オールでどんちゃん騒ぎ!? ドイツの年越し

サンドラがみる女の生き方

 日本で「年越し」というと「のんびり」のイメージがありますが、ドイツの年越しは「ワイルド」という言葉がぴったり。クリスマス連休で家族や親戚と過ごし、大みそかは友達同士や恋人で「はっちゃける」というわけです。

年越しに欠かせないものは・・・・

 年が変わるその瞬間には、たくさんの花火を上げます。その花火観賞の場所決めなど、大みそかの遊びの計画を立てるのが、ドイツ人の毎年の楽しみ。自分で花火を打ち上げる場合は、公園など「外」で大みそかを祝い、ほかの人が打ち上げた花火を鑑賞するだけの場合は、家でホームパーティーをしながらバルコニーから花火を眺めたり、最上階のクラブやレストランで花火観賞を楽しんだりする人もいます。この季節、スノボやスキーに出かけている人はアルプスの山小屋に泊まり、山々の冬景色に囲まれながら花火を楽しむ人も。雪景色の中の花火は、光と闇とのコントラストがきれいです。 

 花火のピークは年越しの日付が変わるその瞬間ですが、12月31日の昼頃から、まるで予行演習をするかのように、花火を上げている気の早い人たちがいるのも毎年恒例です。

その瞬間を誰と過ごす?

 年越しは1年に1度しかないイベントですので、年越しは大切な人たちと過ごします。ドイツ人にとっての「クリスマス」は日本のお正月のような「楽しいけれど親戚付き合いなどの義理も伴うイベント」ですが、「お正月」は一緒にいて楽しい人たちと集まり、思いっきり騒ぐイベントです。恋人はもちろん、大勢の友達と集まり、日付が変わる瞬間は「良いお年を」と言いながら抱き合い、Sektゼクト(シャンパン、発泡ワイン)などのお酒で乾杯をします。

 ちなみに日本のホームパーティーだと、料理がバラエティーに富んでいることが多く、そのぶん招く側は大変だったりします。ドイツは大みそかであっても、ホスト側が用意するのは、お酒とスナック程度。いわゆる「おさんどん」に追われる女性はいません。

 さて、お酒は年越しの瞬間に少しだけ口をつけるものではなく、実はドイツの大みそかは大量のお酒を消費する「どんちゃん騒ぎ」イベントでもあるのでした。もちろん個人差はありますが、飲み方としては、日本の忘年会に近い印象です。「今年はもう終わりだし、お酒もたくさん飲んで皆で騒いで新しい年を迎えよう」という雰囲気のなか、朝方までパーティーをし、いわゆる「オール」をする人も少なくありません。

 日本とドイツではまさに年越しとクリスマスが逆転しているといえます。日本のクリスマスが皆さん浮かれがちで華やかな日なら、ドイツ人が浮かれるのは明らかに年越しの時です。

2日からはもう仕事、そしてツリーも年を越す

 お酒を飲んで、大騒ぎして、花火を打ち上げて・・・・・・と年末から新年にかけて大いに盛り上がるドイツの年越しですが、年が明けて元旦は二日酔いだし、道路は花火の残骸で汚いし、日本のような長い正月休みの習慣はありませんから1月2日からは普通に仕事です(1月1日は新年という事でドイツも祝日)。酷ですが、ドイツ人は、年明け早々一気に現実に引き戻されるのでした。そんなこんなで1月上旬は絶対に日本で過ごすと心に決めている筆者です。

 日本人だとちょっとビックリなのが、年末はもちろん年が明けてからもドイツではクリスマスツリーが飾られていること。日本だとハロウィーンの終了とともに、お店のデコレーションがクリスマスモードに切り替わり、12月25日が終わると、門松などお正月に向けた飾り付けにパッと変わります。が、ドイツの場合は、年が明けた1月6日の「公現祭(Heilige Drei Könige:ハイリゲ・ドライ・クーニゲ)」まで個人宅はもちろん公の場でもクリスマスツリーがそのまま飾られています。クリスマスツリーの横で年越しを祝うので、日本の感覚からすると、ちょっと不思議かもしれません。

 何はともあれ、みなさま良い新年をお迎えくださいませ。

サンドラ・ヘフェリン
サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト。

 ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「多文化共生」をテーマに執筆活動中。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオ共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(ともに流水りんこ共著/KKベストセラーズ)など。
「ハーフを考えよう!」http://half-sandra.com/