広がるご近所づきあいアプリ 保活・求人情報も交換

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スマートフォンで気軽に投稿できる「マチマチ」の画面(画像は一部加工しています)

 近所付き合いが薄れる中、インターネット上で近隣に住む人々をつなぎ、情報交換や仲間づくり、モノやサービスのやり取りを促すスマートフォンの無料アプリが広がっている。首都圏の一部では、自治体と連携する動きも出てきた。

 「4か月になる子どもがいます。保活(保育園に入るための活動)の知識がなく、出遅れてしまいました」

 昨年12月、地域SNSアプリ「マチマチ」が東京都渋谷区の一部地域で運営する掲示板に、こんな訴えが投稿された。今年4月に入園するための受付は昨年11月末で終了している。不安になった母親の書き込みに対し、「二次募集がありますよ」「お互い頑張りましょう」など近所の母親たちから、次々と情報や励ましのメッセージが寄せられた。

 マチマチは、公立小学校の1学区ぐらいのエリアに住む住民同士をつなげるSNSとして、2016年にサービスを始めた。現在、全国約7800地域で利用されており、子育て情報や、地元の商店に関する口コミ、イベント情報などがやり取りされている。東京都の一部の区や水戸市では行政もアプリに参加し、これまで広報誌やチラシ配布などで伝えていた情報を投稿している。

利用は無料、企業や個人が運営

 アプリの利用は無料。現在は賛同する企業や個人が資金を出して運営しているが、将来は地元商店の広告なども収入源にしたいという。代表の六人部むとべ生馬さんは「町内会からも利用したいという声が寄せられている。地域を良くしたいと思う人たちに使ってほしい」と話す。

 こうした情報は町内会や井戸端会議など近所付き合いの中で交わされていたが、地域のつながりが薄くなったことがアプリの登場を促しているようだ。

 東京都中央区で2015年から地域SNS「PIAZZA(ピアッツァ)」を運営する矢野晃平さんは、子育ての経験を通じて「インターネットで世界とつながることができるのに、近所の人との接点がない」と気づいた。アプリが「井戸端会議の代わりになれば」とサービスを始めた。

 ピアッツァは現在、東京、千葉、神奈川の一部と仙台市の一部地域でサービスを展開している。アプリ上では「飼い猫がいなくなった。目撃したら教えて」「幼稚園についての情報交換会をしたい」といったやりとりから、商店の商品情報や求人、町会やマンション自治会のイベントなどの情報がやり取りされている。利用者は30~40代の子育て世代が多い。最近では高齢者の利用も徐々に増えているという。

不要の家具や家電の無償譲渡も

 ウェブ掲示板「ジモティー」は、エリア内でモノの譲渡・売買や求人、趣味を楽しむ仲間の募集などを投稿したり、探したりできるサービス。11年から運営しており、月間750万人が利用しているという。これからの季節は、引っ越しなどで不用になった家具や家電の無償譲渡が盛んに行われるという。

 メルカリの子会社が16年に始めたアプリ「メルカリ アッテ」は仲介手数料は不要の無料アプリで、参加者が直接会ってモノをやりとりする。また、子育て中の主婦が子連れでできる家事代行の受け入れ先を募集したり、野良猫の赤ちゃんのもらい手を探したりするのに使われた事例がある。(宮木優美)