冬の寒暖差が招く体調不良、薄手重ね着で防御

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 厳しい寒さはまだ続く。だが、着込んで外出すると、電車内や職場では暑くて汗までかいてしまう。衣類や小物などを効果的に使って、上手に冬の寒暖差を乗り切りたい。

 関東地方に大雪が降った1月下旬、横浜市の女性会社員(46)は厚着で通勤電車に乗り込んだ。首にファーを巻き、タイツの下に薄手のスパッツ。ワンピース、カシミヤ製のタートルネックのセーターなども着たが、職場に到着すると暑さが勝り、セーターの下に着ていた機能性下着とスパッツを脱ぐ羽目になった。「会社ではデスクワークで座りっぱなし。上半身は暑いのに下半身は寒い」と話す。

 冬場の寒暖差に悩む女性は多い。文化学園大学教授の小柴朋子さん(被服環境学)は「寒暖差により体温調節が不安定になると体調不良にもつながる。脱ぎ着しやすいよう薄手の衣類を活用し、体感温度をこまめに調節することが大切」と話す。

 外出時にはスカートにストッキングを合わせるよりも、薄手のスパッツなどの上にパンツを重ねばきしたほうが暖かい。帽子や手袋、マフラーなどの小物を着用し、ショートブーツなど足元を覆う靴を履けば寒さはより軽減できる。

 ただ、これらを全部着用したまま混み合った電車やバスに乗れば汗をかく。取り外せる小物は乗車前に外し、乗車中は襟元を開けるようにしておくと汗をかかずにいられる。

 暖房の利いた職場でも、寒く感じることがある。その際は、全身を暖かい装いにするより、熱が逃げやすい肩や膝を温めたほうが効果的だ。小柴さんは「ストールやひざ掛けを1枚掛けるだけで効果がある。寒さや暑さをこまめに調節しやすい」と指摘する。

 部分的な温めには携帯カイロが役立つ。発売元のロッテ(東京都新宿区)によると、40代以上の女性のニーズがとりわけ高いという。衣類の上から貼るカイロを使う部位について、同社が利用者に聞いたところ、〈1〉腰〈2〉おなか〈3〉背中の順に多かった。

 職場での冷え対策として、足専用製品は根強い人気がある。靴下に貼って爪先を温めるタイプや、靴の中に入れて足裏を温めるタイプなど、ニーズに応じて種類も増えているという。

 防寒対策をしつつ春先のファッションも意識したい、この時期の仕事着はどうしたらよいだろう。松屋銀座本店(東京都中央区)で広報を担当する矢吹直子さんは「重ね着をする時に、花柄のストールやカーディガンを合わせると春らしい装いになります」と話す。2月に入り、黄色やピンク、ラベンダー色といった、この春の流行色を取り入れた製品も店頭に並び始めた。

春物のストール。空気を含ませるように巻くと保温性が高まる(松屋銀座本店で)

 矢吹さんによると、三寒四温のこれからの時期、保温性が高い下着を着ると暑すぎることもある。綿などの天然素材の薄手のものは蒸れにくく、さらっとした着心地でお勧めという。

使用済みカイロ ブーツ消臭効果

 足元の防寒対策として冬場はブーツを履く人も多いが、パンプスよりも蒸れやすく、足元の臭いが気になりやすい。

 体臭や多汗の治療が専門の五味クリニック(東京都新宿区)院長の五味常明さんによると、足は汗腺が密集している上、臭いを気にすることが原因となる精神性の発汗が起きやすいという。

 五味さんは「毎日同じ靴を履くのは避け、履かない日には、靴の中に使用済みの携帯カイロや保冷剤、お菓子の乾燥剤を入れると消臭効果があります。抗菌消臭などの機能性靴下をはくのもお勧めです」と話す。

使用済みのカイロは靴の消臭に有効活用できる

 ドラッグストアで販売されている足の消臭スプレーやクリームも効果的だ。臭いを抑えられるほか、使うことで安心感が生まれ、精神性の発汗も起きにくくなるという。(遠藤富美子)