仲良し夫婦でもセックスレス…解消のためにすべきこと

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 外からは仲良しに見えても、実はセックスレスで悩んでいるという夫婦は少なくありません。「子どもが生まれてから何となく」「結婚までの交際期間が長かったので新鮮な気持ちが起きない」など、夫婦によって理由は様々。一体なぜ、セックスレスになってしまうのでしょうか。臨床心理士として多くの夫婦のカウンセリングを行ってきた「あきカウンセリングクリニック」(東京都千代田区)の大島明子さんに、原因と対策について聞きました。

夫婦問題の根底に

――セックスレスの話は周囲の女性からよく聞きますが、先生のところには「セックスレスを解消したい」と言って相談に来るのでしょうか。

 セックスレスの相談は、男女両方から寄せられています。男性に多いのは、「仲は良いのだけれどセックスレスだ」という相談。女性からは「回数が減った」「愛情が無くなったのか」「浮気をしているのではないか」など夫婦関係への不満が見られます。

「妻は身内」という感覚

――そもそも、なぜセックスレスが起きてしまうのでしょうか。

 カウンセリングでは、妻と夫の両方から話を聞きます。ある夫婦のケースでは、夫が「子どもが生まれたことをきっかけに、妻は自分の親きょうだいと同じ『身内』という感覚が芽生えてしまい、女性として見ることができなくなった」と話していました。妻と肉体関係を持つことが気持ち悪くなったというのです。とはいえ、男性ですから性欲があるため、浮気や風俗に走ってしまうそう。こうなると、いくら妻側が努力してもなかなかうまくいきません。

――妻側がセックスをしたくないというケースもあるのではないでしょうか。

 もちろん、あります。仕事や家事などで疲れて寝てしまったり、夫が深夜まで働いていて機会が持てなかったりと、パターンは様々です。「子どもと一緒に『川の字』で寝ているので、そういう気分にならない」という人もいるでしょう。まれに、セックスやスキンシップに嫌悪感がある女性がいます。男性であれば、身体的な原因なら医学的治療もできるし、心理的要因であればカウンセリングで乗り越えられます。女性の生理的嫌悪は直したいという強い意志が必要になります。

――お互い納得していれば、セックスレスでもいいのではないでしょうか。

 お互いに納得しているのならいいですが、一方が不満に思っている場合、離婚を考える人もいます。

二人で出かける時間を持つ

――大島さんは、こうしたカップルにどのようなアドバイスをされていますか?

 まずは、夫婦で出かける時間を持つことを勧めています。日本ではなかなか難しいと思われがちですが、海外だと、ベビーシッターさんに頼んで、夫婦でデートをしています。夫婦関係の修復には、二人だけの時間を作ることがとても大切なんです。そうした時間を持つことで、アイデンティティーを「母親」から「妻」に、「父親」から「夫」に戻します。一緒に映画を見に行ったり、おいしいものを食べたりして、結婚前の状態をもう一度味わう時間を持つといいですね。

相手のことを思う時間を持つ

――他人に子どもを預けて夫婦二人で出かけるというのは、費用面や気持ちの面からなかなかできない人もいます。

 そういう時はお互いにプレゼントをし合うこともいいですよ。選んでいる時は相手のことを考えますよね。それが意外な効果をもたらすことがあります。花一輪でもいいのです。「相手を思っている」ということが目に見えて伝わることが大切です。
(聞き手 /フリーランス記者・宮本さおり)

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Profile プロフィル

大島 明子(おおしま・あきこ)

 臨床心理士・FSP 米国スワスモア大学卒業。米国メリーランド大学大学院にてカウンセリングを専攻。修士号取得。日本、米国、スイスにおいて、クリニック・学校・地域社会団体勤務を経て、「あきカウンセリングクリニック」を開業。その傍ら、学会やワークショップなどで、カウンセリング技術を磨く。3児の母。