年末にご注意! 海外通販トラブル

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 海外の年末商戦が国内にも広がり始めたのに伴い、海外業者が運営する通信販売サイトを巡るトラブルが、冬場に目立つようになった。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にセールをうたった広告を出して、ブランド品の冬物衣料などの偽物を販売する手口が多く、業者と連絡がつかないまま泣き寝入りする消費者が相次いでいる。

「ブラックフライデー」の広がりが影響か

 東北地方の40歳代男性は、2017年11月、「大幅値引きで限定300着販売」との広告をSNSで見て有名ブランドのダウンジャケットを注文。代金引換郵便(代引き)で商品を受け取ったが、明らかな偽物だった。業者に電話をかけてもつながらず、メールの返信もなく、それ以上追跡できなかった。

 海外業者との取引をめぐるトラブルの相談窓口である、国民生活センターの越境消費者センター(CCJ)によると、海外業者による詐欺・模倣品の相談は減少傾向にあったが、近年は冬場に相談件数が増加。17年11月~今年1月は481件と、前年度同期比61%増となり、17年度の相談件数の45%がこの時期に集中した。

 相談が急増したのは2016年ごろから。米国での年末商戦の幕開けとなる「ブラックフライデー」(感謝祭翌日の金曜日、今年は今月23日)などの認知度が、日本でも高まった時期と重なる。とりわけ被害が多いのは、ダウンジャケットやブーツなど、人気有名ブランドをはじめとする高額商品だ。

 詐欺や偽ブランドのトラブルでは従来、業者のサイトにおかしな日本語が記載されたり、不自然に大幅な割引が行われたりと、消費者が怪しいサイトだと疑いをもつこともできた。だが、最近は正しい日本語表現で記し、あえて大幅値引きをうたわないことで、消費者を信じ込ませる悪徳業者もいるという。

偽ブランド 泣き寝入りも

 東京都内の会社員女性(24)は、インターネットで高級ブランドの財布を購入したが、素材感が異なる偽物だった。定価8万円の商品がセールで6万円という、実際にありそうな価格設定で、つい信じてしまったという。

 業者は手口を次々変える。これまでは銀行振り込みを求める業者が多かったが、警察や金融機関が口座凍結を強化したため、代引きに切り替える事例が増えた。

 海外業者が絡む通販トラブルは、業者の特定が困難なうえ、被害回復も難しい。購入商品は「返品不可」の記載がない限りは返品できるが、返送先が海外だと、偽物の輸出は関税法違反にあたる恐れがあるため、事実上返品ができない。ただし、クレジットカードで支払った場合は、カード会社の判断で返金されることもあるという。

 CCJの担当者は「販売サイトは日本語で表示されており、消費者が海外業者と取引しているという認識を持てない場合もある。少しでも不安を感じたら取引を中止し、被害を未然に防ぐことが大切」としている。

 海外通販関連のトラブルの相談はCCJのホームページの相談フォームか、消費者ホットライン「188」へ。

(読売新聞生活部 加藤亮)