お正月の食卓を飾る「おせち料理」。自分で手作りするのは時間がかかるし難しそう、と思いがちですが、最新の「“レンチン”グッズ」を使えば、失敗も少なく、簡単に作ることができるそうです。しかも、「おせち」で磨いた技は、ふだんの弁当作りにも応用可能。あなたも挑戦してみませんか。
おせち料理は、いにしえの人々が豊作などに感謝して作った神様へのお供え物が由来と言われています。「おせち料理にもそれぞれの家庭でしきたりがありますが、料理を温め直したり、お重を詰め直したりするのは、なかなか大変です。もっと少量ずつ食べる分だけを作るよう、発想を切り替えてもよいのでは」と話すのは、家庭用品大手ライオンのリビングケアマイスター、杉本美穂さん。

杉本さんは、今年3月に同社が発売した電子レンジ用の加熱調理バッグ「リード プチ圧力調理バッグ」を使った様々な家庭料理レシピを提案しています。年末のこの時期には、同社の生活情報サイト「Lidea(リディア)」に「簡単おしゃれな『おせち』を電子レンジで作ろう!」というコーナーを開設しています。
料理研究家と考案し、何種類もの電子レンジで実験を繰り返したというおせち料理は、「煮しめ」「牛肉の八幡巻き」「えびのうま煮」「さつまいものレモン煮」の4種類。このうち「牛肉の八幡巻き」を実演してもらいました。
材料は、薄切り牛肉3枚、小麦粉少々、長さ約8センチ・7ミリ角に切ったゴボウとニンジン各6本と調味料(しょうゆ、みりん、砂糖、水 各大さじ1.5杯)。
手順は、牛肉を広げて片面に小麦粉を振り、ゴボウとニンジン各2本を市松模様になるように組み合わせて巻いていきます。

次に、調味料をボウルの中でよく混ぜ合わせます。

「リード プチ圧力調理バッグ」の口を開け、中に巻いた牛肉3本を並べ、調味料をざーっと注ぎ込みます。
バッグのジッパーをしっかり閉めて、耐熱皿にのせて、電子レンジで加熱(600ワットの電子レンジで6分、500ワットの場合は8分)します。

レンジの庫内をのぞき込むと、調理バッグ全体が膨らんでいます。食材からの蒸気がバッグの中で対流しているのだそう。この際に普通の圧力なべの約半分の1.1気圧(商品名の“プチ圧力”)がかかるので、短時間で食材がやわらかくなり、味がしみ込みやすくなるのだそうです。
加熱時間が終わったら、そのまま3分ほど冷ましてから(それでもまだ熱いので注意)庫外へ。よく冷まし、味がしみ込んでから包丁で切り、断面を整えて盛り付けます。

「お正月らしく、市松模様も楽しんで盛り付けるといいですよ」と杉本さん。かみしめるとジュワッと肉汁が出て、ゴボウやニンジンの歯ごたえを楽しめる逸品に仕上がりました。

「リード プチ圧力調理バッグ」は、生の食材と調味料を入れた後、そのまま冷凍や冷蔵保存ができる点が、忙しい共働き家庭などに好評だそうです。杉本さんは、「例えば『ブリのしょうが煮』なども、調味液と食材を合わせて冷凍しておけば、あとは食べたい時に電子レンジで加熱するだけ。失敗しがちな煮魚も、おいしく出来立てが食べられます」と話します。
時間がかかる「煮しめ」なども、調理バッグと電子レンジでたった10分程度で作ることができます。コツは、均一に加熱できるように、大きさ・厚さなど切り方を工夫すること。そして、材料を詰め込みすぎないように必ず専用レシピ通りに作ってみてほしいそうです。
「皿に盛り付けて、飾り物を工夫するだけで、ぐっと見栄えも良くなります。あまり難しく考えずに、できることからやってみるといいですよ」と杉本さんはアドバイスしています。
約半数の家庭が「自宅でおせち料理」
紀文食品が今年1月にインターネットで7015人に行ったアンケート調査によると、自宅でおせち料理を用意した人は全体の約53%。20~30代の人の約6割が「用意しない」と答えました。「おせち料理がどんなものであれば、自分でも用意してみたいと思うか」を聞くと、20~30代では「作り方が簡単」「盛り付け方が簡単で見栄えがいい」という答えが目立ったといいます。
紀文食品では、伊達巻きや黒豆など定番のおせちを詰め合わせた「初めてのおせち」シリーズを展開しているほか、カマボコの飾り切りなどの方法をホームページで紹介しています。
電子レンジで調理したり、市販品に少しだけ手を加えたり。わずかな手間で食卓を華やかにし、お正月気分を高めてみるのもよいかもしれません。