モデルルームは怖くない?! ピカピカ新築物件にうっとり

35歳、働き女子よ城を持て!(3)

 何事も、動かなければ始まらない。

 しかし、お財布の中身も心もとないシングル女子が、ピッカピカの新築マンション用モデルルームに単独突入して、場違い感をさらすのもまた、いたたまれない。

 M村「きっと、私なんかが行ったところで、一目で『あ、コイツ、俺たちの客じゃない』って分別されて放置プレイされるだけですよ!」
 高殿「まあまあ、そういうのもひっくるめて行ってみないとわからないって」

 そういうわけで、本当に突撃してきました。新築マンション用モデルルーム。

 とはいえ、モデルルームなんて都内にはそれこそ数えきれないほどあるわけです。大手からよく知らないデベロッパー、価格帯もまちまち。なので、あくまで目安として「K書店勤務の文芸編集部シングル限定」で、都心に家が欲しい女子の要望をまとめてみた。

*最低30平米は欲しい
*バス・トイレは絶対セパレート
*セキュリティーロックなどセーフティー対策がしっかりしている
*24時間ゴミ出し可能
*いざとなった時に売りやすく、賃貸に出せる物件
*駅徒歩5分前後
*がんばれば2駅利用可

 M「このあたりは、編集部内でもマストな感じでした。私もそうです」
 高「そして、次の要件がこちら。これは、人それぞれ優先順位が違う感じ」

*休日はゆったりしたいので、静かな環境重視
*休日は買い物に出たいので、近場でショッピングできたりカフェがある利便性重視
*メイン駅まで電車一本30分以内
*職場最寄り駅まで座れる始発駅

 で、ここからが肝心要のお金の話です。

現在払っている家賃
*7万円代
*6万円代
*8万円代

 仮にあなたが現在支払っている家賃を月7万5000円としよう。これが12か月で90万円。将来定年が65歳になっていると想定して、30歳から35年間同じ場所に住み続けるだけで3150万円プラス更新料。

 高「ざっくり計算して3000万円前後。要はこの金額を目安にすればいいってことじゃないかな」
 M「3000万円あたりの新築の部屋があるマンションのモデルルームを探すわけですね」

 今の世の中は便利だ。インターネットで検索すれば、数秒でご予算以内の物件をはじき出してくれる。さあ、35歳働き女子よ、これが現実だ。

 『あんまり聞いたことのないデベロッパーが建てた郊外マンションしかない』

 M「……見事なまでに超大手さんが見あたらないですね」
 高「それがブランドってもんじゃないかね、M村。ブランドは高いんだよ」

 スマホの検索結果を見ただけで、しみじみ世の中の世知辛さを実感する女2人。しかし、ここでひるんでいては元の木阿弥だ。一にも二にも行動あるのみ。私たちはその中でも比較的規模の大きい(ぶっちゃけて言うと、なんとなく素人が聞いても大手っぽい名前の)モデルルーム「+ONE LIFE LAB(プラスワン・ライフ・ラボ)」をあたることにした。

+ONE LIFE LABに突撃!

 +ONE LIFE LABは、新日鉄興和不動産が銀座のど真ん中に用意したモデルルーム兼カフェスペース。なんと住所が中央区銀座1丁目!!

新日鉄興和不動産「リビオレゾン板橋本町ステーションサイド」のモデルルーム

 高「ビルの2階テナントとはいえ、銀座にカフェとモデルルームを作っちまうなんて太っ腹~」
 M「こんな日本一地価の高いところにモデルルームなんか出して、採算とれるんでしょうか」
 高「そのへんも聞いてみよう。毒を食らわば皿まで!」

 まがりなりにも作家、いままで国税局や百貨店外商やキャバレーの取材をしてきた私である。この前は取材と称してミナミのキャバレーで、70代のホステスさんをはべらせ、周りのおっさんたちの大注目を浴びてきた。それに比べれば銀座のど真ん中になにがあろうが大して怖くはない。

 +ONE LIFE LABは、本当に銀座のど真ん中にあった。銀座通りから1本内側に入っただけのアクセス最高の立地である。ビルの2階なのでエレベーターで向かう。ドアが開いたすぐ正面に入り口があった。カウンターなどはなく、モデルルームにありがちな出迎えてくれるスタッフもいない。

 そう、驚くことに、ここはモデルルームなのに販売員がいないのだ。いるのは相談員だけで、基本的に客のほうから声をかけないと、話しかけられることはいっさいないのだという。

 高「へー、ほんとにカフェだ。ブックカフェって感じ」

 入ってすぐ、カフェのような大きなテーブルとイスが目についた。周囲の壁は本棚になっていて、出版社問わず家に関する本がずらりと並んでいる。一つ一つ丁寧に棚の本をチェックしたが、著者や出版社などの偏りは一切なかった。無料で飲めるドリンクコーナーがあるので、ここで好きな本を読んで、ネットを使いながらコーヒーが飲めるというわけ。wifi完備である。

おしゃれなカフェスタイルの+ONE LIFE LAB 銀座ギャラリー(上)、ラボでのさまざまな取り組みをパネルで分かりやすく紹介

 +ONE LIFE LABの担当者・和田浩明さんに話を聞いた。

 高「なんでまた銀座のど真ん中にわざわざカフェスペース付きのモデルルームを?」
 和田「友だちと遊びに行く途中や、仕事帰りに寄っていただければいいと考えました。まずは、家に興味を持っていただきたいんです」
 高「それにしては、ずいぶん高い投資では?」
 和「いま20代前半のミレニアム世代が分譲マンションを購入するのは、5年後、10年後。そのとき、どういう価値観や商品だったら受け入れてもらえるのか、いろいろ先行研究しています。単身者の暮らし方・住まいを研究し、ギャラリーでPRすることで、単身者の住まい選びをサポートしたい、差別化したいという考えです」

なんと、+ONE LIFE LAB、あの@cosmeとコラボしているのである!

 高「@cosme!?って、あの高級ラインからチープコスメまであらゆる口コミとレビューがそろって、化粧品を替えたいときにみんなが一度はチェックするあの……」
 M「@cosmeさん!」

 まさかの不動産屋と口コミ・コスメサイトのコラボ。果たしてその成果やいかに!?

 監修:風呂内亜矢/協力:新日鉄興和不動産

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高殿円(たかどの・まどか)
作家

 兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。著作に、「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』『主君 井伊の赤鬼・直政伝』『政略結婚』など、話題作を続々と発表している。13年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。

風呂内亜矢(ふろうち・あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

 26歳(独身)のとき、貯金80万円で自宅用マンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、 あわてて貯金とお金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。 マンション購入をきっかけに転職したマンション販売会社では年間売上1位の実績を上げ、 2013年からはファイナンシャルプランナーとして独立。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです』(祥伝社)、『デキる女は「抜け目」ない』(あさ出版)、『図解でわかる!確定拠出年金』(秀和システム)、『最新版 届け出だけでもらえるお金 戻ってくるお金』(宝島社)などがある。最新刊は『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)。ツイッター:@furouchiaya、LINE@:@furouchi  

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