お正月が近づくとブルーになる 帰省しなくちゃダメですか?

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 「もう~いくつ寝るとお正月~♪」。子どもの頃、指折り数えるほど楽しみだったお正月。いまでは、お正月が近づくと、むしろ憂鬱ゆううつになる人も多いのでは。その理由の一つは「帰省」というイベントがあるから。掲示板「発言小町」でも、「帰省したくない」オンナたちからの投稿があまたあります。一年のうちのたった数日なのに、なぜ、こんなに帰りたくないのか――。

 結婚2年目の「ピーコ」さんは、夫の実家への帰省を迷っています。夫の姉妹には、どちらにも子どもがいて、家族の集まりはとてもにぎやか。お盆に帰省したときも、育児ネタで盛り上がる中、子どものいないピーコさんは一人だけ蚊帳の外。夫の家族を決して嫌いじゃないけど、肩身が狭くて、居心地が悪いそうです。

 トピ⇒「義実家へ子なし妻は帰省すべきか?」

 夫の実家で過ごす妻のほとんどは、「居心地の悪さ」を感じているのでは? こまめに働くと「出しゃばりな嫁」と言われ、何もしないと「気の利かない嫁」と言われる……。「嫁はつらいよ」とため息もつきたくなることでしょう。

 では、実家なら楽しく過ごせるのかというと……。

 「しめ鯖」さんの母親は神経質で怒りっぽく、完璧主義。自分の思い通りにならないと、感情的になります。産後の里帰りでも、あまりにも怒鳴どなられるので自宅に逃げ帰ったほど。機嫌が悪いと、孫にも八つ当たりします。「あんたは一人では何もできないんだから」が母親の口癖です。うんざりして、もう実家に帰るのが嫌になったそうです。

 トピ⇒「ますます怒りっぽくなった母親。実家に行きたくない。」

 一方、独身はさらにしんどい。顔を見れば、「結婚は?」「少しは手伝いなさい」「いつまでも子どもね!」と、親からのお小言が炸裂さくれつ。新年早々、親子ゲンカに発展することも。想像するだけで、ブルーな気分になります。

写真はイメージです

 家族だからわかり合える――とも限らないのです。違和感や嫌悪感がある人にとって、実家は決して居心地のいい場所ではありません。それでも、多くの人は年末年始に帰省します。

呪縛されたオンナたち

 夫の実家にしろ、自分の実家にしろ、帰省となると大なり小なり煩わしさがあるものです。遠方だからお金も時間もかかるという人もいるでしょう。でも、何よりやっかいなのは、「気持ち」の問題です。

 「帰省が嫌なのは、親に会いたくないから。面倒だし、うるさいし、ケンカになるし……。そして、そんなことを考える自分を許せないからです」と話すのは、廣済堂出版の編集者・真野はるみさん。

 真野さんは、性格リフォーム心理カウンセラー、心屋こころや仁之助じんのすけさんの著書『お母さん、年末、実家に帰らなければダメですか? もっとラクに! もっと自由に! ワクワク輝いて生きるために大事なこと』を編集しました。

 本書の主人公は、「お母さんのいる実家に帰りたくない」と思っている、東京で一人暮らしの「結衣」(32歳)。「親孝行」のために仕方なく、お盆も年末年始も帰省します。真野さんによると、この「親孝行をしなくっちゃいけない」が呪縛なのだとか。

 実は真野さんも実家に帰るのが嫌で、年末年始は憂鬱だったそうです。でも、周りの人たちは、当たり前のように帰省します。

 「お正月は家族と過ごすもの。帰省するのは親孝行のため。そう思って、気が進まないけど帰省していました。自分で作った“常識”や“ルール”に縛られていたんです」

 例えば、夫の実家で肩身が狭いというピーコさん。自分が「子どもがいないから、私はダメなんだ」と思っているから、他人も自分をそう思っていると思い込んでいるのでは? 言われてもいない言葉を妄想して、傷ついてしまっているのではないかと、真野さんは言います。

 「そんなときは、『どんな自分でも大丈夫!』って思えればいい。それができたら、笑って受け流せるようになります」

 「子どもがいないから、ダメ」→「子どもがいなくても、大丈夫」
 「帰省しないと親不孝」→「帰省しなくても、大丈夫!」

 視点をちょっと変えるだけで、人生はずっと生きやすくなる。他人の視線や世間体を気にするから、居心地が悪くなる。

 「しめ鯖さんが、お母さんを苦手なのは、怒鳴るからだけじゃなくて、『あなたは、一人じゃ何もできない』と言われ続けたからじゃないですか? その言葉に縛られて、つい、立ちすくんでしまう。そんな自分が嫌なんです。私も同じだったから、よくわかります」

 真野さんも同じような経験がありました。

 「母は何かにつけて、かわいそうって言うんです。私は、ちっともかわいそうじゃないのに。母が自分のプライドを保つため、私は“かわいそうな子”にされたんだって、反発していました」

 そして、本を作る過程で「自分の気持ちを大事にすること」「他人の価値観から自分を解放し、自分の価値観で生きる」ことの素晴らしさを実感できたといいます。

 「心屋さんの言葉で心が軽くなったんです。この本の結衣は、みんなの心の一部でもあるように思います」

 真野さんは年末年始に帰省しない代わりに、自分の仕事や気持ちに余裕があるときに実家に顔を出し、母親を受け入れることを心がけるようになったそうです。

 正月に帰省する、しない。オンナたちの複雑な心境をよそに、間もなく新しい年がやってきます。

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『お母さん、年末、実家に帰らなければダメですか? もっとラクに!もっと自由に!ワクワク輝いて生きるために大事なこと』 心屋仁之助 (廣済堂出版、1404円・税込み)