“お洗濯マイスター”に聞く、秋冬物おしゃれ着洗いのコツ

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「洗濯ネットには、必ず1枚ずつたたんで入れること」と話す洗濯マイスターの大貫さん

 秋冬はワンピースやセーターが通勤着として活躍する季節。外出時に寒さ対策が必要でも、暖房の利いた電車やオフィスの中では汗をかきやすいため、清潔を保つのに洗濯が欠かせません。最近は、家で洗濯できるタイプのおしゃれ着も数多く出ていますが、ちょっとしたコツを知っておけば、形崩れや毛玉になりにくいそうです。洗濯のコツを専門家に聞きました。

たった1回の洗濯で 形崩れ・色あせ

 家庭用品大手のライオンは、東京・江戸川区にある「快適生活研究所」で、洗濯によって衣類がどのように傷むか、繊維の縮みや形崩れを防ぐために何に注意したらよいかなどを研究しています。
 この研究所で「お洗濯マイスター」の肩書を持っているのが、大貫和泉さんです。大貫さんは、2枚のワンピースを取り出し、「同じワンピースなのに、たった1回の洗濯で、こんなにシワや色あせが出てしまうものもあるんです」と言って見せてくれました。

同じワンピースなのに、1回の洗濯でこんなにも違う(右は、おしゃれ着洗い用の洗剤と「弱水流コース」。左は、一般衣料用の洗剤と「標準コース」で洗ったという)

 右側の写真が、おしゃれ着洗い用の洗剤を使い、洗濯機の「弱水流コース」で洗ったもの。左側が、一般衣料用の洗剤を使って、洗濯機の「標準コース」で洗ったものです。左側のワンピースは、襟ぐりのところにシワが寄り、襟元がゆがんでしまったほか、身ごろ部分も全体にハリがありません。丈も縮んでいます。

同じセーターでも、洗い方によって、縮んだり色あせることがあるという

 「残念な思いをしないためにも、おしゃれ着洗いの基本を知っておきましょう」(大貫さん)。

新しい洗濯表示を確認しよう

 まず、洗濯をする際には、必ず衣類のタグについた「洗濯表示」を確認してほしいと、大貫さんは言います。洗濯表示は2016年12月に、新しい表示方式へと切り替わりました。洗濯の仕方を表す「洗濯おけ」マークの下に引かれた横線の本数で、デリケートな扱いが必要かどうかを示すようになりました。

 「横線が多いほど、『洗濯機での機械力を弱くする』という意味なのですが、紛らわしいですよね。また洗濯表示は全部で41種類。なかなか覚えるのが大変なので、アプリを作りました」と大貫さん。

無料アプリ「これ洗える?」の画面。洗濯表示のマークを選んでいけば、最適な洗い方を示してくれるという

 ライオンは、スマートフォン用の無料アプリ「これ洗える?」(Android/iOS)を配信していて、これまでに約20万ダウンロードされたそうです。衣類のタグにある洗濯表示をスマホ画面上で探して選択すると、使う洗剤や洗濯機のコースなど、適切な洗い方をアドバイスしてくれます。その衣類の写真を自分で撮影し、洗い方・干し方とともに登録しておく「My Closet」機能も搭載しているので、「一度洗い方を調べたものを、再び見直す時にも便利です」と大貫さん。

 表示では、「洗濯おけ」マークに×が付いていれば、家庭では洗濯ができない衣類で(旧表示でも、洗濯おけに×が付いている)、それ以外は、家で洗える衣類と考えていいそうです。

デリケートな衣類専用の洗い方を

「最近の洗濯機には、おしゃれ着用の弱水流コースがありますが、コース名は機種によって違うので洗濯機の取扱説明書でよく確かめてください」と大貫さん

 おしゃれ着を家庭で洗濯をする時に気を付けておきたいことは――。大貫さんは「デリケートな衣類は、摩擦力に弱いのです。だから、極力こすったり、もんだりしないようにしたいものです」と話します。

 具体的には、
<1> 形崩れ・毛玉・色あせ・テカリ防止効果があるおしゃれ着洗い用の洗剤を使う
<2> 手洗いの場合は、押し洗いやアコーディオン洗いにする。洗濯機を使う場合は、手洗いコースや弱水流コースにして洗う。そうすることで、物理的な力を最小限にして形崩れや毛玉を防ぐ
<3> 洗濯機の場合は、洗濯用ネットに入れて洗う。1枚のワンピースは1枚のネットにたたんで入れる。ビジューなど飾りのあるものは、裏返してからたたむ

 このほか、水の温度は「洗濯表示」に記された数字を参考に。ウールの場合は、熱に弱いので、水の温度は30度以下にするといいそうです。

ハンガーにタオルを巻いて、肩の形に合わせた「タオルハンガー」

 干すときには、肩幅と肩の厚みに合ったハンガーを用意します。ない場合には、ハンガーにタオルを巻いて、肩の形に合わせた「タオルハンガー」を作ります。直射日光は、色あせにつながることもあるので、必ず日陰に干すこと。ニットのワンピースの場合は、洗濯後の水分の重みで伸びてしまうこともあるので、複数のハンガーに掛けて、水分の重みでニットが伸びないようにすること。この際にも、タオルハンガーはすべり止めにもなるので、便利だそうです。

「ニットのワンピースは、最低3本のハンガーを使って、重みを均等になるように干します」と大貫さん

 大貫さんは「ちょっとしたコツをつかめば、衣類が長持ちして、パリッとした状態で通勤できます。家事や子育てで忙しい朝に、1枚でコーディネートが決まるワンピースは重宝なもの。ぜひ試してみてください」と話していました。
(読売新聞メディア局編集部 永原香代子)