女性の再就職、大学や専門学校に「学び直し」講座

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 出産などをきっかけに離職した女性の再就職を支援する「学び直し教育」が注目されている。大学や専門学校がパソコンなどITスキルからビジネスマナーまで、実践的な内容を教えるものだ。女性活躍の推進や労働力人口の減少を背景に、国もこうした動きを後押しする。

 関西学院大学の大阪梅田キャンパス(大阪市)で10月4日、女性向け講座「ハッピーキャリアプログラム」の入校式が行われた。准教授の大内章子さんは「キャリアを描き、ここで学ぶことを土台に、ぜひ自分から動いてほしい」と受講生約20人を激励した。

関西学院大学の「ハッピーキャリアプログラム」入校式で、大内さん(左)の激励に笑顔の受講生たち(大阪市で)

 半年かけて、キャリアの描き方や論理的な説明力、会計や財務、ITなど多様な科目で仕事力を育む。小学生の子2人がいる冨田芙美さん(39)は「仕事を辞めて13年たつが、何かやり残した気がしてモヤモヤしていた。色々なことを学びたい」と意気込んだ。

 講座は2008年に始まり、これまでに9期生、計172人を送り出した。大内さんは「受講当初は講師へのメールに絵文字を使うなど、仕事をする上での常識が足りない人もいますが、半年で大きく成長します」と話す。8期生までの就業率は93・3%と、高い結果を出している。

 13年春に修了した島千佳さん(48)は、充電器などの輸入販売会社「ワンゲイン」(大阪市)に就職。現在は経理や人事などを取りまとめる担当部長だ。

 15年以上専業主婦だったが、「成長した娘たちにどんな姿を見せたいか考えた時、働きたいと思った」と言う。ただ、パソコンスキルなどに不安があり、学び直しを選んだ。「内容は実践的だし、PTA活動など専業主婦時代の体験を踏まえて組織運営や指導力などの授業を受けると、具体的に理解できた。いくつになっても新しい挑戦はできると実感した」と振り返る。

 学び直しの講座は日本女子大学や明治大学などでも行っている。同様の講座を設けている専門学校もある。

政府も後押し

 政府も学び直し教育に力を入れる。今年6月に決定した「女性活躍加速のための重点方針2017」では、離職した女性の学び直し教育講座の増設や、子育て中の女性でも学びやすい短期講座の創設などを盛り込んだ。

 総務省の労働力調査(16年)では、働きたいと思っているが働いていない女性は274万人に上る。リクルートジョブズ(東京)がこうした女性を対象にした16年の調査によると、就職に向けた準備として受講したいものでは「パソコン研修」が20・6%で最多。「専門的な知識・スキル」「資格取得」が続いた。多くは、実践的なスキルを身につける必要性を感じているようだ。

 日本女子大学教授の大沢真知子さん(労働経済学)は「女性が再就職して活躍するには、専門性とスキルが欠かせない。それらが学べる講座が増えるのは望ましい」と評価する。その上で、「力を付けた女性が再就職しようにも、受け入れ態勢が整っていない企業も多い。多様な働き方が求められる」と指摘する。(福士由佳子)