コンサート代に忘年会トラブル 多彩に手厚く少額短期保険

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 体調不良でコンサートに行けない、忘年会帰りに酔っぱらいに絡まれて法的トラブルに発展した――。そんな日常でのもめ事に対応した少額短期保険が充実してきた。年末年始のイベントで万一の事態が起きた際の備えとして検討できそうだ。

コンサート断念 代金返還

 首都圏の40代の女性は今夏、家族4人で韓流スターのコンサートに行く予定にしていた。だが、同居している義母の体調が前日に悪化し、看護のため行けなくなった。通常ならチケット代は戻らない。しかし、女性はAWPチケットガード少額短期保険(東京)の「チケットガード」に加入しており、8500円のチケット代4人分、計3万4000円が返還された。

 チケットガードは、病気や急な出張でコンサートなどのイベントに行けなかった場合に代金を補償する。チケットぴあのウェブサイトで購入したチケットが対象で、保険料はチケット代の10%前後となっている。

保険期間は1~2年

 少額短期保険とは、保険金の上限が生保商品で300万円、損保商品で1000万円で、保険期間も生保が1年、損保が2年と短期に設定されたものだ。2006年の保険業法の改正で認められた。少額で短期という特徴をいかし、日常生活上のトラブルに対応した商品が多い。

忘年会トラブル、弁護士費用に対応する商品も

 プリベント少額短期保険(東京)は、弁護士費用保険「Mikata(ミカタ)」を取り扱う。月2980円の保険料で、法律相談料と委任費用を補償する。

 加入者の20代の女性は、職場でのセクハラについて弁護士に相談した。30分の法律相談料5400円全額と、訴訟の委任費用25万9200円のうち14万6440円が保険金として支払われた。訴訟では120万円の損害賠償を勝ち取ったという。

 スマートフォンの破損や故障時の修理費用を補償するのが、justInCase(ジャストインケース、東京)が扱う「スマホ保険」だ。保険料は機種ごとに違い、iPhoneXS(アイフォーンテン・エス)では月970円(修理時の自己負担なしの場合)。スマホの利用状況を独自に計測し、安全にスマホを扱う人については、そこから保険料を自動的に割り引く。

 ジャパン少額短期保険(東京)は今月1日、「忘年会トラブル保険」の取り扱いを始めた。昨年に続く期間限定での発売だ。月額590円の保険料で、飲み会などでの偶発トラブルに対する弁護士費用を補償するほか、トラブルに巻き込まれた際、電話1本で弁護士が駆け付けるヘルプコールもついている。

 日本少額短期保険協会によると、少額短期保険の登録会社は年々増加しており、11月末時点で99社。2017年度の収入保険料は923億円で、10年度の2倍となった。同協会の杉本茂也さんは「多様化するライフスタイルに沿った保険が消費者に受け入れられている」と話す。

支払い要件確認を

 ただし、これらの保険は補償の内容が限定的なだけに、自分のニーズに合った内容かをチェックしたい。

 ファイナンシャルプランナーの平野敦之さんは「保険金の支払い要件、特に保険金が支払われない要件を事前にしっかり確認して。保険料の安い掛け捨ての保険なので、必要な期間だけ保障をつけたり、既に加入している保険の不足分の上乗せとして使ったりするのも一つの方法です」と助言する。(読売新聞生活部 米山裕之)