世界共通?「女の友情」に必要なものとは

サンドラがみる女の生き方

写真はイメージです

 2月22日は「世界友情(国際友愛)の日」。ボーイスカウト・ガールスカウトを創始したイギリスのロバート・ベーデン=パウエル卿夫妻の誕生日が同じ2月22日だったことにちなんで、ボーイスカウト世界会議が1963年に制定したのだそうです。友情や友愛といっても様々ですが、今回は「女性同士の友情」にスポットを当ててみたいと思います。いつもは、日本と海外を比べながら様々な違いについて書くことが多いですが、実は、女性同士の友情や、それにまつわる「モヤモヤポイント」には共通点が多く、国境や文化はあまり関係なかったりします。そんなわけで、今回は「女性同士の友情」をじっくり考えてみたいと思います。

ドイツの女子会は「非常事態」に開催

 ニッポンのレストランやおしゃれスポットには「女子会プラン」があるほど、ここ数年、女子会が市民権を得ています。ニッポンの女性は「楽しいから」という理由で女子会を開いていて、その気楽な雰囲気が私は好きです。

 というのも、ドイツだと女子会は「Weiberabend(ワイバーアーベント)」といいますが、「女性の人生に何か大きなピンチが起きた時に女性同士の仲間で集まって、その女性を励ます会」というイメージなのです。そして、その「ピンチ」とは、大失恋をしたとか、離婚したとか、恋愛がらみであることが多いです。そのため、ドイツで女子会というと、集まればもちろん楽しいのですが、どこか「非常事態」的なイメージがあるのでした。

「友達」ではなく「会社」の味方をする友達

 そうはいっても、ヨーロッパで普段、女性同士の付き合いが大事にされていないわけではありません。日本のように同性が大勢で集まることは少ないけれど、価値観が合い、互いに認め合える友達の存在はやはり貴重です。

 ところで、この「価値観が合う」ことについて、私は若い時は「その女友達とフィーリングが合う」とか「一緒に盛り上がれるとか」といった「ノリ」のようなものを大事にしていました。でも、年齢を重ねるにつれ、その場のノリよりも、「根本的なところで価値観が同じかどうか」が大事だと思うようになりました。

 何年か前に、私は女友達3人で近況を語り合っていました。そのうちの一人が、好きな仕事をフリーランスの立場でやってきたけれど、今後は大きな会社の契約社員として仕事ができることになったと報告してくれました。ところが、彼女が正社員ではなく、一年ごとに更新する契約社員として雇われるのにもかかわらず、彼女がそれまでフリーでやってきた仕事をすべて断るよう、会社側から言われたそうなのです。「長年フリーで苦労して得てきた仕事を、全部断ってしまえば、もし一年後に契約が更新されなかったときに、何も仕事が残らなくなってしまう」と、彼女は悩んでいました。

 私は、社員に安定した雇用形態を与えないのに、やたら束縛する会社というものについては疑問を持つタイプですので、彼女に同調していたのですが、その場にいたもう一人の女友達は、最初から最後まで「会社」の味方をしていました。彼女いわく、「会社とはそういうものだから、契約社員といえども他の仕事は全てをやめるのは当たり前」。友達に味方をする様子は全くなく、それを見て「なんだか嫌だなあ。こういう意味での価値観の違いって、友達としてある意味、致命的なんじゃないかなあ」と思いました。

 世の中には「個人」より「組織」を何が何でも優先したいと考える人、「弱い者」より「強い者」を当たり前のように味方する人がいます。自分にとって最も近い存在であるはずの女友達が悩んでいるときに、その友達ではなく、彼女を悩ませている「組織」の味方をしてしまう「友達」って一体なんなんだろう、とモヤモヤしながら帰りました。

女友達は「心のよりどころ」

 上記の例に限らず、友達が悩んでいるのに、やたら組織の味方をしたり、友達に寄り添わず「普通はこうだよ」などと言い、「世間の常識」を振りかざしてマウンティングをしたりする人がいますが、そういう人と友達関係を続けるのは疲れますから、よく考えたほうがよいでしょう。人間、特に女性は、日々の生活の中で世間からつらく当たられる場面も少なくないのですから、女友達こそ、互いに「心のよりどころ」になることができれば、互いの活力につながるのではないでしょうか。

 長い人生の中、女性にはいろんな場面があります。互いに会社員として出会ったり、ママ友として出会ったりなど、人生の節目節目で良い出会いがあり、その後、人生のステージが変わっても、良い友達関係が続くこともあります。

 ただ、「最初に出会った場所」や「出発点」が、友人関係に後々まで影響を及ぼすことも多いです。たとえば、会社員同士という「立場」で出会った場合、その後、一人が自分で会社を設立したり、フリーランスになって全く別の分野で活動するようになったりすると、それを会社員時代の友達が必ずしも喜んでくれるとは限りません。むしろ、「なんだか分からない方向に友達が変わってしまった」と思われることもあるでしょう。

「応援してくれているか」を見極める

 そんなこんなで、女性同士の友情は、出会った場所やその時の互いの立場にも左右されるものだと思います。とはいえ、これから羽ばたこうとするあなたに、友達から何だか嫌な気持ちになるコメントが続いたり、足を引っ張られていると感じたりしたら、注意が必要かもしれません。

 私は、会社員時代にできた友達と、会社を辞めた後も良い付き合いをしていると思っていました。でも、私が立ち上げたばかりのブログについて喜々として語っているそばで、「ブログに載せた写真って、肖像権とか大丈夫なの?」と言われ、なんとなく「ああ、この人は心配しているようで、実はあまり応援はしてくれていないのかもしれない」と感じたのです。写真は許可を得て載せたものなのですが、ブログを立ち上げた私の喜びをよそに、なんだか事務的な「確認」がその友達から続いたことに、あまり良い気持ちにはなりませんでした。

 あなたが何か新しいことを始めようとしている時に、友達から「え? それっていいの? それって大丈夫なの?」と、やたら「確認」がある場合は、単にその友達が慎重派である可能性もありますが、羽ばたこうとしているあなたへの「モヤモヤ感」からその手の言葉を発している場合もあります。なので、その言葉を真に受けて、あなたがやる気をなくしたり、引き込まれたりしないように注意が必要です。

 「客観的なアドバイス」はもちろん大事ではあるのですが、それはあなたのことを応援しているということが前提なので、その見極めは大事かもしれません。

「個性」を尊重し合える関係を

 私は、新たに決まった仕事や、これからやろうとしていることについて、必ずしも友達に全部話さないことも多いです。というのも、事前に話して相手から意見を言われると、やる気をなくす、という自分の性格の弱さをよく知っているからです。結果として秘密主義的になってしまい、友達には事後報告となることも多いです。そんな秘密主義の私に愛想を尽かさず、「まあサンドラはそういうもんだから」と半ばあきらめもあるのでしょうが、それも個性だと理解してくれる女友達がいるのは、本当にありがたいことです。

 そんななか、自分もできるだけ人の個性を理解したいと思うようになりました。もしかしたら、「互いに個性を理解し合えること」が長いスパンの友達関係には大事なのかもしれません。ちょっと恋愛とも似ていますね。

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サンドラ・ヘフェリン
サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト

 ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「多文化共生」をテーマに執筆活動中。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオ共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(ともに流水りんこ共著/KKベストセラーズ)など。
 「ハーフを考えよう!」http://half-sandra.com/