イタリア・ミラノで今、話題を集めているのが、9月7日にオープンしたアメリカの大手コーヒーチェーン「スターバックス」の店です。イタリア進出第1号店で、店内をひと目見たい人たちが長蛇の列を作っていました。

「スターバックス・リザーブ・ロースタリー」という新店は、アメリカのシアトル、中国の上海に次いで3店目の高級店。日本でも2019年前半に、東京・中目黒にオープンする予定です。
店の入った建物はミラノの中心部にあり、もとは郵便局だった歴史的建造物。一見、「スターバックス」とはわかりません。店内も従来のスタバのイメージとまったく違ったものになっています。ファッションやデザインへの関心が高いミラノらしく、ブロンズと大理石が中心の洗練されたデザインです。中央には巨大な焙煎機が置かれ、ローストしている様子を見ることができて壮観です。出来上がった豆の香りをかぐこともできます。

豆は世界30か国余りから集められたものを使用しており、価格は高め。また、地元のパン屋と提携して、これまでになくパンの種類が充実しているのも特徴です。カクテルのバーなどもあり、エンターテインメント性が高く、ついつい長居してしまいそう。

豊かな食文化を誇るイタリアは、外資系企業に対して保守的だと言われています。1980年代にはローマにマクドナルドが進出するにあたり、反対運動が起きたほど。エスプレッソに代表される成熟したコーヒー文化が根付いているイタリアで、スターバックスがどのように受け入れられるか注目です。
(読売新聞編集委員・宮智泉)
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