正社員と契約社員とフリーランス、ローン適正はここまで違う!

35歳、働き女子よ城を持て!(35・・・

 ローンの滞納者をリスト化した、「ブラックリスト」が存在しないと聞いて、ほっとした、年収300万円女子のM村。しかし、信用情報機関に登録されたデータは共有されるという。信用情報に基づいて、「借金に対する認識が甘い」「金銭管理ができない」と判断されると、審査に落ちる可能性がある。

 「フラット35の審査に落ちたらどうしよう……」と、不安に襲われるM村。

 高殿「困る! フラットちゃんはフリーランスや派遣の味方! ここで見限られては、とっても困る!」

 なぜ、フラット35がフリーランスの味方なのか?

 同じ年収300万円女子でも、勤続5年の正社員とフリーランスでは適正ローンが違うのだ。

 フリーランスはつらい。いまでこそフリーランス協会とかフリーランスのための保険なんかが整備されてきたが、私が専業小説家になった26歳のときは、健康保険のために組合に入ることさえ四苦八苦した。住宅ローンなんてとんでもなかった。

 M村「先生が28歳で購入された一戸建てのローンはどうだったんですか?」
 高「うちの連れ合いの奨学金を私の貯金から一気に返して、身ぎれいにしてから、連れ合いに借りてもらった」
 M「なるほど」

 連れ合いは、ごく普通のサラリーマンだったので、大手銀行がすんなり貸してくれた。私だったら、今でも貸してもらえないかもしれない。

 高「大手銀行になればなるほどハードルが高いんだよ。勤続5年以上とか安定した収入があることとか。いまのご時世、転職なんてよくある話なのに、会社員信仰はまだまだ強いね」
 M「フリーランスの方はいったいどうやって“安定した収入”であることを証明するんですか?」
 高「それよ」

 ただただ、確定申告3年分をきっちり耳をそろえて提出するしかない。他に借入金がないこと、税金やローンの滞納がないことは、いうまでもない。

 M「年収が数年安定していたら、ひとまず大丈夫なんでしょうか」
 高「フリーランスの種類にもよると思う。たとえば、堅い国家資格を持った自営業者と、私たち文筆業じゃ、開かれし門からして違うらしい」
 M「資格……。日本は正社員信仰だけじゃなく、過剰な資格信仰もありますよね」

 私だって、キャッチーでエモいアオリとか作らせたら、そのへんの広告代理店のおっさんよりうまいと自負しているが、社会的信用は段違いに低いのがつらい。

浮くか沈むか、フラット35次第?!

 高「実は今の家を買うとき、一度ローン落ちたんですよ。某大手銀行の。小説の『トッカン』がテレビドラマ化されたときだったから、絶対貸してくれると信じてたのに」
 M「えっ、本当ですか。だってあのとき『トッカン』は、バンバン重版がかかって……」
 高「ましたが、社会的信用はゼロでした。そりゃあね。私のレベルじゃ、来年は収入ゼロの可能性ありますからね」

 大手に冷たくされ続けた私から、フリーランス女子に、まずオススメしたいのが、先ほどから話題に上っている「フラット35」なのだ。なぜなら審査が確定申告1年分だから。

 高「その時にもうかってたら、貸してくれる! フラット35ちゃん、やさしい!! 好き!」

 ただし、フラット35には固定金利しかなく、前述のように団信(団体信用生命保険)の内容は古い。

 高「だから、ごく普通の会社員さんは、まずはだめもとでメガバンク商品をあたってみるのをおすすめします」
 M「メガバンクが出しているフラット35はどうなんでしょう?」
 高「付帯保険さえしっかりフォローできていれば、あとは金利の問題。いまは内容が古いと言いましたが、この連載中に手厚いフラット商品が出てくる可能性もあります。安い変動金利商品ではなく、必ず、長期固定でみましょう。医療保険代わりですから」

 あとは、良い収入があるときを狙おう。フリーランスは経費を上乗せする傾向があるが、審査対象はあくまで経費を引いた収入になることをお忘れなく。

 高「もし、会社員で年収300万円女子の場合、必ず転職前にローンを組もう。フリーランスになる前がオススメです」

 監修:風呂内亜矢

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高殿円(たかどの・まどか)
作家

 兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。著作に、「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』『主君 井伊の赤鬼・直政伝』『政略結婚』など、話題作を続々と発表している。13年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。最新作『戒名探偵 卒塔婆くん』(KADOKAWA)好評発売中

風呂内亜矢(ふろうち・あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

 26歳(独身)のとき、貯金80万円で自宅用マンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、 あわてて貯金とお金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。 マンション購入をきっかけに転職したマンション販売会社では年間売上1位の実績を上げ、 2013年からはファイナンシャルプランナーとして独立。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです』(祥伝社)、『デキる女は「抜け目」ない』(あさ出版)、『図解でわかる!確定拠出年金』(秀和システム)、『最新版 届け出だけでもらえるお金 戻ってくるお金』(宝島社)などがある。最新刊は『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)。ツイッター:@furouchiaya、LINE@:@furouchi  

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