マンションの価値は住人で決まる それを見極めるのは「管理」だ!

35歳、働き女子よ城を持て!(26・・・

 自主管理を除けば、ほとんどのマンションの管理形態「常駐」「日勤」「巡回」のどれかになっている。

「常駐」 管理人が住み込むタイプ。コストがかかるため大規模マンションに多い。
「日勤」 管理会社から9時5時で派遣される勤務タイプ。夜はいないので注意。
「巡回」 毎日決まった時間のみやってきて去っていく流しの管理人タイプ。低コストだが、人の出入りが多いマンションではセキュリティーが心配かも。

 管理形態がどのタイプであろうと、ゴミが落ちているなど状態がよくなければ改善すべきだし、たとえ低コストの「巡回」でも問題がないこともある。マンションは住人によって状態も環境も変化をするものなので、まずは目で見て、プロに聞いて、総合的に判断すればよい。

 O「マンションは住人で価値が決まります。新築の場合はふたを開けてみないとわかりませんが、中古は必ず住人の質がマンションの管理状態に反映しています。大手のマンションだからといって安心はできません。新築時はグループ系列の管理会社が入っていても、そのうち支払いが厳しくなってほかの管理会社に委託を変更するマンションも多いんです」
 高殿「毎年組合の理事を引き受けてくれる人が、いつのまにか管理を身内の管理会社に変更してて管理費数千万を指摘に流用とか、たまーにあるらしいよ」
 M村「ありそう~」

 もし都内のマンションで、管理費と修繕積立金の合計が3万円を超えてくる場合は、なぜなのかきちんと事前に調べたほうがいい。とくに修繕積立金単独で2万円、3万円以上なら、大規模修繕や予定外の修繕が必要になり、オーナーが手放したがっている可能性があるからだ。もちろんこれは、新築のマンションでも施主の保証期間外ならありえる話である。プロの仲介業者もネットの口コミは見ているので、ネットで情報収集はおさえておきたいところ。

口コミ情報が有効なときもある……

 O「一見よさそうに見えても、住んでいる人に問題があって、なかなか売れないものもあります」

 実は、Oさんが紹介してくれたヴィンテージマンションで、とてもいい物件がもう一件あったのだ。地下鉄駅近くで新宿からも自転車通勤可能。周囲はおしゃれな住宅地で、物件そのものも東京に住んでる人ならば一度は聞いたことがある、ヴィンテージブランドである。

 高「所有権で、40平米でリノベーション済みで2000万円以内。すごくオトクなのにどうしてこんなに安いんだろうって、不思議だったんだよね」

 まず、おかしいなと気づいたのが、結構なヴィンテージマンションなのに管理費が月7000円とお安いこと。よくよくチェックしてみると、なんと自主管理とある。

 高「ウソでしょ、ここ300戸以上入ってるんだよ。なのに、共用スペースからゴミ出しから掃除まで全部自分たちでやるの?!」
 M「普通は管理会社に任せますよね。怪しいですね」

 あれこれOさんと調査した結果、どうも管理組合の会長が何十年と同じ人で、その人がややこしいらしいということがわかった。インターネットのウワサでは、その人とけんかして出て行く貸借人が後を絶たないのだとか。

 もちろん、ウソか本当かはわからない。でも、このように物件情報だけではわからないところで、マンションの価値が大きく変わってしまうことは珍しくないそうだ。
 
 O「マンションはメンテナンスが大事ですが、メンテナンスをするのも所詮、人です。住んでいる人の善し悪しで決まってしまうようなところはある。旧耐震・新耐震、ブランド、ノーブランドにかかわらず、とにかく情報を集めないとだめですね」
 M「大手が作ったマンションであれば、いい場所に建っているから、あとは新耐震であれば安心というものでもないんですね」
 O「逆にビンテージの方がしっかりと作ってあることも少なくないんです。昭和56年に建築基準法によってマンションの基準が定められたわけですが、逆に言うと、それって法律さえ満たしていればギリギリの建て方でもいい、という考え方でもありますよね」
 高&M「まさかの!?」

 つまり、古い時代は大手が中心となってガチガチのガチに作られていた(ものもある)マンションが、新耐震に切り替わったのを境に、最低限の基準を満たしていればいいや、と急に安普請になった可能性も否定できないのだ。

 高「実際そういう物件ってあるんですか?」
 O「ありますね。某シリーズとかはそうですね。某とかも、実はあんまりよくないですね」

 急に声を潜めるOさん。私たちがブランドマンションだと思っていた某とか某シリーズ……。もちろん名前は出せないが業界的には周知の事実らしい。

 高「ホントに、マンションを買うのは転職と同じ、と『さくら事務所』の辻さんが言ったとおりだね。結局どんなに大手の会社に入社できても、パワハラでやめざるを得ないことなんてザラにあるもの」
 M「そういう意味では、将来、そうならないように自分もマンション管理にかかわっていく覚悟も必要ですね」

 さて、ここまで古いも新しいも大きいも小さいも高いも安いも、およそ年収300万円女子が手に届きそうな物件は片っ端から体当たりで取材してきた。情報だけなら何十件、この目でみただけでも20件近く。とにかくあらゆるプロの人に会って、話を聞いた。

 気になる物件も決まり、マンションというものをいくらか理解したような気分になってきたところで、そろそろアレの話をしなければならない時が来た。

 つまり、お金である。

 監修:風呂内亜矢

【オススメの関連記事】
自主管理物件、管理会社の管理とどう違う?!
50年後に更地で返還?! 借地権物件ってどうなの?
東京・六本木に2200万円のマンション! 旧法借地権って?!
六本木から徒歩圏内、超都心マンションが超格安なワケ!?
場所、価格、条件すべてよし! 目黒にもあった超お得物件!!
35歳、働き女子よ城を持て!<まとめ>

高殿円(たかどの・まどか)
作家

 兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。著作に、「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』『主君 井伊の赤鬼・直政伝』『政略結婚』など、話題作を続々と発表している。13年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。最新作『戒名探偵 卒塔婆くん』(KADOKAWA)好評発売中

風呂内亜矢(ふろうち・あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

 26歳(独身)のとき、貯金80万円で自宅用マンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、 あわてて貯金とお金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。 マンション購入をきっかけに転職したマンション販売会社では年間売上1位の実績を上げ、 2013年からはファイナンシャルプランナーとして独立。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです』(祥伝社)、『デキる女は「抜け目」ない』(あさ出版)、『図解でわかる!確定拠出年金』(秀和システム)、『最新版 届け出だけでもらえるお金 戻ってくるお金』(宝島社)などがある。最新刊は『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)。ツイッター:@furouchiaya、LINE@:@furouchi  

http://www.furouchi.com/