SNSの主役は「食べ物」?インスタが変えた風景

サンドラがみる女の生き方

写真はイメージです

 桜の季節ですね。みなさん、お花見楽しんでいますか。この時期はお花見というイベントを通して、普段はなかなか会えない友達と「再会する季節」でもあるようです。

人とつながるイベントは「季節ごとの集まり」か「誕生祝い」?

 お花見に始まり、日本には季節ごとに友達と集えるイベントがあるのがありがたいです。夏には花火大会、その後の秋は仕事に集中するとして……、冬には忘年会。忘年会が重なって仲間と会えない場合は、年が明けてから改めて「新年会」という手もあります。そして新年会をやろうといいつつ、タイミングを逃してしまい、2月、3月になってしまったら……またお花見で集まることができます。季節ごとにイベント的な集いがあるのは、人間関係を考えると、ある意味便利なシステムですね。頻繁に顔を合わせなくても、季節のイベントを意識することで、友人と長くゆるくつながることができそうです。

 逆に私の母国ドイツでは「みんなで集える季節のイベント」は日本より少ない気がします。あえていえば初夏から夏にかけてのビアガーデン、そして南ドイツでいえば9月から10月にかけてのオクトーバーフェストが友達を誘って気軽に楽しめる「季節のイベント」かもしれません。

 でもドイツの場合、人間関係において一番大事だとされているのは「相手の誕生日に『おめでとう』と言う」こと。かつては家族や友達の誕生日を紙の「誕生日カレンダー」なるものに記入して忘れないようにしていましたが、今はスマホやパソコンで管理する人が多いようです。誕生日パーティーを開く人もいますし、口頭で「おめでとう」と言ったり、自作のカードや贈り物を渡したり。でも最近は、SNS上での「おめでとう」がやっぱり一番多いかもしれません。

SNSへの投稿でお国柄(国民性)が分かる?

 私は自分のSNS(Facebook)に食べ物の写真をしばしばアップしていますが、面白いなと思うのは、「ローストポークの団子添え」の写真とともに「ドイツ料理を食べました」とアップすると、日本の友人たちからの「いいね!」がたくさんつくこと。逆に和食をアップすると、ドイツの友人からの「いいね!」が増えます。また長年海外に住んでいる日本人も、私が温泉宿に泊まってお刺し身などをアップすると、「いいね!」や「超いいね!」を意味するハートマークを残してくれる人が多いです。海外生活が長くなると、やっぱり和食が恋しくなるようなのです。

 傾向として日本などアジア圏の友人は「旬の食べ物」をアップしたり、友達と食事をする際に「食べたもの」をアップしたりすることが多いよう。おいしいものや旬のものを好きな人と食べて、SNSにもアップし、実際の生活でもネット上でも「食べ物」を中心にコミュニケーションをとっている感じです。

 逆にドイツなど欧米圏の友人は、食べ物よりも「人」をSNSにアップしている印象。特に「自分とダーリン」の写真のアップは日本より圧倒的に多いです。多く見かけるのがダーリンとバカンス(休暇)中の写真。ビーチなどのきれいな景色とともに、くつろいでいる様子が画面越しに伝わってきます。やっぱり欧米社会は、「カップル文化」だということが関係しているよう。

 対して日本の場合は、気恥ずかしさもあってか、自分たちの顔は写さず「周りの風景」を写真に撮り、画面越しに「こんな感じで生活してますよ」といった雰囲気を伝えるのが上手な気がします。

 

 ところで、Facebookをメインに使っている時には、(日本の友人たちと比べると)あまり食べ物をアップしていなかった欧米の友達も、Instagramが登場してからは「食べ物」の投稿率が高くなった気がします。最近は、日本でもヨーロッパでも、写真映えがするスイーツなどが出てくると、皆「インスタのために写真とらなきゃ」と口をそろえて言うので面白いです。そこに国境はないようです。

サンドラ・ヘフェリン
サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト。

 ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「多文化共生」をテーマに執筆活動中。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオ共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(ともに流水りんこ共著/KKベストセラーズ)など。
 「ハーフを考えよう!」http://half-sandra.com/