新米の季節、おいしく炊ける鍋を探す

写真はイメージです

鍋炊きがおいしい理由は「かに穴」に

 新米がおいしい季節。一手間掛けて、鍋でご飯を炊いてはどうだろう。慣れていないと難しく感じるが、簡単においしく炊けるように工夫された炊飯鍋も販売されている。

 ご飯炊きの火加減といえば、はじめちょろちょろ、なかぱっぱ――。聞いたことがあっても、どうしたらいいのか分からない人が多いかもしれない。東京ガス都市生活研究所が2015年に1都3県の在住者に炊飯方法を聞いた調査では、90%が炊飯器と回答。鍋で炊いている人は5・4%しかいなかった。

 だが、手間を掛けて鍋で炊くメリットもあるようだ。「鍋で炊いたご飯は、ひと味違って感じるはず」と話すのは、リンナイで家庭用ガスコンロなどの開発に携わる稲山浩哉さん。公益社団法人日本炊飯協会認定の「ごはんソムリエ」で、ご飯の食味にも詳しい。

 稲山さんによると、ガスなどの強い火力で加熱すると、米と水の激しい対流が起きることで、熱がムラなく通ったおいしいご飯が炊けるという。「水蒸気の泡が通った『かに穴』と呼ばれる跡ができていれば、おいしいご飯に炊き上がった証拠です」

 火加減は鍋や米の量によって違ってくるが、基本の炊き方は、沸騰したら弱火にして10~15分ほど加熱し、火を消して蓋をしたまま10分程度蒸らせばいい。

窯元と共同開発、炊飯専用の土鍋

 リンナイの「かまどさん自動炊き」は、三重県の伊賀焼の窯元「長谷園」と共同開発した炊飯専用の土鍋だ。熱が逃げにくく、お米の芯まで通る。土鍋自動炊飯機能がついたリンナイのガスコンロを使えば、コンロが自動で火加減を調節してくれるので、火加減に自信がなくても土鍋炊きご飯が味わえる。稲山さんは「土鍋はふっくらとして甘く、アルミ鍋はあっさりした食感に炊き上がります。好みに応じて鍋を選んでは」と勧める。

 HARIO(ハリオ)の「フタがガラスのご飯釜」は、「土鍋炊きご飯が食べたいが、火加減が難しい」という声を受けて開発された。耐熱性と蓄熱性を兼ね備えた三重県の萬古(ばんこ)焼を採用し、鍋を3合用は13ミリ、1合用は20ミリと厚くしたことで、火加減の微妙な調節を気にしなくて済むという。耐熱ガラスの蓋のつまみに付いたホイッスルが、火を止めるタイミングを教えてくれる。ガラスの蓋から中の様子が観察できるのも楽しい。

IH対応のスタイリッシュな鍋

 フランスの鋳物ホーロー鍋ブランド「STAUB(ストウブ)」から2015年に発売された「ラ・ココット de GOHAN」は、おいしくご飯を炊くことにこだわって開発された商品。重みのある蓋の内側に付いた突起が、蒸気を捉えて水滴に戻して落とし、ご飯をふっくらと炊き上げてくれる。スタイリッシュな外観も魅力だ。

 ティファールの「キャストライン ライスポット」はアルミ鋳物で、軽くて扱いやすい。鍋底は5・5ミリと厚みがあるが、熱伝導が良いので沸騰までの時間はそれほどかからない。

 いずれの鍋も炊飯時間は30分程度と、一般的な炊飯器よりも早く炊ける。だが、炊飯器のような保温機能はないので、場面に合わせて使い分けるのが良さそうだ。

 【鍋で1~3合のご飯を炊く方法】
 〈1〉お米をとぎ、水を切る
 〈2〉鍋に米と米の1.2~1.4倍の水を入れて蓋をし、30分~1時間浸す
 〈3〉中火にかけて沸騰させる
 〈4〉沸騰したら弱火にし、10~15分してグツグツしなくなったら火を消す
 〈5〉蓋をしたまま約10分蒸らす

(宮木優美)