自分らしく働くにはどうすべきかを考えるトークセッション「30代からはじめる自分らしい働き方」がこのほど、東京都千代田区の「いきいきプラザ一番町カスケードホール」で開かれました。読売新聞東京本社広告局の若手社員らで作る「はたらきGUYS」と千代田区男女共同参画センター(MIW)の主催。スープ専門店「スープストックトーキョー」などを展開する「スマイルズ」社長の遠山正道さんと、食品・生活用品大手「ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス」取締役の島田由香さんがゲストとして招かれ、仕事への向き合い方などについて語りました。
遠山さん「小さなことから始める」

初めに遠山さんが講演し、プロジェクトを進める際に必要とされる人材になるためにとるべき行動について考えました。「プロジェクトを『仕掛ける』人になるのは自分の意思次第」といいます。遠山さんは、働く人のタイプを、三つのタイプに分類しました。
「A.プロジェクトを自ら仕掛ける」
「B.プロジェクトにお声がかかる」
「C.仕掛けもせずお声もかからない」
技術力や専門知識が求められるのがBタイプ。専門性のない人がプロジェクトに参加するにはAタイプになることが必要で、そのためには「なにか小さなことから始める」のがポイントだそう。遠山さんは「大きな仕事はハンコがたくさん必要なので、意外とつまらない仕事ほどやりがいがあったりするんです」と話していました。
自分のやりたい小さなことから試し続けていれば、それが周囲に伝わってプロジェクトチームに誘われるBタイプになり、意志次第で自分が仕掛ける側のAタイプになれると言います。「会社の中でも、身の丈に合ったことからスタートして、ひとりひとりの人生と仕事が重なっていくような企画を作ってほしいと思います」とアドバイスをしていました。
島田さん「自分で決めることが大切」
島田さんは、仕事をする上でのモチベーションについて講演しました。ユニリーバでは、平日午前6時から午後9時の間で働く時間や場所を自分で決められるそうです。2016年に制度が導入され、制度を利用することで生産性が上がったと感じるようになった社員は75%に上りました。島田さんは「自分で決めるということは予想以上のパワフルさを生む。結局は、全て自分次第」と分析します。

また、島田さんは、仕事に成果をもたらすモチベーションの重要性についても触れました。「モチベーションは、上げるものではなく、上がるもの」「○○したい!と思う気持ちが大切」など、モチベーションを高める四つのポイントを挙げました。欲求によってモチベーションは高まるとして、「何か違う結果が欲しいのなら、ぜひ自分の欲求に立ち返っていただきたいです」と呼びかけました。
ウキウキ・ワクワクは飛び火する
二人の講演の後には、OTEKOMACHIの小坂佳子編集長をまじえたトークセッションが開かれました。
自分のやりたい仕事などに挑戦する場合、周りの人を巻き込む方法について小坂編集長が尋ねると、「自分が一番ウキウキしていて、それにほだされて、みんなが集まってくる感じですかね」と遠山さん。一方、島田さんは「巻き込む必要はない。勝手に周りが巻き込まれちゃうから」と話し、「(やりたいことに対して)私の心の中の種火は消えないんですよ。ウキウキ・ワクワクするからってやっていたら、勝手に飛び火していく」と答えました。
また、「考え方を会社の仲間と共有するための方法はありますか」という問いに対して、島田さんは「チャンスがあるたびに繰り返し伝えるようにしている」と語り、遠山さんは「全社に浸透させようとすると敷居の高い言葉になってしまう。もう少しリアルな言葉で丁寧に発信しています」と明かしました。

参加した東京都渋谷区の会社員・河野愛子さん(35)は「転職を決めたばかり。どういう自分が『ハッピー』なのか、自分を見つめながら働き方を考えてきました。今日の話はとても納得できたし、ためになりました」と話していました。
(取材・写真メディア局編集部 安藤光里)
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