バレンタインデーに向けて、ゴディバが「日本は義理チョコをやめよう」という広告を打ち、話題になっています。チョコレートをあげなくてはいけないと、女性がプレッシャーに感じているなら、もう、やめよう、儀礼的ではない気持ちを伝える日にしたい、といった内容の広告です。
カップル以外でも贈り物を交わす日
実は、「義理チョコ文化」は、ニッポンに少し詳しい外国人なら必ず知っているぐらい、海外でも有名だったりします。
では、海外のバレンタインデーは、というと、筆者の母国であるドイツの場合、何もカップルに限ったイベントではなく、親子や友達同士でも花を贈り、日頃の感謝を伝える日なのでした。母親に花を贈る人もいれば、恋人の女性に花を贈ったり、チョコレートなどのお菓子やちょっとしたアクセサリーを贈ったりする場合も。全体的に男性が女性に贈るほうが逆よりも多い印象ですが、贈り物の内容に関してはだいぶ自由です。
もちろん何も贈らないというのもアリで、ドイツにおいてバレンタインデーは「必ずしなければならないもの」ではありません。クリスマスや各自の誕生日のお祝いと比べると、ドイツではバレンタインデーはイベントとしてそれほどは浸透していません。
ドイツのプレゼントにハンドメイドが多い理由
贈り物といえば思い出すドイツのエピソードがあります。交際中のドイツ人男性に、南の島からのお土産として、その島の「ビーチの砂」を詰めた小瓶を、「ビーチで君を思い出しながら過ごしていました」と書かれたカードとともに贈られた女性がいます。
この女性はドイツ人女性ではないため、男性からの「砂」の贈り物に大変びっくりしたそう。ドイツでは基本的に「お金をかけるプレゼント」があまり推奨されていないせいか、大人のカップルであっても、拾ったドングリにちょっとした工作をして贈ったり、きれいな落ち葉を押し葉にして恋人に贈ったりと、手作りのものやナチュラルなものが多いです。
でも日本の感覚からすると、砂も落ち葉もドングリも「お前は小学生か!」とツッコミを入れたくなるかもしれません。
贈り物やプレゼントは相手に負担がかかる?
では、なぜ大の男が砂だとかドングリのプレゼントをする傾向にあるのかというと、そこはやはり「プレゼント」や「贈り物」に対する考え方の違いによるところが大きいです。ドイツでは「お金を出して相手に贈り物をすると、相手にプレッシャーを与えてしまうかもしれない」と考える人が多いのです。さらに女性の場合は、男性から高価なものをいただいてしまうと、「金品で操られているみたい」と感じる人も確かにいるため、お金をかけた贈り物にはある種のマイナスイメージが伴う場合も。
ドイツにはない「義理」の出費
ドイツは「義理」というものとはほぼ無縁なお国柄であるせいか、日本ではよく見られる「お世話になった人にみんなで贈り物をしよう」というようなシチュエーションはめったにありません。そのような提案がされた場合には、どこからか必ず「それは高過ぎる」という反対意見が出ます。
非常にドライな国民性の上、お金というものについてシビアな感覚の人が日本よりも多いです。よくいえば節約家、悪くいえばケチな人が多いことも関係しているのか、日常生活においてドイツは基本的にお金のかかる贈り物はしない文化です。
それがそのまま男女の付き合いにも通じるので、もし日本人女性がドイツ人男性と交際する場合、「プレゼント」においてはちょっと寂しい思いをするかもしれません。日本男性は「レディー・ファーストじゃない」「家事をしない」と責められることも多いのですが、こと贈り物に限っては、日本の男性の方が、センスのよいものをくれる可能性は高いかもしれません。
以上、「贈り物」に見る文化の違いについてでした。
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