、招待されたゲストで目に付いたのは、著書「人生がときめく片づけの魔法」シリーズで知られる片づけコンサルタント、近藤麻理恵さんです。
動画配信サービス「ネットフリックス」で1月から、近藤さんが米国人宅を訪ねる番組が始まったため、アメリカで再び注目度が上がっています。アカデミー賞公式ツイッターでは「全てのアカデミー賞授賞式ゲストへ:レッドカーペットをキレイにしておきましょう」と紹介されていました。
Attention all #Oscars guests: Please keep the red carpet tidy. @MarieKondo has arrived and we’re trying to make a good first impression. pic.twitter.com/37VAKz3jGC
— The Academy (@TheAcademy) 2019年2月24日
(メディア局編集部・杉山智代乃)