「お得」だけじゃない!?「ふるさと納税」最新事情

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 出身地や応援したい自治体にお金を寄付すると、住民税などが控除(減額)され、寄付へのお礼として特産品などがもらえる「ふるさと納税」。今年の所得に対する税の控除を受けるためには、年内に寄付を済ませておく必要があるため、例年、12月になると駆け込みで申し込む人が多くなります。どこに寄付しようか迷っている人も多いのでは。ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク(東京・目黒区)の広報担当・田中絵里香さんに、最近の傾向や働く女性にオススメの返礼品などを聞きました。

もうダメにしない! 狙うは「小分け」

 ふるさと納税の大きな魅力は、寄付先の自治体から名産品、特産品などがもらえること。とはいえ、生鮮食料品などが大量に送られてきて、冷凍庫がいっぱいになったり、食べきれずにダメにしてしまったりした経験のある人も少なくないはずです。田中さんは「食品を小分けにして提供している自治体も多いので、探してみてください」と教えてくれました。

埼玉県深谷市の「冷凍大和芋とろろパック詰め合わせ」

 なかでもオススメは、鹿児島県大崎町の「おおさきうなぎ(鹿児島県産うなぎきざみ)10袋セット」(寄付金額1万2000円)と、埼玉県深谷市の「冷凍大和芋とろろパック詰め合わせ」(同1万円)。「うなぎは一度解凍すると食べ切らなくてはならないため、少しずつ食べたいという方におすすめです。すり下ろすのに手間がかかるとろろも小分けしてあるので、手軽に味わえますよ」(田中さん)

女性向けの返礼品も

 ちょっとぜいたくな“自分へのごほうび”を得たいなら、服飾品や工芸品も見逃せません。岩手県北上市の「UTOのカシミア100% 天使のストール」(同8万円)はカシミヤ100%で温かく、肌触りも柔らか。同市内にある工場で生産しているそう。東京都墨田区は、都伝統工芸品の江戸切子のグラス(同5万円)を出しています。

UTOのカシミア100% 天使のストール

 高知県四万十市の「体ポカポカ生姜しょうがシロップ」(同8000円)や、鹿児島県霧島市の「麹屋の食べる甘酒[お米と麹だけ]」(同1万円)など、健康志向の女性にうれしい返礼品もあります。

注目を集める「体験型」

 高級食材や高額家電など豪華な返礼品が人気を集めたのも今は昔。「最近は、体験型の返礼品が増えています」と田中さんは話します。ふるさとチョイスで扱っている体験型の返礼品の数は、2018年6月現在で17年のトータル件数の1.4倍に上りました。地元で行われるマラソン大会の参加券や花火大会の観覧席など、各自治体が工夫を凝らした返礼品を提供しています。ふるさと納税をきっかけに、寄付先の自治体を訪れることにもつながるので、自治体にとっても、寄付した人にとってもうれしい返礼品として、これからも増えていきそうです。

地元に帰れない人へのサービスも

 一風変わった返礼品を提供している自治体もあります。静岡県西伊豆町の「ご先祖様を見守り隊」(同1万5000円)は、シルバー人材センターのスタッフがお墓を掃除し、花を生けてくれるそう。このほかにも、石川県珠洲市の「雪かき代行」(同5万円)など、なかなか地元に帰れない人に適したサービスが提供されています。

被災地自治体に「代理寄附」

 ふるさと納税は、困っている人のために使うこともできます。地震や豪雨などで被害が出たというニュースを見たのに、ボランティアに行けず、歯がゆい思いをしたことのある人は少なくないはず。そんな人にも、ふるさと納税が便利です。

「ふるさとチョイス」の災害支援ページ。被災地の自治体は災害ごとに分けられています(東京都千代田区のふるさとチョイスCafé)

 ふるさと納税を活用することで、被災地の自治体へ直接寄付をすることができます。「災害で大変な時にふるさと納税に申し込んだら、事務作業などでいろいろと手間をかけてしまうのでは?」という心配はご無用。ふるさとチョイスでは、被災していない自治体が、被災した自治体に代わって寄付金を受け付ける「代理寄附」もあります。寄付金受領書は代行した自治体から送られてきますが、寄付したお金はそのまま被災自治体に送られるそうです。

 特別な体験をしたり、被災地を支援したりと、寄付の目的は様々。ふるさと納税の「お得」以外の面に注目してみるのもいいのかもしれません。

(メディア局編集部・山口千尋)