知らないと怖い! 広まるレイプドラッグ

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 女性が気づかぬうちに薬を飲ませて、暴力をふるう。そんな卑劣な犯罪が増えています。性暴力を目的とした薬物は「レイプドラッグ」などと呼ばれ、女性が席を立った隙に飲食物に薬を混ぜる手口が目立つそう。年末年始でお酒を飲んだり、人が集まったりする機会も増える時期、知っておきたい対応法を考えます。

 「レイプドラッグを許さない!『薬物を使った性暴力への適切な対応』についての院内意見交換会」が先月27日、参議院議員会館で開かれました。出席したのは、警察庁の担当者と各地で被害者支援に携わる団体。そこで被害や捜査の実態などが語られました。

ネットなどで出回る薬

 「SARCサーク東京(性暴力救援センター・東京)」では、今年3月から8月までに支援した81人のうち10人が「飲み物などに薬を入れられた」疑いがあると指摘。「体が動かなくなった」「このぐらいで酔うはずのないお酒の量だった」など、明らかにおかしな点が見受けられたと言います。そのほかの支援団体からも、レイプ被害にあった女性で薬物の使用が疑われるケースが増えてきているという報告がありました。

 警察庁の担当者によると、性暴力に使われる薬物はさまざまで、処方された睡眠薬などを流用したり、ネットで入手したりするものがあるそうです。

 問題は、薬物によっては短時間で体から排泄はいせつされてしまうため、薬物を使ったという証拠が残りにくいこと。警察での尿検査や医師による採血が行われず、適切な証拠収集ができないケースもあるという点です。SARC東京によると、薬物使用が疑われるケースで、警察に被害を届け出た9例のうち、尿検査を実施したケースは2例だけでした。支援団体からは「初動が大事なので、尿検査をルーチン化してほしい」「薬物が使われたかもしれないと被害者が訴えてきたら証拠を集めることを現場で徹底してほしい」といった要望がありました。

支援団体や警察にまず相談

 SARC東京では、レイプドラッグ被害を受けた場合に、「迷わず相談を」(性暴力救援ダイヤルNaNa☎03-5607-0799、24時間365日対応)と呼びかけています。被害にあった人に責任はなく、酒と薬を同時に摂取させられ、意識がもうろうとして、時には呼吸ができないといった命に関わる健康障害が発生することもあります。薬物だけでなく、女性を泥酔させて、レイプする事例も多発しています。

 自分自身でも周りでも、誰かが被害に遭った場合は、一刻も早く信頼できる人に相談することが大切。各都道府県にも必ず性犯罪被害の相談窓口があり、今年8月からは電話で「#8103」(ハートさん)と短縮ダイヤルすると管轄の警察の窓口につながるようになりました。加害者をきちんと処罰し、自分の心と体を守るためにも、まず相談することを覚えておきたいです。(大森亜紀)