年収300万円台で超都心にマンションは買えるのか?!

35歳、働き女子よ城を持て!(18・・・

 新築モデルルーム恐怖症を克服し、中古マンションも怖くなくなり、きちんとした業者さんさえ選べば、築20年のマンションもリノベーションによって新築同然になることを理解した我々、作家・高殿と担当編集・M村……。

 しかし、新築を選べば山手線を越えねばならず、広さを選べば築20年でも都心から遠い。M村にとって「都心に近い」ことは必須条件。なぜなら、編集たるもの徹夜は珍しくない職業だからだ。

 やはり無理なのか。年収300万円の女子に利便性のいい都心のマンションは無謀なのか。

 と二人してやや諦めの心境でいたら、長年芸能界でご意見番をしている友人のYさんから耳寄りな情報が入った。

 Y「都心の中古マンションに強いハイパーチート不動産屋さんが、いま出物物件があるので紹介してくれるってよ」

 ハイパーチート不動産屋さん!? 神のごとき超越した力を持つ不動産屋さん? よくわからないけれど、字面からして強そう。

 高殿「なんと天の助け!! これはいくしかないのでは!?」
 M村「いくしかないですね!!」

 ハイパーチート不動産屋さんこと、株式会社恵生トラストの小泉俊博さんは、この道○年の不動産コンサルティングマスター。聞けばすごい経歴の持ち主で、過去に小泉さんが成約したお客さんたちも、社会的地位があったりお仕事が特殊だったりと、今までの不動産屋さんとはなにかが違う。猛者の匂いがする。

 そんな小泉さん、我々の予算が3000万円以内で、年収300万円台の働き女子だというと、笑いながらさらっとこう言った。

 小泉「年収300万円台で都心のマンションはかなりハードルが高いですね。だいたい、3000万クラスのマンションなら年収400万からです」
 高「で、ですよねー」
 M「その年収100万円の差を、いままでしみじみと感じてきたところです」

 正直、ほかの不動産会社に年収300万円の~と切り出すと、取材を断られること断られること。ハナっから相手にされていないことは十分身に染みています。

 高「山手線の内側なんて贅沢ぜいたくは言いません。『おっ、そこそこ都会に近いじゃん』『都心とはいえないけど、駅には近いよねー』くらいでいいです」
 M「あと、できれば、女性が安心して住める町で、近くに商店街があればうれしいです。大江戸線とか三田線とか、ちょっと不便そうな線だからこそお手頃なエリアはないものでしょうか」

 今までの経験をもとに遠慮がちに、しかしよく考えればだいぶずうずうしいお願いをしてみた。すると、小泉氏からは意外な返事が。

 小泉「では、目黒はいかがですか?」
 高「め、目黒……」
 M「いま、めぐろって聞こえたんですけど」
 小「言いました」

 目黒って渋谷区とか世田谷区に隣接している目黒区ですか? 本当ですか?!

 M「東京都の特別区の一つで、自由が丘とか祐天寺とか若者に人気の町があって、2018年度の住みたい街ランキング4位の目黒ですか? 八代将軍吉宗が『目黒のサンマはうまい』と発言して有名になった、あの目黒ですか?」
 高「それ知らんかった」
 小泉「僕も知りませんでした」

 動揺のあまり、突然謎のトリビアを披露し始めるM村。気をしっかりもつんだ。

 高「さっき、300万円女子には厳しいって言ったのに……」
 M「しかも目黒ですよ。駅から徒歩1時間とか、オバケと強制同居とかそういうんじゃないんですよね!?」

 あとで某有名サイトで調べてみたが、オバケと強制同居物件ではなかった。よかった……。

 小泉「根気よく探せば、目黒には手頃でいい物件があります。最初からあきらめることはないんです。ずっと住み続けるにしても、あとから売るにしても、いい物件でなければ資産になりません。あなたが満足しなければ、将来の買い手も満足しないでしょう? 多少、築年数が古くても、いい物件は価値が下がらないものです。不便なところにある新築より、便利な都心の中古の方がオススメですよ」
 高&M「(きゅん)」

 猛者の説得力ある言葉にころっといった我々は、さっそく、小泉さん推薦の2件を見学することに。

 監修:風呂内亜矢/協力:株式会社恵生トラスト 小泉俊博

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高殿円(たかどの・まどか)
作家

 兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。著作に、「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』『主君 井伊の赤鬼・直政伝』『政略結婚』など、話題作を続々と発表している。13年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。最新作『戒名探偵 卒塔婆くん』(KADOKAWA)が絶賛発売中。

風呂内亜矢(ふろうち・あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

 26歳(独身)のとき、貯金80万円で自宅用マンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、 あわてて貯金とお金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。 マンション購入をきっかけに転職したマンション販売会社では年間売上1位の実績を上げ、 2013年からはファイナンシャルプランナーとして独立。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです』(祥伝社)、『デキる女は「抜け目」ない』(あさ出版)、『図解でわかる!確定拠出年金』(秀和システム)、『最新版 届け出だけでもらえるお金 戻ってくるお金』(宝島社)などがある。最新刊は『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)。ツイッター:@furouchiaya、LINE@:@furouchi  

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