「生意気度」が上がれば、女性はもっと生きやすくなる!?

サンドラがみる女の生き方

 「いま世間を騒がせている女」は、メディアで定期的に取り上げられる人気テーマです。2018年になった今年もいろいろ登場するのでしょうか……?

 テレビや雑誌で特集されるだけでなく、最近はインターネットでの叩かれっぷりも目立ちます。そしてターゲットとなるのは、はい、いわゆる「生意気な女」です。

 たとえば「お騒がせ女優」。古くは質問に「別に……」と答えた沢尻エリカさんや、最近では、論議を呼びそうな写真を掲載したSNSに「いいね!」したことをきっかけに、過去の行動や写真まで引っ張り出された水原希子さんの例もありました。

 一度、標的になってしまうと、ファッションや生き方までが批判の対象になる。この現象、「とにかく生意気な女を叩きたくてしょうがないんだな」というふうに私には映りました。

海外の方がモテる? 「生意気な女」

 ドイツを含む欧米では、「生意気な女」はむしろウェルカムです。不機嫌な言動や鼻ピアスなど「挑発的」とされている行為なんて、常に奇抜なファッションやメイクを披露するレディー・ガガ様や、プロモーションビデオで十字架を燃やしたマドンナの数々の行為を見れば、かわいいもんです。

 「反骨精神」を大事にしている人が多いからか、ヨーロッパでは、いつの間にか社会が「もっとやれー」と応援の雰囲気になっています。中年の人は「私も/僕も若い時はいろいろやったよなあ~」とノスタルジックな気持ちになりつつ、挑発的な若い人を応援していたりします。若い女性にとってガガ様は憧れの的ですし、若い男性に至っては、ああいった気の強さが前面に出ている女性が好きな人も多いのです。

 有名人に限らず一般の女性に関してもそれは同じで、歩き方から髪の振り方まで見るからに気が強そうで、目が合えばガンを飛ばされそうな女性を「なんとか振り向かせたい♡」と恋をする男性もいますし、生意気な感じの女を射止めるのが生きがいになっている男性もいたりします。

 もちろん日本でも生意気な女性が好きな人はいると思いますが、社会全体でみると「かわいらしく、面倒ではない女性」を好むような……。

面倒な女と諦めてもらった方が得!?

 しかし、男女の出会いの時に「かわいらしく、面倒ではない女性」になり切ってしまうと、結婚してから女性にとって損であることが少なくありません。

 たとえば家事にしても、付き合っている時にかわいらしく、家事も全部やってくれそうな雰囲気の女性だと、男性にとっては結婚後も家事は女性に任せるのが自然な流れになってしまいます。逆に、初対面の時に挑発的で、いかにも面倒くさそうな女性に「僕の家事をやってくれそう」などと期待をする男性はいませんから、女性の側からすると、こちらのほうが都合のよい場合も。

 人間は『慣れ』の生きものですので、かわいくて面倒くさくなさそうな女性が、途中から何かを主張し始めるよりも、最初から生意気な印象の女性が何かを主張したほうが男性もビックリしないし、コトがスムーズに進んだりもします。いっけん理不尽なようですが、これも女の人生における「あるある」なのでした。

 童話やメルヘンの世界では、かわいい女の子が王子様と結婚して、そこで物語は終わりますが、現代の女性は結婚後の生活こそが正念場ですので、ここは現実を見て、あらかじめ「ちょっと生意気なお姫様」を演じてみてもいいかもしれません。

 総合すると、ニッポンにおいて、女性の「生意気度」がもっと上がれば、女性への期待値が良い意味で下がり、女性がもっと生きやすくなるのではないか、と私は思っています。

サンドラ・ヘフェリン
サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト。

 ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「多文化共生」をテーマに執筆活動中。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオ共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(ともに流水りんこ共著/KKベストセラーズ)など。
 「ハーフを考えよう!」http://half-sandra.com/