“カリスマ家事代行”に聞く「夏場にオススメの家事」

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 共働き世帯や単身世帯の増加に伴い、家事代行サービスのニーズが高まっています。家事代行は、仕事などで外出している間に、サービス会社のスタッフが自宅の掃除や荷物整理などをしてくれるというものです。サービスを手掛ける「カジタク」(本社・東京都中央区)のスタッフで、丁寧かつ的確な仕事ぶりから、依頼の予約が絶えないという“カリスマ家事代行”山口奈穂子さんの仕事現場に密着。暑い夏場だからこそ、やっておきたい家事について聞きました。

食器洗いはシンクの底に近付けて

 山口さんと一緒に訪ねたのは、東京・北区のマンションにあるお宅。ともに会社員の夫婦と小学生の娘の3人家族が暮らしています。平日の午前で、家には誰もいませんが、山口さんは事前に預かっていたカギを使って家の中に入りました。

 どんな家事を行うのかは、依頼者と事前に打ち合わせ済み。この日は、キッチンの片づけと、浴室、リビングルーム、トイレなどの掃除を約2時間かけて行う予定です。

 まずは食器洗いから。食洗機のある家庭では、借りて洗うことが多いといいますが、この日は洗う食器の量がそれほど多くなかったので、山口さんは手洗いをすることに。「まずは油汚れの少ないグラス類から、スポンジと洗剤をお借りして洗っていきます。うっかり手を滑らせて食器を割ってしまったら大変なので、できるだけシンクの底に近付けて洗うようにしています。それなら、落としても衝撃が少ないので、割れることはまずありません」と山口さん。

割れものを洗う時は、できるだけシンクの底に近付けて

 食器洗いを終えたら、ガスコンロの周辺を拭いていきます。ここで山口さんが使ったのは、会社から支給されたマイクロファイバークロス(ふきん)。「市販されているマイクロファイバークロスで拭けば、洗剤を使わなくても、ある程度の油汚れなら落とすことができます」(山口さん)。仕上げにシンクやその周辺をきれいにしたら、キッチンでの作業は終了です。

浴槽の掃除は効率的な動作で

 次は浴室の掃除。浴槽やタイル壁、排水口などを、浴室に備え付けてあったスポンジや、山口さんが持参した専用ブラシ、マイクロファイバークロスなどを使って洗います。

  「浴槽をスポンジで洗う際には、浴槽の真ん中辺りにしゃがんで、まず正面と左右の両面を洗います。終わったら、180度向きを変えて、やはり正面と左右の両面を洗うようにすれば、狭い浴槽内であまり体を動かさずに掃除ができます。それと、浴槽内の給湯口にはカバーが付けられていますが、簡単に取り外して洗えるということを知らない人が多いので、ぜひ洗った方がいいと思います」(山口さん)。また、鏡などは、まず水を絞ったマイクロファイバークロスで拭き、その後、乾いたマイクロファイバークロスで拭くとピカピカに。

浴槽の真ん中辺りにしゃがんで洗えば、体の向きを変えるだけであまり動かずに掃除ができる

 狭くて湿気のこもりやすい浴室の掃除は、家事の中でも最も汗をかく仕事だといいます。「特に夏場は汗だくです。浴室のドアをできるだけ開いておいて、他の部屋の冷房の余波を受けるようにしましょう。もし、浴室の換気スイッチの中に『涼風』というスイッチがあれば、ぜひ利用しましょう」(山口さん)

 トイレ掃除を済ませて、最後はリビングルームの掃除です。家具などに付いたホコリを落とし、テーブルの上を拭き、家にある掃除機を借りて床をきれいにします。「部屋の隅から順にバックしながら掃除機をかけていくと、むらなくきれいに掃除ができると思います。間取りによっては、外側から内側に円を描くように掃除機をかけるのもいいかもしれません」(山口さん)。予定通り、山口さんによる「家事代行」は2時間弱で終了しました。

 カジタクでは、2時間の家事代行サービスの基本料金が1万2200円(税抜き)。隔週(月2回)で1回2時間、家事を代行するプランだと、1回当たり8200円(税抜き)、毎週(月4回)代行するプランだと1回当たり6300円(税抜き)と、利用回数が多ければ料金が安くなる仕組みです。いずれのプランも、基本料金のほかに、スタッフの移動費や鍵の預かり代などがかかります。

 同社のサービスは、夫婦が共働きで家事に時間をかけにくい世帯や、多忙な独身のビジネスパーソンなどの利用が多く、なかでも共働き世帯の利用が約8割に上るそうです。

床の汚れはアルカリ電解水できれいに

 密着取材では時間の都合で実践できなかったものの、後日、山口さんに夏場にぜひやっておくべき家事について聞きました。

 「夏場は特に、床の汚れが気になりませんか」と山口さん。夏場に多く発生する足裏の皮脂や汗によるベタベタな汚れ。

 掃除機をかけたあと、使い捨てのウェットタイプのワイパーをかけるか、ウェットティッシュで床を拭けばいいのですが、山口さんのオススメは、市販のアルカリ電解水を利用すること。電解水をシュシュッとまいて、使い捨ての古布(古シーツなどを切ったものや古ハンカチなど)で拭くと、洗剤特有のベタベタ感がなく、汚れがよく取れるそうです。「バケツと雑巾を使って水拭きするのが王道ですが、雑巾を洗う手間や、衛生面を考慮すると、使い捨ての古布がおすすめです」と山口さん。また、こびりついた汚れを見つけたら、不要になったクレジットカードをヘラ代わりにしてこすると、面白いように汚れが取れるそうです。ただし、力を入れすぎて床を傷つけないようご注意を。

家事代行という仕事について「ほどよい運動になるし、いろんな街に行って、いろんなお宅を見られるのが楽しい。時間内に仕事をやり切るという達成感も得られる」と話す山口さん

 「一度に家の床全体を掃除しようとすると、かなりの時間と気合が必要なので、汚れの気になるテーブル下やキッチンから、少しずつ始めてみましょう。床を拭くと、部屋のくすみがなくなって、部屋の印象がワントーン明るく変わりますよ」(山口さん)。

洗濯物の汗染みに「オキシ漬け」

 夏場は、洗濯物が増える季節でもあります。なかでも、白のワイシャツやポロシャツ、肌着などは、襟元やわきの辺りが黄色っぽく汚れやすく、しかも、普通に洗濯をしても汚れが落ちにくいのが悩ましいところです。そこで、「この夏、ひと手間をかけて、洗濯のレベルを上げてみませんか」と山口さんが提案してくれたのが「オキシ漬け」です。

 オキシ漬けとは、酸素系漂白剤を使って漬けおき洗いをすること。洗濯物の素材や汚れの度合いなどによって異なりますが、20分~数時間つけると、汚れやばい菌がきれいに取れるのだそうです。「私もはじめは、漬けおき洗いなんて面倒だと思っていましたが、やってみると、効果が分かりやすくて楽しいんです。白いものに限らず、色柄ものでも安心です。漬けておくだけなので、体力もほとんど使いません。これは、様々な家事をこなすうえで、大事なポイントです」と山口さん。汗をかかずに洗濯物がきれいになればうれしいですね。

山口 奈穂子(やまぐち・なおこ)

北海道生まれ。専業主婦、銀行勤務などを経て、2013年にカジタク入社。現在は、整理収納アドバイザー1級、ライフオーガナイザー2級、ファイナンシャルプランナー2級などの資格を持ち、新人社員の研修のトレーナーも務める。