リノベーションした中古マンションとの出会い方を、株式会社ワッフルの伊藤さんに、まとめてもらった。
1.第1に、質のいいリノベーションをする業者を見つけよう。そのためにも物件はたくさん見て、目を肥やそう。
2.物件を見学するとき、業者には、どこまで手を入れたのか細かく質問しよう。下水管などの配管を新しくしたか、キッチンやバスユニットはどのグレードのものを入れているのか。なぜ、この物件をリノベーションしようと(売り主から買おうと)思ったのか。場所やマンションの利点など。もし、答えられなかったら、その程度の業者ということ。
3.予算より少し金額が上でも、ダメ元で交渉してみよう。
結果的にいうと、伊藤さんに紹介していただいたマンションは、かなり理想に近いが、M村が勤めるK社へのアクセスが良くないこと、そして、住居が1階ということがネックで、残念ながら購入には至らなかった。
M村「でも、マンションや部屋の内装は満点だったんです。これから別の物件を探すとしたら、どうやって見つけたらいいですか?」
ここで、思わぬ粘り腰を見せるM村。たしかに、諦めたあとにまた一から振り出しに戻るかと思うと、うんざりしてしまい、そこで諦めてしまうケース、たくさんあるんじゃないかと思う。
伊藤「弊社の場合、内装はあとからどうとでもなりますから、まずは部屋を探します」
伊藤さんは迷えるM村のために、次のように解説してくれた。
物件の探し方
*「場所(エリア)」「築年数」「広さ」から一番重要な要素を決める
*エリアと広さを優先する場合は、築年数が少し古い物件から選ぶ。少しでも新しい方がいいなら、エリアを変える
*例えば、中野に気に入った物件があったけれど、少し高い。その場合は雰囲気の似たエリアで少し安めの阿佐谷で探す
M「なるほど! 私は町の雰囲気とか、土地柄がすごく気になるんです。周辺の空気感というか。プロの方もそういうことはあるんですね」
伊「私がまだこの業界に入りたてのころ、師匠にあたる方には、『まず、町を歩け』と言われました。不動産を見るには、まず町を歩いて『空気を感じろ』と。ある町を歩いていて、空気に境目を感じたことがありました。いわゆる高級住宅地といわれるところと、そこから外れる場所だったんですが、空気感が全然違ったんです。それまで、場所とか住所とか数字だけで見ていたんですが、歩いて空気を感じるって、不動産を知るのにとても大切なことだと実感しました」
実際、不動産業界は、自分が住むためのものと、投資用とにぱきっと分かれていて、中には、住所と築年数だけで値段がついていることも少なくないと聞いたことがある……。
伊「投資用はそうですね。投資家の皆さんも、物件を見ずに買われる場合もあります。お住みになる場合は、やはり空気感は大事かと。昔は人気のない場所でも、大学ができて雰囲気ががらっと変わった場所や、高層マンションができてイメージが変わった町もあります。実際に行ってみて、町を歩いて感じることも大切です」
たしかに、いま不動産が熱いと言われる武蔵小杉は、渋谷から東急東横線(急行)で15分くらい。JR南武線・JR横須賀線双方の利用が可能になったので、どんどんタワマンが建っているという。
高「だけど、人気が出たエリアで、急に人が増えすぎて改札がすぐ通れないって聞くよね」
M「いくら利便性重視といっても、改札前で何分も待たされたら、あんまり意味ないですね」
伊「今後、住み続けるとしたら、どういう開発が行われるのか、事前に調べることも重要です。何ができるかで流れが変わって、違う雰囲気になるかもしれませんから」

どういう開発が行われるかを調べるのが大事だとは、さくら事務所の長嶋さんもアドバイスしてくれた。そういえば、最初に訪問した板橋本町のモデルルームでも、担当の和田さんが、「東京の町はどんどん変わるから、郊外かどうかより、実際の利便性を見てほしい」と言っていたなあ。
ワッフルさんから紹介されたマンションの場合も、地下鉄が乗り入れしていないので、高田馬場駅での乗り換えに人が集中する。
高「マンション自体もリノベも周辺環境も沿線に勤め先がある人なら、文句なしにおすすめ物件だったよねえ」
M「早稲田大と東京女子大と上智大が近くにあって、人に貸すにも問題ない部屋だったんですよね」
M村が満足するような物件を探し出すためには、やはりもっと都心へ近づかねばならないようだ。
監修:風呂内亜矢/協力:株式会社ワッフル 伊藤洸
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