ブラックリストは都市伝説?! じゃあ、なぜ住宅ローンの審査に落ちるの?

35歳、働き女子よ城を持て!(34・・・

 ローンの返済が一度でも滞納したら、それがたとえ学資ローンであっても、ブラックリストに名前が載る……。そう聞いて、M村は震え上がった。

 M村「ひええ、こ、怖い! むかし、うっかりカードの引き落としができなかったことが、あったような、なかったような。それも滞納になってしまうのでしょうか!?」

 そこへ、現れた救世主(?!)は、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP認定者で、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザーの資格を持つ、風呂内亜矢さん。

 風呂内「ブラックリストは都市伝説です。そんなリストは存在しません」
 高殿「ブラックリストがないって、どういうことですか?! カードローンやクレジットカードの審査に落ちるって、よく聞きますけど」
 風「滞納者リストが金融機関に出回っているとよく言われますが、そんなことはないのです。そもそも、金融機関やカード会社によって貸す貸さないの基準が違うので、ブラックリストの共有はありえません。ただ……」
 高「ただ!?」
 風「信用情報機関に登録されるデータは共有されます。過去の返済にひどい滞納があると信用情報に記録が残ります。住宅ローンの審査をする際は、過去5年などの信用情報を確認するため、審査結果に影響することもあります」

 つまり、「ブラックリスト」という名のリストはなくても、情報そのものは記録として残るので、自社でリスト化することはできる。たとえば「滞納したことがある」でソートをかければ情報は出てくる。

ブラックリストがないなんて……

 風「どちらかというと、金融機関は現在の返済能力と借り手の“中身”をよく見ます」
 高「中身というと、人格とか、人柄とかですか?」

 風「というより、お金に対する認識ですね。たとえば、車のローンや学資ローンがいくら残っているか、それが借金だという認識はあるか、残高を把握しているか、といった点です。金銭管理に関する信用性を判断するということです」

 風呂内さんが言うには、学生時代に1度だけカードの返済が遅れた程度は問題ない。頻繁に滞納を繰り返した場合は、「借金に対する認識が甘い」「金銭管理ができない」と判断される。過去何年くらい見るのか、頻度はどのくらいかなど、判断は会社によって基準が違うようだ。

 M「なるほど! 銀行サイドの『貸す』『貸さない』のジャッジの仕方がよくわからなかったのですが、そういうことなんですね」

 車や学資のローンがあれば、年収300万円の場合、90万円-(1年分の返済金)程度が住宅ローンの年間返済の限度額になるということも覚えておきたい。

 高「とりあえずローン審査は当たって砕けろ。数打ちゃ当たるかもしれないってことかな」
 風「いえ、ローン審査の履歴は一定期間、記録に残ります。安易な審査の申し込みはおすすめしません。審査だけを繰り返すと、今回は買わなくても将来買う時や、複数の物件を買う時に影響がある場合もあります」
 高「なんと!」
 M「危なかった。ほんとうに当たって砕けるところだった。もし、こんなことでフラット35の審査に落ちたら、ほかの銀行では通る可能性が低くなっちゃう」

 おや?! M村、やけに具体的な心配をするな……と思ったら、実はここまでの取材の中で、M村には心に決めた物件があったのだ。なので、ローンが通るか通らないかは、もはや取材や仕事の範囲ではなくなっていた。まさに人生の勝負時!

 監修:風呂内亜矢

【オススメの関連記事】
家賃が払えなくなる恐怖 マンション購入で解消できるのか?!
変動か固定か? 住宅ローンの金利について考えてみる
年収300万円女子は、銀行からいくらまで借りられるのか?!
いよいよマンション購入! 不動産屋が薦める提携ローンって?!
35歳、働き女子よ城を持て!<まとめ>

高殿円(たかどの・まどか)
作家

 兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。著作に、「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』『主君 井伊の赤鬼・直政伝』『政略結婚』など、話題作を続々と発表している。13年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。最新作『戒名探偵 卒塔婆くん』(KADOKAWA)好評発売中

風呂内亜矢(ふろうち・あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

 26歳(独身)のとき、貯金80万円で自宅用マンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、 あわてて貯金とお金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。 マンション購入をきっかけに転職したマンション販売会社では年間売上1位の実績を上げ、 2013年からはファイナンシャルプランナーとして独立。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです』(祥伝社)、『デキる女は「抜け目」ない』(あさ出版)、『図解でわかる!確定拠出年金』(秀和システム)、『最新版 届け出だけでもらえるお金 戻ってくるお金』(宝島社)などがある。最新刊は『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)。ツイッター:@furouchiaya、LINE@:@furouchi  

http://www.furouchi.com/