ローン審査を通すのも落とすのも“人” 最終的に人間性だ!

35歳、働き女子よ城を持て!(36・・・

 そもそも、なぜ私が「年収300万円女子、家を買う!」みたいなコラム連載を始めたかというと、周囲にフリーランス女子がやたらと多いからだ。そして彼女たちのなかには、以前、大手や中堅の会社に勤めていた人もいる。能力があって、フリーランスという道を選び、それで立派にやりくりして人生を楽しんでいるわけだが、それでも「こんなはずでは!?」ということが起こったりする。

 高殿「クレジットカードや医療保険の審査に落ちることあるんだよね、いまだに」

 以前、ロンドンを旅したとき、私はついに現金を一度も使わなかった。クレジットカードと電車・バス用のオイスターカード(ロンドン版Suicaみたいなもの)さえあれば、10日間問題なく過ごせたのだ。世界的に見ても日本ほど現金を使う先進国はないというから、これから、どんどんカードへの依存率は高くなるだろう。2枚くらいは手元にカードを持っておきたいところだが、フリーランスはカードを持つのも大変だ。

 高「そして、どんな健康な人でも、30歳を過ぎると徐々に病歴がついてくるもの。掛け捨てでいいから共済やコープの医療保険に入っておこう」

 実際、住宅ローンに付帯する保険の中には、45歳以上は加入できないと明確に年齢を定めているものもある。我々が有機物である以上、仕方がないことだ。

 同じフリーランスでも、資格持ちとそうでない人では信用度が違うと、以前書いたが、住宅ローンの審査はどうなっているのか説明しよう。

 高「なにも銀行の人が、我々のような文筆業を信用していないわけじゃなくて、信販会社の人が信用してないんです」
 M村「結局、だれかに信用されてないんですね……」
 高「かつて、文筆業の人に踏み倒されたり滞納されたりしたデータが残っているんだと思う。残念ながら」

 しかし、信販会社でジャッジを下すのはコンピューターではなく人だ。そして、その人にデータ(必要書類)を提出するのも銀行のローン担当者、つまり人なのだ。

 ここで、私が経験した、“心温まる話”をしようと思う。5年前、現在の家を建てる際、私はローン審査に一度落ちた。仕事で口座を利用しているから、私の収入など熟知しているはずの某大手M銀行。一度は落ちたが、そこにはスーパーキャリアローン担当T様がいた。

 T「来年の確定申告が終わったら、もう一度出しましょう。絶対通ります!」

 そして、目の前の物件(そのときは土地)をすぐに手に入れるために、つなぎ融資を利用した。ややこしいので、つなぎ融資についての説明は省くが、フリーランスでも通してくれる一番ハードルの低い全宅住宅ローンのフラット35で借り、ローンが通ったらすぐに借り換えたのだ。フラットちゃん、ほんとにありがと!

ここで大事なのが、ローン担当者および不動産担当者の「作文の腕」である。

 M「作文!? 作文ってなんですか?!」
 高「信販会社に、お手紙を書くんだよ。借り手はこういう仕事についていて、これこれこういう理由でフリーランス、もしくは病歴があって、でもこうだから大丈夫!という」

ローン審査を通す、作文力とは?

 後から伝え聞いた話では、私のローン担当Tさんは、当時、銀行内でも難しいローンを通すナンバーワンの実績を持っていた。一度、子育てのために離職したにもかかわらず、同職で復帰。さらに日本一になってしまうほどのスーパーキャリアローン担当だったという。相当な文章力の持ち主だったに違いない。

 そういうわけで、ローンに弱い文筆業フリーランスの皆さまは、自分で信販会社にお手紙を書いてみると、これがなかなかいい感じに効いてくるかもしれません。作文力を駆使して、「きちんと返済する力があること」や「正しく金銭管理ができること」など、誠実な人間性をアピールするのだ。最終的に人間力がものをいう。

 すでに子供のころに大病をしてしまっていたり、やむを得ない事情で団信(団体信用生命保険)に入れない人もいる。病歴があっても自営業だからって諦める必要はない。立派な納税者なんだから。

 どんな人でも、望んだ「家」に巡り合えるはずだ。そして、そこに住み、毎日帰宅するたびに、「おまえ、家を買うなんてすごいな」と自分の家ちゃんに、ほめてもらってほしい。

 監修:風呂内亜矢

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高殿円(たかどの・まどか)
作家

 兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。著作に、「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』『主君 井伊の赤鬼・直政伝』『政略結婚』など、話題作を続々と発表している。13年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。最新作『戒名探偵 卒塔婆くん』(KADOKAWA)好評発売中

風呂内亜矢(ふろうち・あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

 26歳(独身)のとき、貯金80万円で自宅用マンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、 あわてて貯金とお金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。 マンション購入をきっかけに転職したマンション販売会社では年間売上1位の実績を上げ、 2013年からはファイナンシャルプランナーとして独立。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです』(祥伝社)、『デキる女は「抜け目」ない』(あさ出版)、『図解でわかる!確定拠出年金』(秀和システム)、『最新版 届け出だけでもらえるお金 戻ってくるお金』(宝島社)などがある。最新刊は『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)。ツイッター:@furouchiaya、LINE@:@furouchi  

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