「セクハラ」「銃」が裏テーマに 米アカデミー賞授賞式

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(左から)アシュレイ・ジャッドさん、アナベラ・シオラさん、サルマ・ハエックさん(ロイター)

 「黒」で染まった1月のゴールデン・グローブ賞とは異なり、3月4日(日本時間5日)に行われた第90回米アカデミー賞の授賞式はきらびやかなドレスで彩られました。しかし、「#MeToo」「#Time’sUp」(もう終わりにしよう)運動は忘れられたわけではなく、多くのセレブが「#Time’sUp」運動のピンバッジを付けて参加したり、セクハラを告発した3人の女優が授賞式で改めてセクハラ問題に言及したりするシーンもありました。

 アメリカでは、昨秋に大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏のセクハラ行為を複数の女優が告発したのをきっかけに、「#MeToo」をつけて、性的暴力や性差別の実態を告白する動きが社会全体に広がりました。1月7日に行われたゴールデン・グローブ賞の会場では、女優たちは結束して黒のドレスを着て参加し、男性陣も「#Time’sUp」のピンバッジをつけて、セクハラへの抗議の意思を示しました。

プレゼンターとして舞台に登場したジェーン・フォンダさんの胸にも「Time’sUp」のピンバッジが(ロイター)

 今回のアカデミー賞会場は、黒一色に染まりませんでした。CNNによると、「#Time’sUp」運動の中心人物の一人、映画監督のエイヴァ・デュヴァーネイさんが1日、「Time’sUpは授賞式での抗議団体ではありません。だから今回は控えます」とコメントし、1月のゴールデン・グローブ賞の時のように、会場が黒に染められることはないとしていました。

 式のオープニングで、2年連続して司会を務めたコメディアンのジミー・キンメルさんは、ハリウッドでのセクハラ問題について、「私たちは不品行をひそかに行わせてはならない。世界が私たちを見ている。私たちが手本を示す必要があるんだ」と力説しました。

 式では、ワインスタイン氏からセクハラ被害を受け、告発したアシュレイ・ジャッドさん、サルマ・ハエックさん、アナベラ・シオラさんの3人が登場し、「多くの人が真実を語り、進む道はまだ遠いけれど、少しずつ新しい道が浮かび上がってきています。その人たちの声が重なって、“巨大な”声となっています」と告発してから現在までの状況の変化を伝えました。

 今回は「Time’sUp」だけでなく、フロリダ州で起きた銃乱射事件などを受けて銃規制への同意を示すオレンジ色のバッジを付けた参加者も目立ちました。

 今年のアカデミー賞では、日本人のアーティストの辻一弘さんが英国映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」でメーキャップ・ヘアスタイリスト賞を初受賞したほか、作品賞に「シェイプ・オブ・ウォーター」が選ばれました。(メディア局・杉山智代乃)

「Time’sUp」ピンバッジを付けて参加した「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロ監督(ロイター)

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