「ゼロ婚」「ナシ婚」「届け出挙式」……財布に優しい結婚式はどれ?

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 近年は、経済的な事情などから、結婚式を挙げたくても挙げられないカップルも目立つ。そうした人たちなどを対象にした、「財布に優しい結婚式」が注目されている。

祝儀で精算「ゼロ婚」

 兵庫県尼崎市の徳田 陽香はるかさん(24)は昨年、「ゼロ婚」というプランで結婚式を挙げた。

 一般的な結婚式が、式の2週間前などに全額を前払いするのに対し、ゼロ婚は申し込み時の内金10万円以外は、式当日に祝儀が集まってから精算できる。結婚式にありがちな追加料金が発生することもない。徳田さんは「貯金額が十分でなかったので、ゼロ婚を選んだ。事前に招待者数などから祝儀の総額を試算し、自分たちのやりたい結婚式などをプランナーとよく話し合った結果、希望に沿った式ができました」と満足そうだ。

「ゼロ婚」を利用し、ホテルで結婚式を挙げた徳田太人さんと陽香さん(スキナ提供)

 ゼロ婚を提供する結婚式運営会社のスキナ(東京)によると、ゼロ婚の平均招待者数は53人、平均費用は約158万円。招待客1人あたりの祝儀の平均額は3万円強なので、計算上は祝儀だけで費用全額をまかなえる。

 同社の広報担当者は「結婚式は新郎新婦が決意表明したり、家族同士を結びつけたりする場として大切。経済的事情で式をためらう人が多い中、無理な貯金や借金などをせず、安心して式ができる仕組みを作りたかった」と話す。

婚礼セレモニーなしの「ナシ婚」3割

 リクルートブライダル総研(東京)の昨年の調査では、挙式や披露宴などの費用は、平均で約355万円。結婚式場を運営するアニヴェルセル(神奈川)によると、3割弱のカップルが、挙式や披露宴など婚礼セレモニーを行わない「ナシ婚」だった。

 結婚式情報サイトを運営する「みんなのウェディング」(東京)が昨年、ナシ婚だった既婚女性316人を対象に行った調査では、ナシ婚の理由は「資金がない」など経済的事情が最も多かった。

 こうした現状を受け、手頃な費用で結婚式を開けるプランが増えている。

学生がプロデュース

 神戸ベルェベル美容専門学校(神戸市)や、大阪ベルェベルビューティ&ブライダル専門学校(大阪市)では、学生が実際の結婚式をプロデュースしている。校舎にある結婚式場と同様の施設で式を挙げたいカップルを公募し、学生たちが式の企画やヘアメイク、司会などを担当する。実践力を養う授業の一環のため、費用は3000~5000円ほどですむ。

 婚姻届を提出した後、そのまま役所で簡易的なセレモニーを行うことのできる「届け出挙式」を導入する自治体もある。市長の立ち会いの下で宣誓書に署名したり、地域の大学生が歌を披露したり、式の内容は自治体によって様々。昨年2月に結婚情報誌「ゼクシィ」の協力で始まった企画で、基本的に費用はかからない。これまでに北海道苫小牧市、東京都港区、神奈川県横須賀市など11自治体で行われ、38組が利用した。

サービスの内容確認を

 結婚ジャーナリストの くめ 美奈子さんは「親世代も老後の備えが十分でないなどの事情から、以前ほど式の費用を援助できなくなっている」とみる。低廉な結婚式が増えていることについて、粂さんは「できるなら式を挙げたいという人は多く、選択肢が広がることは良いこと。ただし、サービスの内容をよく確認してください」と話している。(山村翠)