こんなに違う!世界の「美しさ」の基準

サンドラがみる女の生き方

写真はイメージです

 私は海外へ行く時、少々ドキドキしながらも現地の美容室へ行ってカットしてもらうのが好きです。美容師さんとお話しして、美容室においてあるヘアカタログを見ると、なんとなくその国のスタイルや流行がわかるもの。お店で売られている化粧品や美容グッズをチェックしたり、現地の女性誌に載っている美容情報を見たりするのも面白いです。そして毎回考えさせられるのが、国によって違う「美的感覚」のこと。今回はその違いにスポットを当ててみたいと思います。

「髪」にまつわる常識とは?

 日本で美容室に行くと、髪をいて軽く見せるスタイルが主流のよう。ヘアカタログや美容誌を見ても、黒髪にボリュームを出し、髪の多さを強調するような髪形はあまり載っていません。日本の美容室は、「そのままにしておくとボリュームが出すぎる髪を、なんとか軽くしてもらう」場のよう。女友達と話していても「雨が降ると髪がひろがりやすいから、ひろがらないような切り方をしてもらった」など、「軽さ」にとてもこだわっている印象です。

 ところがドイツなどヨーロッパの国の美容室に行くと、髪の毛が細くコシがないと悩む女性も多いことから、美容師さんに「こうするとボリュームがもっと出るわよ」と、ボリュームを出すヘアスタイルを薦められることがとても多いのです。実際に美容室に行き、パーマもそうですが、切り方を工夫して、ボリューミーな(ちなみに「ボリューミー」は和製英語です)スタイルにしてもらう女性が多く、美容室イコール髪を切るところ、そして「ボリュームを出すところ」といった感じです。

 余談ですが、日本に来るヨーロッパ人は「黒髪でロングのストレートヘアの日本人女性」に憧れている人も多く、近年のカラーリングや「髪を梳く」ブームを見て、「なぜきれいな黒髪をわざわざ茶色に染めるのか」「なぜわざわざ髪に段を入れるのか」と、まるで昭和の中学校の生活指導教諭のような発言をしている人がいたりします。

鼻は鼻でもところ変わると・・・

 「鼻」に関しては、もしかしたら「髪」以上に「感覚の違い」が目立つかもしれません。日本など東アジアでは鼻の美容整形というと、「鼻を高くする」「鼻筋が通っているように見せる」人が多いように見受けられますが、ヨーロッパ及び中東諸国では、「鼻を小さくする手術」または「鼻を低くする手術」が主流なのでした。たとえば、イランではお年頃の女性が鼻に大きなばんそうこうをしていると、周囲は「あら(鼻を小さくする)手術をしてきたのね」と暗黙の了解でわかるそうなのです。

「美肌」とは美白を追求すること?それとも・・・?

 日本では美肌を保つためには紫外線から肌を守ること、というのがひとつの常識となっていますが、日照時間が少ないドイツや北欧の国ではビタミンD不足がたびたび話題に上っており、「お日様」と出会えるのはむしろラッキーなことだという感覚があるため、チャンスがあればとにかく皆さん肌を焼きたがります。

 自国だと「焼ける」時間が足りないため、基本的には南の島へ行くバケーションの際に思いっきり焼きます。母国に戻ってからは、日焼けサロンへ通うことで、「こんがり」をなるべく長く保つ努力をします。そして美白の逆をいく「塗ると焼いたように見えるクリーム」や「塗ると早く焼けるクリーム」が人気です。

 ドイツでは特に「脚」に関しては厳しく、夏に短いパンツやスカートをはいて焼けていない脚を見せると、「脚が白いけど、大丈夫?」と周囲から心配の声があがったりします。「少し外に出て焼いたほうがいいわよ」というおせっかいなことを言ってくる人が多いのも、日本とはだいぶ違いますね。

 こうやって美的感覚の違いを見てみると、改めて世界は広いんだなと感じさせられます。それにしても、美への追求はどこの国でもある種の「ないものねだり」のような気がするのは私の気のせいでしょうか。

サンドラ・ヘフェリン
サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト。

 ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「多文化共生」をテーマに執筆活動中。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオ共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(ともに流水りんこ共著/KKベストセラーズ)など。
「ハーフを考えよう!」http://half-sandra.com/