ビジネスホテルの女性プラン、キーワードは「癒やし」

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 女性向けサービスを充実させたビジネスホテルが広がっている。女性専用の部屋を備えたり、備品が多彩だったりする。旅行や出張などで、女性が1人で利用する機会が多くなっているためだ。上手に活用し、快適に過ごしたい。

美容家電などを無料レンタル

 「新大阪江坂 東急REIホテル」(大阪府吹田市)の最上階には、女性専用の「レディースルーム」が8室ある。美容室などで使われる風量の多いドライヤーや寝ている間に蒸気を発生させるスチーマー、電動のマッサージクッションなどを常備。マッサージ器具など無料レンタルが可能な備品も含めて「癒やし」を重視した品ぞろえだ。

「新大阪江坂 東急REIホテル」はドライヤーやマッサージ器具など癒やしにつながる備品を豊富にそろえる(大阪府吹田市で)

 昨年4月に高層階を改装し、レディースルームも刷新した。客室担当の藤原理佳さんを中心とする女性スタッフのプロジェクトチームが担当。レンタル用で最も人気が高いのは、足をほぐす「レッグリフレ」用の器具だ。「歩き回って足が張るので、ほぐすような器具があれば」という実体験に基づく提案から生まれた。利用客からは「全部使い切れなかったので、また来ます」といった感想が寄せられ、リピーターの増加にもつながっているという。

 全国に約120店舗を展開する「スーパーホテル」(大阪府)は、ほとんどの店舗に女性専用の客室やフロアを設けているほか、女性の宿泊客全員に、自社で独自開発したシャンプーや洗顔料、入浴剤などのセットを配布している。好評なため一部はインターネット上で販売もしている。

「スーパーホテル」では女性客に洗顔料や入浴剤などを配布している(東京都中央区で)

 昨年10月初旬、滋賀県の女性歯科医(43)は出張のため、東京の「スーパーホテルLohas(ロハス)東京駅八重洲中央口」の女性専用フロアに宿泊した。「女性だけなのでスッピンでも気楽なところもいい」と気に入っている様子。

 「ホテルグレイスリー銀座」(東京都中央区)の女性専用フロアは、カードキーがなければエレベーターが止まらない仕組みで、女性客の安心感に配慮した。内装は淡い緑が基調。一部の部屋はフローリングのスペースにベッドマットを置き、ベッド横に腰を下ろすこともできる。朝食では女性に人気のグリーンスムージーを提供する。チーフコンシェルジュの秋山尚子さんは「家とも職場とも異なる、リラックスできる空間として利用してもらえたら」と話す。

「ホテルグレイスリー銀座」には、フローリングのスペースを設け、腰を下ろしてくつろげるように工夫した部屋も(東京都中央区で)

 女性向けサービスの背景には、一人旅を楽しんだり、ビジネスで活躍したりする女性の増加がある。宿泊予約サイト「一休.com(ドットコム)」でビジネスホテルなどを担当する宮岡雄一さんは「女性を意識したサービスが求められるようになった」と指摘する。女性が重視する点は〈1〉安全、安心〈2〉美しさ、清潔さ〈3〉快適さの3点。これを踏まえ、備品の充実、健康的な朝食メニュー、インテリアなどを、各ホテルが工夫しているという。

 宮岡さんは「女性の視点でサービスを磨くことは、男性にとっても快適な空間作りにつながる。女性向けサービスに力を入れる動きは今後も続くだろう」と話す。

女性の一人旅 下調べが肝心

 女性の一人旅で気を付けたい点は何か。

 総合情報サイト「オールアバウト」で旅行ガイドを務める村田和子さんは「宿泊予約サイトなどで事前に口コミ情報を調べておくことが大切」と指摘する。「性別、年齢など自分と条件の近い人の情報を探す」「主観だけでなく、事実に基づいた情報を選ぶ」ことなどに注意し、気になる点はホテルなどに直接問い合わせることを勧める。

 また、ビジネスホテルは利便性が高い立地にある反面、繁華街にも近いケースも多い。周辺環境も調べておくとよい。グーグルのサービス「ストリートビュー」を利用すると、立地をイメージしやすい。

 女性の場合、荷物が多くなりがちだ。冬場は乾燥対策として携帯用の加湿器などを持ち歩く女性もいるが、家電などは宿泊先で借りられる場合がある。「レンタル可能な備品についてあらかじめ確認しておけば、荷物を減らせます」と村田さんは助言する。(大郷秀爾)