イライラしている子どもにすべきこと

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 せっかくかわいい洋服を買ってきたのに「着たくない」と駄々をこねたり、コップを何度も倒したり。子どもの「イヤイヤ」「イライラ」は、仕事や家事で忙しいワーキングマザーにとって悩みの種の一つです。子どもの怒りやストレスにどう対処したらいいのか。日本アンガーマネジメント協会の宇都宮弘子さんに聞きました。

アンガーマネジメントって?

――アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで生まれたとされる心理トレーニング。最近は学校や企業でも研修が取り入れられるなど、日本でも認知度が高まっています。どのような考え方なのでしょうか。

 アンガーマネジメントとは、怒らない人になるのではなく、怒りの感情を上手にコントロールできる人になることを目指します。怒っている対象を変えようとするのではなく、自分自身を見つめ直すことが、怒りをコントロールする第一歩です。怒りは氷山に似ています。表面に表れているのはほんの一部。下に隠れている気持ちを見つけてあげましょう。子どもはボキャブラリーがまだ乏しいため、自分の怒りの原因を言葉で表すことが難しいのです。伝えられない気持ちがイヤイヤやイライラにつながっています。

――娘が喜んでくれると思って好きな色の服を買ったのに、「服を着たくない!」と泣き叫ぶなど、なぜイライラして怒っているのかわかりません。

 外に行きたくないから着たくないということも考えられます。服の素材が嫌い、ということもあるでしょう。どこかに嫌がる原因があるはずです。どうして嫌がっているのかを察して、うまく言葉にする手伝いをします。

具体的に言葉にする

――どんなふうに声をかけるのがいいでしょうか?

 「なんで嫌なの!?」といった高圧的な聞き方だと、子どもも反発して怒りが増長してしまいます。「この服が嫌だったのかな?」「今日は外に行きたくないの?」といったように、「なぜ嫌なのか」をより具体的に言葉にすることが大切です。

――ついつい「なんで?」と聞いてしまいますが、具体的に聞くことが大切なのですね。

 子どもがイライラする原因の一つに、自分の気持ちをうまく言葉で表現できないことが考えられます。大人が言葉で表現することで、子どもも表現の仕方を学びます。ボキャブラリーが豊富になると、友達とけんかをしてもスムーズに仲直りできると言われています。親が声をかけていくことで表現力がついていき、怒る機会を減らすことができるでしょう。

6秒数えて

――ほかにも対処法はありますか?

 アンガーマネジメントでよく使われる「6秒ルール」も有効です。怒りが湧いた時に6秒数えると、気持ちが治まるというものです。胸に手を当てるなど、怒りを抑える時のポーズをあらかじめ決めておいて、子どもが怒り出しそうになったら、そのポーズを取るように促し、6秒数えるだけでも変化が見られるといいます。

――大人にも応用できそうですね。

 「なんでそうなるの?」と子どもの怒りの原因を追及すればするほど、親の気持ちはマイナス方向に傾きます。「なんでそうなるの?」と後ろ向きになるのではなく、「どうやったら解決できるのか」と前向きに考えることを「ソリューション・フォーカス・アプローチ」(未来解決志向)と言います。アンガーマネジメントには、この思考がとても大切。子育てだけでなく、仕事で煮詰まった時にも、よい解決策を生み出す思考法となるでしょう。

(聞き手・フリーランス記者 宮本さおり)

宇都宮弘子(うつのみや・ひろこ)

 自身の子育てを通じて、感情のコントロールの必要性を実感し模索する中で、2014年、怒りの感情をコントロールする心理トレーニング、“アンガーマネジメント”に出会う。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター™️資格を取得し、子育て世代の親や小学生の子供たちを中心に、アンガーマネジメントの講座を実施している。