食をテーマに調査・研究を行っている「ぐるなび総研」(東京都・千代田区)は4日、今年の世相を反映し、2017年を象徴する「今年の一皿」を発表しました。大賞に選ばれたのは「鶏むね肉料理」。消費者の健康志向の高まりと調理法の進化で、なじみの食材が新たに注目を集めた点が評価されました。

「今年の一皿」は、飲食店情報サイト「ぐるなび」に蓄積されたビッグデータと、ぐるなび会員の調査から食に関するキーワードを抽出し、メディア関係者らが協力して、今年を象徴する料理を選びます。今年は「鶏むね肉料理」「強炭酸ドリンク」「チーズタッカルビ」「日本茶スイーツ」「フォトジェニックサンドイッチ」「Neo日本酒」の六つがノミネートされました。

選定理由は、1.これまで日本で鶏肉といえば「もも肉」が主流だったが、高齢化や健康志向の高まりから、抗疲労効果があるとされる「イミダゾールジペプチド」の豊富さや、高たんぱくで低脂肪という点が消費者に多く認知されるようになったこと、2.以前は加熱すると硬くなり、パサつくといわれていたが、ここ数年、塩麹ブームや、真空低温調理などの技術で柔らかく、おいしく食べられるようになった――と二つをあげています。

特に今年は「サラダチキン」が大ヒットし、たくさんの野菜や果物と合わせて、サラダの具材としても活用され、フォトジェニックに盛り付けることで「インスタ映え」すると、メニューに加える外食店も増えました。

「今年の一皿」には、2014年ジビエ料理、15年おにぎらず、16年パクチーが選ばれ、一般消費者にも定着してきました。大賞を受賞し、生産者代表として登壇した鹿児島県の畜産加工会社、ナンチクの北野良夫専務は「鹿児島はこれまで黒毛和牛、黒豚とブランド肉を生産してきました。これからは『黒さつま鶏』を世界に広め、地方創生をめざしたい。生ハムやすき焼き、ウインナーなどでも食べてほしい」と喜びを語りました。

また、準大賞にレモンサワーやハイボールの人気により「強炭酸ドリンク」が急上昇ワード賞に、チーズフォンデュなどのとろけるチーズが人気の「チーズタッカルビ」が選ばれました。