毎日のケアで歯を守る 高機能歯磨き粉に注目

美白や歯周病対策に特化

 歯周病など大人の歯の悩みに応える高価格帯の歯磨き粉が人気を集めている。年を重ねた後も健康で美しい歯を残したい、との意識の広がりも背景にある。

 厚生労働省が2016年秋に実施した調査によると、80歳で自分の歯が20本以上ある人の割合(推計)は過去最高の51・2%に上った。歯の残存本数は増加傾向にあり、前回調査(11年)から11ポイントも上昇。厚労省の担当者は「一日のうちに歯を磨く回数も年々増えており、歯磨きに対する意識の高まりがみてとれる」と分析する。

「効果があれば1000円以上でも」47%

 口腔こうくうケアへの関心が広がるとともに、様々な機能を持つ歯磨き粉へのニーズが高まっており、購入単価も上昇している。ライオンの調査では、歯磨き粉の販売価格(税抜き)は07年の264円が、16年には326円と2割以上高くなった。特に1000円前後の高価格帯の商品が伸びており、同社が歯周病に悩む人を対象に実施したアンケート調査では、「効果があれば1000円以上でもよい」との回答が47%を占めた。

黄ばみの除去や光沢感をあげる

 女性を中心に人気なのがコーヒーやたばこなどによる黄ばみを取り除く美白用歯磨き粉だ。

 第一三共ヘルスケア「シティース ホワイト+ケア」シリーズ(税込み想定価格1382円前後)は、歯の着色汚れを除去する成分を3種類配合した。美白に加えて口臭、虫歯、知覚過敏、歯周病を予防するための商品4種を発売した。

 1992年の発売後、同ブランドの商品は次第に販路を拡大。現在の売上高は約15年前のおよそ10倍にも上る。「昔は家庭内で1本の歯磨き粉を共有していたが、最近は家族一人一人に合った歯磨き粉をそれぞれが使う傾向にあり、細かい症状に合わせた商品が支持されている」(広報)ことも売り上げを伸ばしている。

 サンギ「アパガードプレミオ」(同1598円前後)は店頭で買える同社製品の中では最も高額で、独自の薬用成分の配合量を従来製品の1・4倍に高めた。歯の汚れを吸着し、小さな傷を埋めてなめらかに仕上げることで歯の光沢も増すという。

 いずれも美容に関心の高い30~40歳代の女性が購買層の中心を担っている。

 中高年向けには加齢とともにリスクが高まる歯周病対策の商品が充実している。

 ライオン「デントヘルス薬用ハミガキ しみるブロック」(税込み希望小売価格1523円)は、歯槽のう漏に塗るタイプの薬がルーツだ。殺菌・抗炎症成分が歯茎からの出血を防ぐという。神経への痛みや刺激の伝達を防ぐ作用をもつ薬用成分を配合しており、歯がしみがちな人にも使いやすくした。

 サンスター「サンスター薬用塩ハミガキ」(同1058円)は漢方にも使われる生薬「当帰」のエキスを配合した。炎症を抑えるほか、塩が歯茎を引き締め、口臭や口内のねばつきも防ぐという。 (野口季瑛)