防災食おいしく進化中、「もしも」に役立つ時短料理

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和洋食のご飯やおかず、スープがそろう「ホゾンホゾン防災シリーズ」=武藤要撮影

備蓄品を普段の食卓にも活用

 昆布だしのきいた雑炊にムール貝のトマト煮、野菜たっぷりのスープ――。おいしい防災食が増えてきた。かつては味は二の次という印象もあったが、非常時に食べるものだからこそ、おいしさを重視したいという消費者のニーズが背景にある。

 防災用品の通販事業などを行う横浜岡田屋(横浜市)は2017年10月、防災食「ホゾンホゾン防災シリーズ」を発売した。昆布のうま味を凝縮したエキスを使用。保存期間は最長5年で、常温でも十分おいしく食べられるように調味したという。

 和風雑炊の「あさり入り十穀米」や「鯛出汁たいだし入り高級かゆ」、「海鮮カレーごはん」など主食だけでも多様な味が楽しめる。「ムール貝とマッシュルームのトマト煮」「和風野菜スープ」などもある。同社の長本孝友紀さんは「非常時こそ食事の楽しみは重要になる。そのために、普段から食べたくなるおいしさを目指した」と話す。

 15年夏に安全衛生用品販売会社「ミドリ安全」が子どもと同居する20~49歳の主婦500人にインターネット調査をしたところ、防災食にあったらいいと思うポイントについて、「味(おいしさ)」を選んだ人が243人で最多だった。

 渋谷ロフト(東京都渋谷区)には約50種類がそろう。にんべんのだしがゆ、ハウスの温めずに食べられるカレー、カゴメの野菜入りスープなど食品メーカーの商品も増えている。売り場担当の飛永とびなが将喜さんは「東日本大震災を機に、おいしさや栄養バランスを重視した防災食への関心が高まっている」と話す。

知っておきたい防災食レシピ

 防災食は、自宅にあるレトルト食品や乾物を使って作ることもできる。「『もしも』に役立つ!おやこで防災力アップ」(清流出版)などの著書がある管理栄養士の今泉マユ子さんは「防災食は、もう一品おかずがほしいときの時短料理としても活用できます」と勧める。

防災食を作りながら「普段のおかずにもなりますよ」と話す今泉さん(横浜市で)

 例えば、「ツナと切り干しダイコンのマヨあえ」は材料をポリ袋に入れてもむだけ。「食物繊維とたんぱく質がとれる。よくかむことで唾液も出やすくなる」と今泉さん。

 市販のパスタソースと牛乳を混ぜた「クラムチャウダー」は、温めたものはもちろん、冷たいままでもおいしい。「食べ慣れた味は非常時の力になる。家族の好みに合った食感や味付けを見つけておきましょう」とアドバイスする。(野倉早奈恵)

◆ツナと切り干しダイコンのマヨあえ(2人分)

 ツナ缶1缶(70g)/切り干しダイコン30g/マヨネーズ大さじ1杯/おろしショウガ(チューブ)小さじ1杯/白すりゴマ同1杯

 ポリ袋に全ての材料を入れ、もみながら混ぜる。ツナ缶のオイルも全て使う。切り干しダイコンは水戻し不要。硬いのが苦手な場合は、1時間ほど置くと食べやすくなる。

◆クラムチャウダー(同)

 レトルトのボンゴレビアンコパスタソース1袋/牛乳200~300cc

 鍋などで全ての材料を混ぜ、カセットコンロなどで温める。ゆでたジャガイモやブロッコリーなどを入れ具だくさんスープに。ご飯を加えればリゾット風になる。