マナミさんにラネットくん……スマホで広がる「チャットボット」

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 スマホで24時間対応、オススメ情報から雑談まで

 人のように会話するプログラム「チャットボット」の活用が広がっている。無料通信アプリ「LINE(ライン)」などのコミュニケーションツールの普及や AI(人工知能)の活用によって会話の精度が向上している。いつでも問い合わせができたり、ほしい情報を素早く入手できたりと、顧客サービスの向上につながっている。

 「チャットボット」は人のように会話するプログラムで、スマートフォンなどに入力された単語などから質問の意味を理解し、あらかじめ設定されたシナリオに沿って会話するタイプが多い。適切な回答を自動で判断して打ち返すことができるので、まるで人と会話しているかのようなコミュニケーションが可能だ。

 企業がウェブサイト上のサポートコーナーに設置している場合や、LINE上で、サービスを提供している企業の公式アカウントを「友だち」に追加して会話するタイプなどがある。

 消費者には、24時間いつでも問い合わせ可能で、ほしい情報がすぐに得られるなどのメリットがある。

 企業もスマホユーザーとの接点を拡大できるほか、これまでオペレーターに頼っていた顧客対応やサポートの担い手を広げることができる。

 アスクルが運営する個人向け通販サービス「LOHACO(ロハコ)」では、チャットボットの「マナミさん」が質問に答えてくれる。2014年9月の導入以降、利用者は年々増加し、最近ではロハコに関する顧客からの問い合わせの約半分を「マナミさん」が答えている。このため有人対応ではより丁寧な説明が可能になったという。

気軽に質問、精度の高さもウリに

 ライフネット生命保険では、「ラネットくん」との会話を通じて保険診断や見積もりを受けることができる。必要に応じて保険プランナーがチャットボットに代わって対応する。利用者の約8割が20~30代だ。利用者からは「電話では躊躇ちゅうちょしてしまう。チャットなら気軽に疑問を解消できる」などと好評だ。

 旅行比較検索サービス「スカイスキャナー」では、LINE上でキャラクターの「ココくん&ナツコ」に出発地、目的地、日程を伝えれば、航空会社や旅行会社など約1200社の情報の中から条件にあった航空券を提示してくれる。

 リクルートジョブズが運営する求人メディア「フロム・エー ナビ」のキャラクター「パン田一郎」は、アルバイトに関する情報を提供してくれるほか、話し相手にもなる。

 16年9月からAIを搭載し、過去に出た話題などを会話に活用しているため、精度の高い返答ができるようになった。

 チャットボットには会話の精度をどう向上させるかなどの課題がある。野村総合研究所の長谷佳明・上級研究員は「有人対応と組み合わせることで顧客サービスの品質を維持することができる。また、データを蓄積することがサービスの改善にもつながる」と指摘している。(松尾大輝)